先日、何気なくスマホの写真フォルダを見返していた。

画面には旅先の景色やおいしい食べ物など、これまでに撮影してきたカラフルな写真たちが並んでいる。こんなこともあったなぁ、と思い出に浸っていた時……ふとあることを思いついた。

普段はペイントソフトでペンの色を変えて色塗りをしているけれど、これだけカラフルな写真たちが揃っているなら線画に写真を貼り付ければイラストの色塗りができてしまうのでは?

今までに全く挑戦したことのない方法だけど、物は試しにと挑戦してみることにした。


・新感覚色塗り

ということで、用意した線画がこちら。


まずは肌に色を乗せるため、以前の記事で使用した卵の写真を引っ張り出してきた。殻の色がペールオレンジに近いんじゃないかと思ったのだが、実際に貼ってみると……


……濃いな。


やっぱりいつもの色塗りとは違って、イメージにぴったり合った色を乗せるのは難しい。


そこで少し透明度を下げてみたところ、ちょうどいい色になって一安心。こんな感じで時折調整を挟みつつ、ひたすらイメージに合う写真を貼り付ける作業を繰り返していく。


実際に貼り付けてみると、地面の模様など意外な物が服の柄として機能してくれることもあった。服の柄を描くって結構大変なんだけど、この方法なら貼り付けるだけで映える服を作れるんだな。

筆者が愛用している「CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)」というソフトでは様々な素材を使うことができ、パターン模様もいくつも収録されている。

普段はそれらを服の柄として使うことも多いけれど、それとはまた違った自然な表現ができて新鮮だ。


髪の毛や着物など、普段なら1色で塗りつぶしてしまう部分が素材のおかげで自分では思いつきもしない質感になるのも面白い。


全ての部分に色が乗ったら、あとはいつものイラストと同じように影や光を描きこんで……


完成!


・超楽しい!!

ちなみに、それぞれの色の元の写真はこんな感じ。目はいちご飴、着物は大量の肉からできている。

「これは絶対合わんやろ……」と思ったものでも拡大してみたり角度を変えてみたりするとしっくりくることも多く、調整していて大変面白かった。

それぞれの素材の質感も色もバラバラだし、もっと統一感がない仕上がりになってしまうかな……と思っていたのだが、意外と違和感なくまとめられたのではないだろうか?

今回は企画のために写真で色塗りをしてみたけれど、今後他のイラストを描く時もいい感じの写真があったらこの方法を使ってみよう。

最近は色塗りの方法がマンネリ化してきてしまっていたのだが、いつもとは違う方法を試すことで久しぶりに純粋に楽しみながら作業ができた。

自分が慣れ親しんでいる方法で作業をするのも効率的でいいけれど、やっぱりたまには新しいことに挑戦してアップデートをするのも大事だな。改めて確認できた作品制作だった。

執筆・イラスト:うどん粉
Photo:RocketNews24.

▼今回のイラストに使用した写真たち。この写真を撮った時の思い出も蘇ってきて二重に楽しめた