モーニングにて連載中の『ワンオペJOKER』(講談社)こそ、いま世界でもっともオモシロ尊い漫画であると声を大にして言いたい。宮川サトシさん原作、後藤慶介さん作画による本作は、なんと本国アメリカのDCコミックスから公認を与えられているという。
過去にはSNSでバズったこともあるため、名前くらいは聞いたことがあるという人も多いんじゃないかと思われるが、そんなものはネット上の一時的な現象に過ぎない。いいから読め! 今すぐ読め!! 特にお子さんをお持ちのパパママは絶対に読んでくれ。損はさせない。
・ジョーカー、イクメンになる
現在、単行本2巻まで刊行されている『ワンオペJOKER』(2022年7月7日時点)。その内容は、思わぬ事故で赤ちゃんになってしまったバッドマンを正義のヒーローに育てるため、宿敵・ジョーカーがワンオペで育児に励むというもの。
「何やそれ」と思われるだろうが、本当にこういうストーリーなのだから仕方がない。舞台は超犯罪都市ゴッサムシティ。間違えてLLサイズのおむつを買ってきてしまうジョーカー、赤ちゃんの背中スイッチに手を焼くジョーカー、保育園に落ちてブチギレるジョーカー……。
そう、主人公はあの究極ヴィラン(悪役)ジョーカーなのに、育児の描写や “あるある” がやたらリアルで、そのギャップに思わず笑ってしまうのだ。他にも「イトーヨーカドー ゴッサム店」や「チェリーパイマン」など、作中のちょっとした小ネタもいちいちジワる。
我が家にはちょうどブルース(赤ちゃんバットマン)と月齢が近い娘がいるため、妻と一緒に本作の大ファンになってしまった。まさかジョーカーにこんなに共感することになるとは思わなかったぞ。とにかく全編通して「わかるわかる!」の雨嵐となっている。
・バズった過去
その斬新すぎる設定とリアルな育児描写によって、連載直後からSNSで大きな話題になった『ワンオペJOKER』。無料公開中の第1話を読んだという人も多いだろう。ただ……これはネットでバズった漫画全般に言えることなのだが、それ以降の話ってちゃんとチェックしてますか?
実は今回、私(あひるねこ)がもっとも訴えたかったのがこの点なのだ。本作を最初の数話だけ読んだ人。あるいは単行本の1巻までは読んだ人。そこから先は? え、読んでないの!? この反吐(ヘド)が! いいかよく聞け。『ワンオペJOKER』はなぁ、むしろ2巻からが本番なんだよ! HAHAHA!!
・バズってからが最高
初めてのワンオペ育児に悩み、翻弄され、あたふたするジョーカーの姿が主に描かれた第1巻。それが2巻以降では、次第に育児にも慣れ始め、パパらしい表情を見せることが多くなっていく。ジョーカーなのに。
そしてそんなジョーカーの変化に伴い、どんどん魅力を増していくのがバットちゃんことブルースだ。いま読み返すと初期のブルースは、どこかまだ記号的というか、ジョーカーの苦労を演出するアイテムとしての側面の方が強いような気がする。ところが……!
現在のブルースは、ただそこにいるだけで可愛いスーパージャスティス赤ちゃんへと大変身。キャラクターのデフォルメ度が増した影響も大きいと思われるが、とにかく可愛い! 超カワイイ!! 可愛いを超えてもはや尊い! そのバットマン帽子はちょっと反則ではないのか?
・可愛すぎて泣ける
完全に赤ちゃんだった初期から成長し、今のブルースは歩いて保育園に通い、言葉は話せずとも意思表示はできるようになっている。「あう~」と喜ぶ様は頬が緩むほど愛らしく、可愛い盛りの幼児としてバキバキに仕上がっていると言えよう。ああ! 私も早く娘を保育園に迎えに行きたい!!
また、成長するにつれてジョーカーとの絆も間違いなく深まっており、特に2巻の続きにあたる第15話などは、あまりにもブルースが可愛すぎて号泣してしまった。単行本未収録のため詳細については触れないが、世のパパたちはぜひ一度読んでみてくれ。泣くぞ。
・断言
『ワンオペJOKER』はバットマンとかジョーカーとか知らないし興味ない、という人でも楽しくスラスラ読める文句なしのコメディ作品だ。もちろんDC知識があった方がより楽しめるだろうが、100点が120点になるだけで特に困らないため問題なし。ぶっちゃけ私もさして詳しくない。
文句を言いながら育児に奮闘するジョーカーに笑いつつも共感し、ただひたすらに可愛いブルースをただひたすらに愛でる。冒頭でも書いたように、いま世界でもっともオモシロ尊い漫画であり、バズった1巻以降も絶対チェックしていただきたい作品である。
参考リンク:コミックDAYS『ワンオペJOKER』
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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