2023年4月14日、新宿にオープンした『歌舞伎町タワー』が話題となっている。詳細についてはこちらの記事をご確認いただきたいが、日本が誇る “不夜城” 歌舞伎町の新名所になることは間違いない。

……と同時に、歌舞伎町タワーについて気になる噂を小耳に挟んだ。なんでも「歌舞伎町タワーには女子トイレがない」というのだが、えっ? そんなことあり得る? 気になり確認しに行ったところ、色々と複雑だったのでご報告しよう。

・超エンタメ施設

歌舞伎町タワーの最大の特徴は、オフィスや住居が無い「総合エンターテインメント施設」ということ。ホテル・映画館・飲食店・ライブホール(Zepp Shinjuku)・クラブ・ゲームセンターなどなど、骨の髄までエンターテインメントに特化した商業施設である。

ただでさえ人が多い新宿は順調にインバウンドも回復しており『歌舞伎町タワー』は新宿の観光名所のエースとなり得る存在だ。実際に私(サンジュン)が足を運んだ日も午前中から多くのインバウンド客で賑わっていた。

・女子トイレがない?

さて、問題の「歌舞伎町タワーに女子トイレが無いらしい」というウワサを小耳に挟んだのは、つい数日前のこと。話を聞くとどうやら歌舞伎町タワーには「男子トイレとジェンダーレストイレしかない」というのだ。

歌舞伎町からほど近い「新宿2丁目」は世界最大級のジェンダーレス街であり、歌舞伎町タワーが時代に先駆けた試みを行うこと自体は大賛成である。だがしかし「女子トイレが無い」はいささか性急すぎるのではなかろうか? 実際のところを確かめるべく、歌舞伎町タワーへ急行した。

・「女子トイレがない」はガセ

で、まず確認できたのは『歌舞伎町タワー』には2階と5階にトイレが設置されているということ。そして5階は「男子トイレ」と「女子トイレ」に分かれていたので「歌舞伎町タワーに女子トイレが無い」という情報は完全にガセネタと判明した。

話題になっているのは2階に設置されている「ジェンダーレストイレ」の方で、横丁スタイルの飲食店が立ち並ぶフロアと同じ階にある。お酒を提供する店も多いことを考えれば、利用頻度は2階の「ジェンダーレストイレ」の方が多いハズだ。

そのジェンダーレストイレは大きく2つ「男子トイレ」と「男子・女子・ジェンダーレス・多目的」に分かれていた。「男子トイレ」も実際には小便器しか設置されていないため、大きい方を催したら男性でもジェンダーレストイレに行く必要がある。

ジェンダーレストイレの内部は全12の個室に分かれおり、男性専用が2、女性専用が2、残りの8は誰が利用しても良いジェンダーレスという構成だ。

・ちょっと気が引ける

つまり、2階のトイレは「男子トイレ(小便器のみ)」以外、性別問わず全ての人が同じ空間にいるというワケ。例えば1つのトイレを「男 → 女 →男」の順番で利用したり「女性の両サイドが男性」ということも十分にあり得るのだ。

これは個人の価値観に大きく依存するが「特に気にならない」という人もいれば「絶対にイヤだ」という方もいらっしゃるハズ。個人的には「女性の後に入るのは気が引ける」「自分の後に女性が使うのも緊張する」と感じた次第である。

また、同じ階にお酒を提供する店が多いことを鑑みると「わざわざトラブルが起きやすい環境を作る必要はないのに」とも感じた。個人的には、せめて「女子トイレ or ジェンダーレストイレ」にすべきだと思うし、本来なら「男子トイレ・女子トイレ・ジェンダーレストイレ」の3種類を設置すべきであろう。

先述の通り、歌舞伎町タワーが時代に先駆けた試みを行うこと自体は大賛成である。またジェンダーレストイレ自体も開放的(?)な造りだったので、ある意味での “秘匿性” は薄いように感じられた。ただ「それでもなんか気持ち悪い」という方も一定数いらっしゃるハズだ。

おそらく初めて歌舞伎町タワー2階のジェンダーレストイレを利用する場合、戸惑う方が多いハズ。いつの間にか無くなってしまうのか、それともこれが普通になるのか? 数年後には明らかになっていることだろう。

参考リンク:歌舞伎町タワー
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.