「地元民が愛するご当地料理は主要駅周辺で食べられる」ということを姫路で学んだ。タクシー運転手さんオススメグルメもケンミンショーで紹介されるほど人気のモーニングも駅のすぐ近くで食べた。もしかすると、まだ駅の周辺に隠れた名物があるかもしれない。
そう考えた私は、姫路駅構内を散策することに。いや正確に言うと、ただただ大雨だったので、外に出ずに “駅ナカグルメ” に狙いを定めただけなのだが……とにかく予想は的中した。割とすぐに「播州うまいもん処」なるエリアを発見したので入ってみることに。
・播州うまいもん処
播州は「ばんしゅう」と読む。播磨国(はりまのくに)の異称で、現在の兵庫県南西部のこと。つまり「播州うまいもん処」では姫路、加古川、明石、赤穂などでよく知られるグルメが楽しめるってことだ。ついでにお土産も買えるかもしれない。
看板を見ると「加古川のかつめし」「姫路の玉子焼き」「姫路のえきそば」「姫路のおでんと地酒」、それから神戸三宮・姫路エリアで展開している回転寿司「海鮮どんぶり本舗 力丸」が入っていることが分かった。さてどれを食べようか。
……かつめしに決めた。姫路以外の名物を食べてみたかったからだ。加古川名物のかつめしとは、平らなお皿にご飯を盛り、その上に牛カツを乗っけて、デミグラス系のソースをたっぷりかけて、ボイルしたキャベツを添えた料理だという。「お箸で食べる洋食」なのだとか。
・うしくんの加古川かつめし亭
お店はフードコートのように並んでいて「うしくんの加古川かつめし亭」は入ってすぐの場所にあった。同店にはギャグ漫画の登場人物のような顔をした「うしくん」というマスコットキャラクターがいるもよう。あまり可愛くないが、播州では有名なのだろうか。
とにかく看板メニューを頼んでみることにする。「うしくんのかつめし(1000円)」だ。ヘルシーな牛ももカツを使っているらしい。ちなみにチキンや豚を使ったメニューもある。呼び出しブザーをもらって席でしばし待つことに。
5分も待たずにブザーは鳴った。デミグラスなタレがあふれんばかりにたっぷりとかかっている。添えられているのはドレッシングのかかったサラダ。
調べたところ、B級グルメとしても人気っぽい。たしかに庶民的でありながら気軽に食べられる料理と言えるだろう。戦後間もない頃に加古川駅前の食堂で考案されたのが始まりだそうだ。
これがやはりうまい。デミグラス風のソースがどろっと濃厚でご飯をかきこみたくなるのだ。気を使わなくて良い味というか、まさにB級グルメ的な良さがある。牛カツは柔らかくてサクサク。旨味と甘みがギュッと詰まっていた。
もう少しボリュームがあったら完璧だろうか。一応、カツダブル(1400円)なるメニューもあるがちょい高い。ご当地グルメを気軽に味わうって感じならいいかもね。加古川に行く機会があれば、地元民に愛される有名店で食べてみたいと思った。かつめし、覚えておこう。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
名称 うしくんの加古川かつめし亭
住所 兵庫県姫路市駅前町188番1
時間 11:00〜21:30(諸事情により20:00閉店)
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.