競馬界にも春の嵐か。2022年3月27日開催された「高松宮記念」の3連単の配当はなんと278万4560円。ここからほぼ週一で開催されていく春のGⅠ戦線は大波乱の幕開けと言えるだろう。で、なぜ私(中澤)がそんなことを知っているかと言うと高松宮記念で馬券を買っていたからだ

初めて馬券を買ったレースで万馬券。引きが強いのか弱いのか。そんな私の高松宮記念の顛末については以前の記事をご覧いただければと思うが、馬券を買ってある意味レースの結果以上に印象深かったことがある。それが競馬番組の内容だ

・変わる見え方

馬券を買ったことがない人に聞きたいのだが、あなたは競馬番組を真剣に見たことがあるだろうか? 2022年3月現在、東京の地上デジタルテレビ放送では土曜日昼にテレ東「ウイニング競馬」、日曜日昼にフジテレビ「みんなのKEIBA」が放送されている。

基本的には出演者が予想して一緒にレースを見るという構成の競馬番組。正直、私は最初から最後までちゃんと見たことがなかったかもしれない。

なぜなら、飽きるから。高松宮記念の記事でも書いたが、私はダビスタ世代なので競馬自体には興味がある。そのため、競馬番組もチラッと見たりしたことはあるのだが、ゲームに登場するレジェンド馬は引退しているため、当然レースの出馬表は知らない名前ばかり。思い入れがないので「もういいか」となるのである。

したがって、競馬番組にも「出演者が予想してみんなでキャッキャしながら見てる」という以上の感想を抱いたことがなかった。だが、馬券を買うと、この競馬番組の見え方が変わる

・ビビったこと

出演者の予想のガチ感が凄いのだ。例えば、「前走負けてるけど内容はほぼ勝ちだった」とか「パドックの動きが固いけど、この馬はいつもこんな感じなので大丈夫」とか、1番人気ならともかく注目度が低い馬のそれ知ってます

少なくとも、私が馬券を買った時は注目すらしなかったから、ずっと追ってる人ならではの切り口であることは間違いないだろう。

ビビったのは、元調教師とかの競馬関係者だけでなく、タレントさんも同様にそんなデータで攻めてくるところ。競馬番組のトーク部分は、馬券を買って見たら「え、そうなんスか?」の連続であった。しかし、もっとビビッたのは……


そんな予想が当たらないこと


高松宮記念の馬券を買うにあたり雰囲気を掴むために土曜日の「ウイニング競馬」も見たのだが、日曜日「みんなのKEIBA」と合わせても出演者の予想は9割ハズレ。レース前に聞いた時はあんなに説得力があったのに。

そうだ、私はその予想に目からウロコを落とされているわけだから、今考えても予想屋たちが歴戦の猛者であることは変わらない。逆に、そんな猛者すらもあっさり飲みこむのが競馬なのである。深い。とてつもなく。

・知らなかった

それにしても、今まで真剣に見たことなかったから気づかなったけど、競馬番組の予想ってこんなに的中率低いのか。せめて五分五分くらいかと思っていた。個人的には競馬番組の言うことは信用しないことに決めたのだが、競馬ファンはどう見てるのだろうか

そこで日頃から馬券をよく購入している原田たかし記者と御花畑マリコ記者にその辺のことを聞いてみた。土曜日と日曜日の昼に競馬番組放送してるの知ってますか

原田たかし&御花畑マリコ「もちろん」


──あれの予想って参考にすることあるんですか?


原田たかし「人によっては参考にしてます


──と言うと?


原田たかし「例えば、『ウイニング競馬』だとたまに地方のジョッキーが予想したりするんですね。中でも、森泰斗騎手の予想は乗っかります。的中率が高いと噂の人です。他にも騎手の予想は積極的に参考にしてますね」


──確かに、それは試してみたいですね。


御花畑マリコ「騎手繋がりで言うと、私は『みんなのKEIBA』に出てる元ジョッキーの細江純子さんの意見は注目してます。参考にすると言うか、細江さんのオススメとかぶったら嬉しいという感じですね。多分、細江さんの推奨馬を参考にしてる人はすごく多くて、細江さんが「この馬いいです」って言うとオッズが動きます」


──そんな凄い人がいたんですね。気づきませんでした。


原田たかし「でも、逆に、予想がかぶったら「終わった……」って思う人もいますね」


──あ、やっぱり。例えば、誰でしょう?


原田たかし「『ウイニング競馬』のジャングルポケット斉藤さんとキャプテン渡辺さんですね」


──確かに外してましたね。でも、予想の根拠は「なるほど~」と思わされたんですけど、ダメなんですかね?


原田たかし「いえ、ダメというわけでは……。どちらかと言うと、2人とも志向が穴狙いで的中率が低めなので、かぶったら「やっちまった」って思う感じです。当てたらデカイって感じですかね」


──へー! 予想者によっていろんなタイプがあるんですね。


御花畑マリコ「かぶると終わる系なら、BSイレブン競馬中継の東幹久さんが有名ですね。「咲良、これを買え」というコーナーで東幹久さんが本命馬を出すんですが、幹久さんの場合シンプルにそれが当たらなすぎることで競馬ファンに知られています。なのでかぶるとがっかりします。「幹久ふざけんなよ!」とか言ってる競馬ファンもよく見かけます」

──とのこと。『ウイニング競馬』の2人はあてにならん派閥だったか。それにしても、東幹久さんが競馬界でデスノートみたいな扱いを受けていようとは。人生って何がどうなるか分からんな。一方で、細江純子さんのオッズが動く話はまるで神の手である。ガチファンでも参考になるポイントはちゃんとあるようだ。

というわけで、馬券を買ったことで競馬番組を楽しめるようになった私だが、まだまだ奥は深い模様。もっと楽しみたい! 春の闘いは始まったばかりなのだから!!

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.