武道の有段者が締める帯といえば、「黒帯」。白の道着に黒い帯がよく映えて、とてもかっこいい。そんな黒帯に激似の “うどん” があるらしいのだ。
その名も……『黒帯』。真っ黒で平べったい麺が、豆乳スープにどっぷり浸かっていて迫力満点とのこと。ほう、ずいぶん気合いの入ったうどんじゃないか。……なんだか気になるな。ちょっくら食べに行ってみるとしよう。
・うどんの名産地をぶらり
そんなわけでやってきたのが、群馬県桐生市。この地域では、ひもかわと呼ばれる平たいうどんが有名らしいぞ。これから食べるうどんも、おそらくそのタイプかもしれない。
市内の各駅周辺には、自転車貸出スポット(無料)があるようなので、目的地のうどん屋まではチャリで行くとしよう。開店時間まで少し時間があるので、市内をぶらぶらしてみる。
山、川、古き良き街並み……気持ちのいいところだなぁ。
桐生市出身の俳優、篠原涼子さんのポスターが、市内のいたるところに貼ってあり圧巻。推し具合がハンパない。
それと、うどん屋もあちこちで見かける。店の前を通り過ぎるたびに、い〜い匂いがしてたまらん。あ〜腹が減った……と思っていたら、目的地の「田沼屋」に到着。
ここで黒帯そっくりのうどんが食べられるのか。ふふ、ワクワクするぜ。
・田沼屋の『黒帯』
さっそく入店してみよう。ごめんくださーい。
和の趣(おもむき)が漂う店内。いいですね、テーブルやカウンターがゴチャゴチャしてない感じ。シンプルで好き。
メニューをパラパラとめくってみるが、やはり今日は『黒帯(税込950円)』。さっとメニューを閉じ、スタッフにオーダー。麺とスープの豆乳は、温か冷で選べるとのこと。外は暑いし、冷たいのにしよっと。
注文してからしばらくすると、常連と思われる客たちが次々に来店。そして、みな一斉に「カレーうどん」を注文。……えっ、マジかよ。ここで1番ウマいやつって、もしかして……などとちょっぴり動揺していたら、筆者の目の前に『黒帯』が運ばれてきた。
す、すげえビジュアル。……こう言っちゃなんだが、ミルクのかかったコーヒーゼリーみたいだ。スイーツじゃないよなコレ。
その横には、熱々のカレーが入った小さめのどんぶりが置かれている。え……まさかこれって、カレーうどん!? メニューをじっくり見返すと……
“焙煎スパイスキーマカレー” と、しっかり書かれているではないか。てっきり麺と豆乳だけでいくのかと思っていたが、カレーをかけて食べるのがポイントなのね。いかんいかん、勘違いしていた。
食欲を刺激するこのカレーの香り……。ゴクリ、思わず喉が鳴る。
・『黒帯』を食べてみた
箸でつかんでみると、ほんとうにブラックベルトっぽい。竹炭入りの幅広麺と豆乳スープがよく絡み、黒く輝いて見える。……美しい。
そして、麺1本がとてつもなく長い! これは食べごたえがありそうだ。
小皿に移した麺へカレーをかける。冷たい麺に熱々カレー、いい組み合わせかもしれない。
いざ食べてみると、麺がモチモチで噛みごたえ最高。そして、ピリ辛カレーとほんのり甘い豆乳が、絶妙なバランスで混ざり合ってウマい。はじめはスパイシーだけど、咀嚼(そしゃく)するたびマイルドになっていく感じ。麺のつるんとした喉ごしも気持ちいい。
麺はすするというより、折りたたんでから口に運ぶのがベター。一般的なうどん麺と比べると、やや食べにくさはあるものの、そのぶん食感がいい。ちなみに、麺から炭のような風味はまったくと言っていいほど感じられなかった。どうやら食用の竹炭は、無味無臭らしい。
この『黒帯』、見た目のインパクトもさることながら、味やボリュームも満点。次に来るときは、麺と豆乳をホットで注文してみるのもありだな。あと、麺が白いバージョンの『白帯』もメニューにあったので、それを試してみるもいいかもしれない。寒くなったら、またここを訪れてみよう。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 田沼屋
住所 群馬県桐生市東6-7-11
時間 11:30〜14:00 / 17:00〜19:00
休日 月曜日
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.
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