この人を抜きには語れない。そんなレジェンドは各業界で語り継がれていると思うが、肉そば界のレジェンドと言えば『豊しま』である。元祖厚肉そば(税込み680円)の肉の厚みが半端ではない『豊しま』。行く前と行った後で肉そば観が変わる店と言っても過言ではない。
立ち食いそば屋ゆえに、知る人ぞ知る存在という感じのこの店。なんと、そんな『豊しま』がオシャレな場所に新オープンしていた。キラッキラや!
・豊しまとは
飯田橋と江戸川橋にある『豊しま』。私(中澤)は飯田橋店でその存在を知ったので、やはり飯田橋店の雰囲気に「豊しまらしさ」を感じる。
色褪せた看板、くすんだ軒。電灯は薄暗く、青い壁にパワフルな筆跡の手書きメニューが並ぶ。そんな中で食べるホロホロに煮込まれたデカ肉が乗った「元祖厚肉そば」は、まさに男が惚れるそばであった。
店が醸し出すインディーズ感や泥臭さまでも味。あの『豊しま』の新店が、文京区の春日にオープンしたという噂を聞いたので行ってみたわけだ。
・思てたんと違った
春日駅は初めて降りたが、建物が整理整頓されているような雰囲気にはオシャレさが漂っている。住宅地なので、これ見よがしなオシャレさではないが、スッキリして住みやすそうというか。ブランドで言うと無印良品みたいな街だ。
駅前もチェーンが並んでいる感じなので『豊しま』があったら目立ちそうである。しかし、散策してもそれらしき影は見えない。住所的にはこの辺のはずなんだけど……ん? もしや、これか?
キラッキラや!
メニューも手書きじゃない……!!
っていうか……
タワマンの1階に入ってるゥゥゥウウウ!
『豊しま』らしからぬハイソさだ。看板によると、そのタワマンの名前は『文京GARDEN』というらしい。調べてみたところ、低階層には商業施設が入り、高層階はオフィス、マンションフロアになっているそうだ。
・映画版豊しま
こんなキラキラした『豊しま』は初めて見た。ジャイアンが映画版のドラえもんでは綺麗なジャイアンになるように、この豊しまも映画版豊しまなのかもしれない。
しかし、ジャイアンの場合はキャラが変わってしまっているが『豊しま』はどうなのだろうか。そばまでお行儀よくなっていたらガッカリである。そこで「元祖厚肉そば」を注文してみた。とりあえず価格は同じ税込み680円。
丼をぐるっと回ってフタをするような肉のボリューム感も顕在なようだ。で、そんな肉は噛むと、じゅんわりと濃厚なつゆが染み出すほどホロホロに煮込まれている。これこれー!
ほぼタレみたいな真っ黒なつゆも特徴の1つなんだよな。この濃厚な甘辛さが肉に染みてトロットロになるのがまた良いのである。
・上のタワマンに住みたくなるレベル
『豊しま』を食べるのは久しぶりだったが、飯田橋を思い出す味であった。魂は変わってなかった映画版豊しま。店内も明るいので、私のような立ち食いそばマニア以外でも入りやすい店であることは間違いない。
なお、店員さんに聞いたところ、本店は先月2月17日にオープンしたばかりとのこと。文京GARDEN自体は2022年4月にグランドオープンらしいが、1階に『豊しま』が入ってるとか激アツである。このタワマン……住みたい。とりあえず、グランドオープンしたらまた来ようっと。
・今回紹介した店舗の情報
店名 豊しま 春日店
住所 東京都文京区小石川1-5-1 文京ガーデンノーステラス 1F
営業時間 7:00~18:00 / 土7:00~15:00
定休日 日曜日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.