毎年多くの福袋記事を執筆していると、稀に「信じられないほどコメントに困る福袋」を引いてしまうことがある。私にとって今年の『スワロフスキー』はまさにそれだ。「スゴイ」でも「ヤバイ」でもない。ただ明け方の静寂のように、穏やかに過ぎゆくだけの福袋……。

だからと言って我々は断じて “ボツ” にするわけにはいかない。なぜなら今まさに、この福袋を買おうとしている読者がいるかもしれないから。ライターとはそういうものなのだから……。

これは私が「信じられないほどコメントに困る福袋」をいかにして記事化へこぎつけたか、真実を記した福袋・ドキュメンタリーである。

・スワロフスキー福袋の全て

もちろん私が『スワロフスキー』の福袋を購入したのには、それなりの勝算があった。スワロフスキーはその知名度の割に「実はよく分からない」という読者も多いだろう。宝石にしては安すぎるし、ガラスにしては高い。

調べたところアレは『スワロフスキー・クリスタル』といって、一般的なクリスタル・ガラスより酸化鉛が多く含まれていて……なんというか、「そうなんだぁ」としか言えないのだが、だからこそお得な福袋でスワロフスキーを初体験してやろう、と考えたのである。

スワロフスキーの2022年福袋(税込1万6500円)の中には、いかにも高級そうな小箱が3つ収まっていた。なんか婚約指輪でも入っていそうな箱だな〜! 開けてみると……


一回り小さい小箱が。さらに開けると……



キラキラのピアス!



キラキラのネックレス!



キラキラのネックレス②!


以上!


・これは大変なことになった

ヤバイ……何も言えねぇ。確かにキラキラしていて綺麗だとは思うが、正直「宝物にする」ってほどじゃない。せめて「ショボい」とか「変な形」などの特徴があれば笑いにすることもできたが……それなりにチャンとしているから始末が悪い。

しかし記事として世に出す以上、「キラキラでした☆」では済まされぬ。この技だけは使いたくなかったが……致し方あるまい。ライターが1年に1度だけ使えるという禁断の奥義、発動ッ……!


数日後……



1月某日……都内某所にある雑居ビルの1室を訪れた私。



恐る恐るドアを開けると……



そこには……




レ、レ、レイちゃん! おつかれーーーーッス!!!!


・説明しよう

ご存知ない方のために一応説明しておくと、レイちゃんは1年に数回しか登場しないSSS級のレアキャラ。一部マニアの間ではカルト的な人気を誇る、当サイトのスーパーアイドルなのである。

実は私、人生で数回しかレイちゃんに会ったことがない。正直「仲がいい」とは言い難いものがあるが、今回思い切って虎の威を借ることにしたのだ。トラ年だけに。それではいくぞ……


「レイちゃん久しぶりィ〜!!! 元気にしてた!?」



レイちゃん「亀ちゃんじゃん! 久しぶりだね〜!」



レイちゃん「え? いきなり何?」



レイちゃん「スワロフスキー? へぇ〜…………」



レイちゃん「悪くないね!」


・これにて完結

突然のレイちゃん登場に、おそらく今ごろ一部のコア読者たちは狂喜乱舞していることだろう。これでどうにか本記事を世に出せそうだ。よかった……本当によかった。

誤解のなきようお伝えしておくと、もちろんスワロフスキーの福袋がダメだったわけでは決してない。ただ私にジュエリーをジャッジする能力がなかっただけだ。今後精進したいと思います。どうも失礼しました。

いや〜〜それにしても、レイちゃんが登場しただけで紙面がパッと華やぎましたなぁ! 少しだけ距離が縮まった気もするし、勇気を出してここへ来て本当にヨカッタ。また本気で困った時はひとつ……よろしくお願いしま〜す!!!!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.