観光で北海道に行ってスシローに入る人はいないと思う。せっかく北海道に来たのだ。土地ならではの海鮮を食べたいと思うのが人情だろう。ゆえに、北海道のスシローにはあるかもしれない。まだ我々道外の人間が気づいていない何かが──。

そこで先日、北海道旅行をした際、スシロー旭川4条通店に立ち寄ってみたところ……!? こんなの東京のスシローにはないじゃん

・思ったより盛況なスシロー

ちなみに、旭川には北海道発の回転寿司チェーンで有名な『トリトン』もあるし、パイオニア的存在の『とっぴ~』もある。これ、スシロー大丈夫か? 完全に「回転寿司は間に合ってます」って状態だろ。しかし、お店に入ってみたところ……

テーブル席は当たり前のように全部埋まってるし、カウンターも入れ替わり立ち替わりという感じ。待合スペースで待っている人もいて、まさしく道民に大人気の寿司屋と言っても過言ではないだろう。

・見つけた違い

さすがに北海道だしネタが違うのだろうか? しかし、レーンに流れている寿司は東京のスシローと同じように感じられる。


タッチパネルでメニューを見ても、特別北海道を感じるものは見当たらない。まあ、とりあえず食べるか。そこで流れてきたマグロを取り、醤油をかけようとしたところ……

醤油が2種類ある……!


見慣れた黒と白のパッケージの「スシロー合わせ醤油」以外にもう1つ、金と白のパッケージの醤油が用意されているのだ。その謎の醤油にはこう書かれている。「旨み豊かな昆布しょうゆ」と。味見してみたところ……

醤油のしょっぱさ以上に昆布の出汁と甘みを強く感じる味。スシローの合わせ醤油と食べ比べてみると、その味はとても対比的だ。ザ・醤油な尖ったしょっぱさのある「スシロー合わせ醤油」に比べ、「旨み豊かな昆布しょうゆ」は鮮魚を優しく包みこむような柔らかさがある

・広報に話を聞いてみた

どうやら、キッコーマンのだし醤油であるようだが、そもそもスシローにスシローオリジナル以外の醤油があるのを初めて見た。なぜこのチョイスなんだろう? そこでスシローの広報に醤油について話を聞いてみた。


スシロー広報「確かに、北海道の店舗のみ「旨み豊かな昆布しょうゆ」を導入しています。北海道では、昔から昆布しょうゆが親しまれており、お客様のご要望により導入しました」

──とのこと。海鮮の豪華さばかりに目を奪われていたが、北海道にそんな醤油文化があったとは。でも、確かに海鮮において醤油はかなり重要なファクターだ。

ネタがデカくなってるとか限定メニューがあるとか、観光客などの通りすがりが注目するような派手な違いはないが、そこには確かに北海道の味があったと言えるだろう。スシローが北海道で戦えている理由の一端を見た気がした。

・今回紹介した店舗の情報

店名 スシロー4条通店
住所 北海道旭川市4条通1丁目2241-5
営業時間 10:30~22:30
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.