大変申し訳ないのだが、本記事で取り上げる炒飯の味について私は詳しくお伝えすることが出来ない。なぜなら、食べているとき味に集中できなかったからだ。
私の意識は炒飯のビジュアルに奪われており、もっとも記憶に残ったのはその見た目であった。究極の強面(こわもて)と言おうか。とにかくイカついのだ。どんな感じかというと……。
・見た目とのギャップ
バースデーケーキのロウソクのように唐辛子が突き刺さっており、「俺は辛いで〜」とアピりまくっている。行くところまで行ったビジュアル系バンドが楽屋で食ってそうな炒飯だ。
その名前もまたV系であり、正式名称は卍炒飯(バンソーハン / 795円)。見るからに食べる人を選びそうだが、実際に味を確かめてみたら……!
これがまた衝撃で、コクがあって普通に美味いのだ。ウソだろ!? こんな見た目しているクセに……! もちろん辛いといえば辛いものの、前回紹介した卍餃子(バンジー)に比べたらかなりマイルド。
参考までに辛さレベルをお伝えしておくと、同じシリーズの卍麻婆麺(バンマーメン)が唐辛子マーク5つなのに対して、卍炒飯(バンソーハン)は唐辛子マーク3つ。辛さレベル的にはいたって普通である。
よって、味的には意外と幅広い層に受け入れられるかと思う。ただ、問題なのはやはりそのビジュアル。全体的に黒魔術感がすごいので、この炒飯を店内で食べていると、周りのお客さんから「あの人、何かを召喚しようとしてるの?」と勘違いされかねない。
さらに、炒飯の正式名称が卍炒飯(バンソーハン)と中二感がすごい点も問題だ。新人のバイトから「は?」というリアクションをされそうで、注文しづらいぞ。
さらにさらに、現在テスト販売中のメニューのため食べられる店舗が限定的な点もイタい。いちおう、その店舗を書き出しておくと、
【テスト販売実施店舗】
・西五反田店
・大井町店
・ビーンズ赤羽店
・御徒町駅前店
──で、テスト販売が実施されているのは2022年12月20日まで。
つまるところ、卍炒飯を味わおうと思ったら、テスト販売を実施している店舗が近所にあるという地理的条件をクリアし、期限までにお店に行くという時間的条件をクリアし、「黒魔術っぽい炒飯食べてますけど何か?」と思えるメンタル的条件をクリアしなければいけない。
そういう意味で、大阪王将史上最高に食べるためのハードルが高い炒飯とも言える……が、味的なハードルは決して高くない(と思う)ので、我こそはという人はぜひ! 不死身っぽいビジュアルだけど、テスト販売期間が終わったら永遠に復活しないかもしれないからな。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.