駅そばと言えば日本そばだと思っていたが、それは私(中澤)の勝手な思い込みであった。東京は多摩地域最大級のターミナル駅であるJR立川駅。構内にはいくつもの駅そばがあるわけだが、なんとその1つが焼きそば専門店なのである

その名は『長田本庄軒』。ラーメン屋のような外観で東口改札内のコンコースに佇むこの店には、若い人や親子連れの客も見受けられ、さも当然のように行列ができている。だが、焼きそばだ。駅そばが焼きそばとはこれいかにィィィイイイ!?

・茶色祭

とりあえず食べてみることにしよう。専門店だけありメニューは豊富だ。豚(並760円、大980円)、ゲソ(並790円、大1010円)などの基本的なものはもちろん、名物としてぼっかけ焼きそば(並690円、大910円)もあるし、ぼっかけオムそば(並830円、大1050円)や牛ホルモン焼きそば(並890円、大1110円)などはガッツリしてそうで良いじゃないか。


トッピングも目玉焼き(50円)、ネギ(110円)、ぼっかけ(220円)、オムレツ(140円)と揃っている。で、私は「牛ホルモン焼きそば白ごはんセット(1110円)」を注文。やって来たのは……


絶対ウマイヤツだった


最高すぎる茶色祭。これを見て「まずそう」と思う人は、そもそもこの記事が意味のない情報になるかと思われるのでそっとページを閉じていただければ幸いだ。

・ジャンクに全振り

さて置き、麺は太めで食べごたえ抜群。牛ホルモンは染み出す脂とソースの濃いハーモニーがご飯にも合う。これは良い焼きそばである。だが、それだけではなく……

マヨネーズもかけちゃおう


そう、卓上には「自由にかけてください」とばかりに、調味料が置かれているのだ。すなわち、青のりかけても良いし……


追いソースもできるし……


かつお粉なんてかけちゃった日には……


たまらぬッ


調味料が置かれている店であってもマヨネーズはあんまり見かけないし、かつお粉なんて気が利いていると言えるだろう。さらには、紅ショウガを乗せると……


お母さーーーーーーーん!!

失敬感極まってお母さんを呼んでしまったが、心の中で叫ばずにはいられない味である。ジャンクな味が止まらないぜちくしょーめ。よし、どうせなら調味料を全制覇しよう。

・気が利いてる秘密

そう思い、最後の調味料である七味に手をつけようとしたところ、七味のパッケージにこんな記載を発見した。「香七味 丸亀製麺」と。


!? なぜ丸亀の七味が? そこで初めて「長田本庄軒」をネットで検索してみたところ……

完全にトリドールホールディングス! 丸亀製麺の姉妹店でしたか……。どうりで調味料の気が利いてると思ったよ。丸亀製麺も薬味の気の利き方半端ないしな。しかしながら、気になったのは駅構内という立地である。公式サイトによると長田本庄軒は全国に10店舗展開されているが駅構内は立川だけだ。

・広報に話を聞いてみた

そう言えば、以前、チェーン店で10万円食べられるか挑戦する企画「10万円食べるもんズ」を丸亀製麺で行った際、指定された店も立川であった。立川って丸亀製麺に所縁のある場所なんだろうか? そこでトリドール広報の宮林さんにこのことについて聞いてみたところ……


宮林さん「長田本庄軒については基本的にショッピングセンターのフードコートを中心に展開をしてまいりましたが、多くの人が行き交う駅中で、日常食としてぜひ焼きそばを食べていただきたい。そんな想いから立川駅ナカに出店をいたしました。

立川のお店は7時半~10時までの間、トリドール創業の地の兵庫県では有名な「駅そば」という和風のだしに麺をいれた商品もご提供しておりますので、焼きそばのみならずぜひ多くの方に色々な楽しみ方をしていただければと思っております」

──とのこと。どうやら、立川と所縁はないようだが、その代わりに、朝は姫路駅の名物となっている「駅そば」を提供しているということが判明した

・スペシャルな存在

ちなみに、「駅そば」の麺は中華麺なわけだが、以前、開発したまねき食品にインタビューしたところ「うどんが原点」と言っていたため、丸亀製麺とは親和性も高いのかもしれない。

というわけで、駅構内という立地だけではなく、姫路名物の「駅そば」を東京で味わえる立川駅の『長田本庄軒』は間違いなくスペシャルな『長田本庄軒』と言えるだろう。気になった方はぜひ立ち寄ってみてくれ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 長田本庄軒 エキュート立川エキナカEAST店
住所 東京都立川市柴崎町3-1-1 エキュート立川 エキナカEAST
営業時間 7:00 – 20:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.