“ゲーミングチェア” という家具のジャンルがある。e-Sportsなど正しい姿勢で長時間ゲームをすることが求められるプレイヤーに向け、人間工学なんかを応用した機能性家具だ。
そこまでガチじゃないし置く場所もないし、そもそもゴロゴロしながらゲームできれば十分なんよ……という、ゆるゲーマーに朗報だ!
「お、ねだん以上。」のニトリから “ゲーミング座椅子” なるものが登場。使ってみたら、これがまた……
・ゲーミング座椅子(税込11990円)
昨年登場したニトリのゲーミング座椅子。店頭では販売しない「ネット限定品」のため、まだ見たことがない人も多いかもしれない。
筆者のケースでは注文から発送までおよそ1カ月半。現在注文すると、カラーによっては3月下旬以降の発送となる。
「人でも入ってるのか?」と思うような巨大なダンボール箱で到着したそれは、和室などにある一般的な座椅子に比べるとかなり大きい。
ウレタンフォームのクッションは固めで、ほとんど沈み込まない。長く座っているとお尻が平べったくなる感覚があるのだが、そのぶん簡単に「へたらない」ことが期待できる。
生地はメッシュ状。筆者のものはブルーで、ほかにグレー、レッド、パープルがある。どれもカジュアルなカラー。
裏面はツルツルとした化繊。一度設置したら、その後は床を滑らせて移動することになるだろう。座っているときは自重がかかるので簡単にはズレない。
座椅子にしてはかなりのハイバックで、頭部の近くまで支えてくれる。枕にもなるベルト付クッションがひとつ付属するので、腰にあてたり頭にあてたりとお好みで。
注目したいのは3カ所の可動部! それぞれ14段リクライニング調節が可能。この可動部により……
普通のリクライニングチェアとして使ったり
フルフラットにしたり
テーブルモードにしたりできるのだ。なんという柔軟なトランスフォーム機能!
ゲーム目的ならテーブルモードが気になるところ。テーブル面は幅48cm、奥行き28m。携帯ゲーム機やタブレットなら問題なく置けるスペースがある。
自分の好きな角度にして、手首を置いたら……
なにこれラク……! 約670グラムあるはずのSteam Deckが無重力に! 永遠にゲームできる……
テーブル部もクッション素材なので安定感のあるスタンドが別途欲しいが、Nintendo Switch程度の小さなモニターならテーブルに置くことが可能。視線の高さもばっちり。
Nintendo Switchのような左右分離するコントローラーなら、両手をだらりと垂らして脱力状態でゲームができるぞ。背もたれに体重を預け、視線はぼんやりと前方、両手の指先だけが動く……まさに廃人! 求めていた姿はコレだ!!
ノートパソコンもぎりぎり大丈夫だが、マウスを置くためのサイドテーブルは別途必要。またテーブル盤面が滑りやすいので、滑り止めマットなどを敷くとよさそう。
固めとはいえ完全な平面ではないので、コーヒーカップなど「倒れやすいもの」をテーブル部に置くこともおすすめしない。
パソコン作業をする場合、背もたれを直角にして、テーブル部を壁のように斜めに立てるのが使いやすかった。付属のクッションをストッパーにしつつ、パソコンが縦に立つように置く感じ。
このあたりの「どの角度、どのポジションがいいか」は個人差があるから試行錯誤が必要だろう。3カ所それぞれが独立して動くので、「いい」と思った角度は再現できるよう覚えておくのがおすすめ。
個人的に高評価なのが、テーブルを足置きとしても使えるところ! デスクワークで足がむくんできたときのつらさ、足を高くしたときの爽快感は、きっと経験者なら理解してもらえると思う。
あ〜〜〜足を上げてごろんと寝転ぶリラックス感は言葉にならない。逆に頭側をテーブルに載せることも可能。
この辺は工夫次第だ。ゲームのコントローラー設定のように、ユーザー同士「こうやって使うのがよかった」っていう設定を保存&共有できればいいのに!
・難点は……
もちろん長所ばかりではなく、難点もある。テーブルモードにして座ってみると、背もたれとテーブルに挟まれて、かなり身体がホールドされる感じがある。乗ったことはないが、F1マシンなどのコックピットのイメージ?
大柄な人など、体格によっては窮屈に感じられるだろう。姿勢を変えたいときは、座椅子の角度自体を変える必要がある。
また、おそらくテーブルの耐久性を保つためだと思うが脚の部分が割と太いので、小柄な人だと股関節が無理に広がる感覚があるかも。
テーブルの向こうに出した足は、伸ばすか、片あぐらか、あぐらの三択。
ゲームや休憩のように比較的自由に右を向いたり左を向いたりできる用途なら◎。パソコンでの仕事のように長時間着座するなら本物のオフィス家具には負ける、という感じだ。
・「お、ねだん以上。」に偽りなし
パソコン作業、ゲーム、休憩を1台3役でこなしてくれるゲーミング座椅子、かなり重宝している。これが1万円くらいっていうんだから、さすが「お、ねだん以上。ニトリ♪」である。
性能を最大限発揮するには、周囲に余計な家具を置かず、気軽にトランスフォームさせるスペースを確保しておくのがおすすめ。
最大限に伸ばしたときで全長156cmなのでベッドにはできないが、マルチリクライニングで汎用性抜群だ。ますますゲームやYouTubeや昼寝が……だけじゃなくリモートワークもはかどる。
参考リンク:ニトリ公式通販「ニトリネット」
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.