最近『サステナビリティ』に更に力を入れている様子のトヨタ自動車。サステナビリティとは「目先の利益を追い求めるのではなく、環境や社会全体のことを考慮した活動をしよう」という取り組みのことだ。素晴らしい話なのだ。
日々の生活を考慮するだけで精一杯な我々庶民のぶんまで、世界の大企業たるトヨタには思う存分サステナビリティして頂きたい! が、しかし……
今回お伝えするイベントに関しては、思わず「トヨタ、どうした?」と感じずにいられない内容なのである。トヨタ…………一体どうしたというのか?
・サラッと森を所有していたトヨタ
今回トヨタがおこなっているサステナビリティ実験イベント、テーマはズバリ『# 生態系プチプチアート』だ。日程は9月15日(木)から21日(水)まで、『渋谷ちかみちPickUpランキン』(渋谷区道玄坂)にて開催中。
なんでも “約6万粒のプチプチを使ってアートを作る” とのことだが、これほどトヨタを連想させないイベントも珍しい。「トヨタの森で暮らす生きものを、約6万粒のプチプチにインクを入れて描く」……って、ちょっと待て。そもそも『トヨタの森』って何!?
調べたところ1997年、 トヨタはすべての人が森に触れ、生命の尊さと多様性を学ぶことができる取り組みのひとつとして、東京ドーム9個分の広大な敷地に『トヨタの森』(愛知県豊田市)をオープンさせたらしい。
温暖化や自然災害の頻発など、地球環境が危機的状況にある昨今。トヨタは『トヨタ環境チャレンジ2050』を公表した2015年以降、クルマの環境負荷をゼロに近づける活動を推進するとともに、森林の保護活動や多世代への意識改革に向けた教育にも力を入れてきた。
すべての人が自然に触れ、遊び、体験することで命のつながりや尊さ、多様性に気付く場所。 人と里山の心地いい関係……そんな森づくりを目指しているのだそうな。
なんだかスケールがデカすぎて「さすがトヨタですね」としか言いようがないのだが、一般人にも分かりやすい『サステナビリティ』の例と言えるだろう。ちなみに『トヨタの森』は誰でも利用することができるんだぞ〜!
・#生態系プチプチアートとは
……おっと! 『トヨタの森』に食いつきすぎてしまったので本題に戻ろう。『トヨタのサステナビリティ実験 #生態系プチプチアート』は動物、昆虫、植物など多様な生態系を、約6万粒のプチプチ1つ1つにインクを入れて描く……という実験イベントである。
20日(火)からは、なんとせっかくつくったプチプチをつぶして展示している。もったいない! しかし、よ〜く考えてみてくれ。要するに、これは “うっかりするとつぶれてしまうプチプチ” を “我々が守るべき生態系” になぞらえている、とも捉えられるのではないだろうか。
生態系はプチプチのようにもろく儚いもの。一度壊れたら2度と元には戻らない……最初は「トヨタ、どうした?」などと感じてしまったが、なんともメッセージ性の強いテーマが垣間見えてきたのだった。考えた人、スゴイ。
・トヨタがやらなきゃ誰がやる
ちなみに……『トヨタの森』のほかにも、東京ドーム約364個分の広さを有する『トヨタ三重宮川山林』(三重県多気郡)もシレッと所有。様々なプロジェクトを立ち上げ、林業再生や環境の保全などに取り組んでいるらしい。
今回のイベントや森づくりプロジェクトは、利益のことだけを考えれば恐らく実現不可能だっただろう。これは世界のトヨタだからこそできる、未来へ向けての勇気ある先行投資。つまり要するに……『サステナビリティ』ってことなのであるッ!!!!!
ヒ〜ン! なんか感動しちゃったァ〜!!!
『トヨタのサステナビリティ実験 #生態系プチプチアート』は20日(火)から21日(水)までプチプチをつぶして展示中。トヨタのマネはできないが、応援することも立派なサステナビリティである。そうと決まればみんな、急いで渋谷へ集合〜!
参考リンク:#生態系プチプチアート、トヨタのサステナビリティ実験
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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