「マリトッツォの次に流行る2022年のスイーツは?」と言われつつ、結局ネクストブレイクが来ないまま、もう10月になってしまった。
主役は遅れてやってくるとはよく言うが、ひょっとしたら、次にくるスイーツは「かりんとう」なのかもしれない……。
その理由は、天下の無印良品が2022年9月下旬にいきなり「かりんとう」を9種類も発売したからである。かりんとうを、9種類も! 渋すぎるだろ……!
・いぶし銀の和菓子「かりんとう」
子供の頃、おばあちゃんの家に遊びに行ったときなどに「かりんとう」はおやつに出てちょっとがっかりするお菓子チームであった。ポテトチップスとかポッキーじゃなくて、かりんとうかあ……なんて生意気に思っていたのを思い出す。
かりんとうはなんといっても地味だった。無骨な見た目も、黒糖のこっくりとした甘さも、子供にはちょっと渋すぎたのだ。
しかし、大人になってから久しぶりに「かりんとう」を食べて、その美味さに驚愕した。味覚が大人にアップデートされたのか「人はあるときから、かりんとうに目覚める」のだと思う。そしてそれが大人になるってことじゃないかとさえ思う。
・食感まで異なる驚異の10種展開
……と前置きが長くなったが、無印の新商品の「かりんとう」たちを紹介していこうと思う。ちなみに価格は全部190円。
・かりんとう 沖縄黒糖
・かりんとう ピーナッツ
・かりんとう ねぎ味噌
・りんごかりんとう (季節限定)
・ふっくらかりんとう ミルク珈琲
・ふっくらかりんとう 黒糖
・薄切りかりんとう 黒蜜
・薄切りかりんとう さつまいも
・薄切りかりんとう ごぼう
・薄切りかりんとう チョコ味
という感じ。ベーシックな「かりんとう」、あられのようなサクサク食感の「ふっくらかりんとう」、薄焼きで硬めの「薄切りかりんとう」と怒涛の3シリーズになっている。味だけでなく食感まで変えてくるとは。さらに、早くも季節限定商品まで出している。無印良品の社内には相当な かりんたー がいるのだろう。
もはや専門店なみの顔ぶれ。そして個性あふれまくるフレーバーの数々は「かりんとう2.0」といってもいいのではなかろうか。
・注目3種
全種食べ比べてみたのだが、基本的にどれも美味しくてハズレ無し。甲乙つけがたいのだが、個人的にこれは「買い」じゃないかと思う珍しいものをピックアップすると……
・薄切りかりんとう チョコ味
かりんとう界の革命児。「ガトーショコラが転生したらかりんとうだった件」みたいな味。ほろ苦く濃厚なココア風味の生地と硬めのザクザク食感、控えめな甘さでめっちゃ美味しい。唯一無二の味だと思う。
ただし見た目は映えない。調理に失敗して黒焦げになった物体Xみたいにしか見えない。
・かりんとう ねぎ味噌
ねぎの香りと味噌の甘じょっぱさがたまらない。他のかりんとうに比べて細めでカリっと仕上げてある。気づくと手が伸びて、カリポリ食べてしまう度ナンバーワン。ダイエットの大敵。
・ふっくらかりんとう ミルク珈琲
あられのような軽い食感で食べやすい。外側のミルク珈琲味のアメがミルキーな甘さで美味しい。和風と洋風のいいところどりな味。グリコの「カフェ・オーレ」みたいに甘みが強くて、どこかで食べたことがあるような懐かしい味がする。
・かりんとう沼の入り口かもしれない
ベーシックな「かりんとう ピーナッツ」も美味しいし、野菜の香りをビシビシ感じる「薄切りかりんとう ごぼう」や「薄切りかりんとう さつまいも」にも唸らされたけど……。他で食べられない味を選ぶなら上記の3種。
『かりんとう』の奥深さを知り、かりんとうに目覚めそうなほどの美味しさ。これからの季節はあったかいお茶に合うので、無限に食べられてしまう。かりんとうそこまで好きなお菓子でもないなあって人ほど食べてみてほしい。ただし、ダイエット中の人は要注意。
参考リンク:無印良品
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
▼「かりんとう 沖縄黒糖」ベーシックな味。食感は軽め。
▼「かりんとう ピーナッツ」 ナッツの香りが香ばしくて美味しい! 結局こういうシンプルなのをリピートすること多いよね。
▼「薄切りかりんとう ごぼう」 想像の3倍くらいごぼうの香り。硬いので口の中を怪我しないよう注意。ごぼう好きならハマると思う
▼「薄切りかりんとう さつまいも」 みたらしっぽいタレがつけてあって、大学芋がかりんとうになったような、「おさつどきっ」が濃くなったような味。芋好きにはたまらない
▼「薄切りかりんとう 黒蜜」 生地にごまが練り込んであって風味よし。甘すぎないところも食べやすい
▼「ふっくらかりんとう 黒糖」 ふわふわさくっとして軽くて食べやすい味。おばあちゃんの手土産にも
▼「りんごかりんとう (季節限定)」 期待していたけど個人的にはちょっと微妙だった味。シナモンの風味がついていて噛むとリンゴの酸味が感じられる。