
「なんでこんなもの売ってんの?」フリーマーケットには時々こう聞きたくなるものが置いてあることがある。『アルミック』もそのひとつだった。
ある日筆者がとあるフリマで物色していると、売り場に「戦前のベビーパウダー」と書かれたアルミックという商品が並べられていた。確かに箱はボロボロ、デザインも昭和を感じる懐かしいレトロな雰囲気だ。
店主曰く「未開封なので貴重なものである」とのこと。そうは言っても中身は劣化してエグイんじゃないか? 気になって自分の目で確認することにしたのだが、まさかアルミックの中だけ時間が止まっているとは思っていなかったぜ!
・ガチで戦前の品だった
ということで購入して帰ったのだが、開封の前に気になることがある。それは 本当に戦前のベビーパウダーなのか? ということである。意外と新しくて、騙されて買わされたのかもしれないしな。
パッケージを観察して素人ながらに調べてみると、文字が右から左へ書かれていることからおそらく昭和の初期のもの。アセモタダレに アルミックと書いてあるが、現代人にはかなり読みづらいな。
そして裏面の「定価五十銭」が旧字体の「定價五十錢」で表記されていることから、少なくとも「價」が当用漢字(現在でいう常用漢字)とされていた昭和20年前後までに製造されたようである。が、それ以上の情報はわからない。
もう少し詳しく調べられないかと思っていたところ……なんと製造元の桃谷順天館は現存する化粧品メーカーだった。ダメ元で問い合わせてみると、残念ながらアルミックは既に終売していたが、「当時の広告は東京化粧品工業会のサイト上で確認できる」と教えてもらった。
それがこちら。レトロというか、当時もの過ぎて驚いた。よくこんな資料が残っていたな。
左端の枠の中に書いてある内容によると、発売は昭和15年(1940年)とのこと。購入した品が発売当初のアルミックであると仮定するならば、(戦前をいつとするかは諸説あるが)間違いなく戦前のものと言っていいだろう。店主、疑ってすまなかった。
なおアルミックの先輩にあたるのが、桃谷順天館の創業のきっかけになったというニキビ防止化粧品、『美顔水』。
現在も発売当時と同成分のものを購入可能な商品だそうで、パッケージに描かれているロゴマークがアルミックとおそろいだったため、個人的にはかなり興奮した。
80年の時を経て並ぶ2つのアイテム! 歴史としては美顔水の方が先だが、製造はアルミックの方が昔。年下の上司みたいな関係性だな。
・アルミックを開封してみた
おおよその製造時期がわかったところで中身を確認してみよう。外箱はロゴマーク入りのシールで封をされているのだが……
シールがボロボロと破れてしまい、剥がすことができない。さすがに80年近くの年月が経てば劣化も仕方がないだろう。
カッターで切って開けることにした。
いよいよ開封!パカっとな
と思えば、内ブタがあった!!
発売時の広告にも掲載されていた坊やの顔写真との再会だ。
現代の商品であれば樹脂系の素材で作られていたであろう内ブタも、この時代は紙製。
どう開けるべきか悩んだのだが、またしてもカッターに活躍してもらった。当時はカッターナイフも存在しないはずだがどうやって開封していたのだろうか。カミソリか、ナイフか。見たことがない生活のワンシーンに好奇心がくすぐられるばかりである。
今度こそ、戦前のベビーパウダーの登場だ!!!!
ペロッ
……。あれ?
全然普通だな。
拍子抜けしてしまうほどになんの変哲もないベビーパウダーが出てきてしまった。嗅いでみても「乳児のような甘い匂い」と「お婆ちゃんが使っていたファンデーションの匂い」を足して2で割ったような香りがフワリとするぐらいで、使おうと思えばこのまま使えちゃいそうなぐらいだ。
筆者私物のジョンソン・エンド・ジョンソンのベビーパウダーと比較してもこの通り。まるでアルミックの中だけ時間が止まっていたみたいだな。
せっかくふたつのベビーパウダーがあるので成分の比較をしてみようと思ったのだが、アルミックの有効成分という「タータボルス」「オーデニール」「トリコール」の3つは現在使用されていないようで、残念ながら比較のしようがないというところだ。
ちなみに説明書によるとアルミックは材料や製法から全く新しく、アセモとタダレに顕著(けんちょ)なる効力があるということらしい。説明書内の言い回しはまるで壮大な物語のようで、淡々と効能や注意点を記載している現代のものとはかなりギャップがある。
対して現在のジョンソンエンドジョンソンの方は「タルク」「香料」とシンプル。名前だけ見ると「タータルボルス」と「タルク」は近い成分だったりするのだろうか?
・フリーマーケットはプチタイムスリップ体験の宝庫
実物を開けて確かめてみても不明点が多かったというのが正直なところ。というのも桃谷順天館広報の方によると、アルミックの歴史は現在でもわかっていることが少なく、過去の広告などのデータベースをもとに紐解く作業を続けている最中ということなのだそうだ。
とは言えレトロなフォントや見慣れない旧字体、パッケージの素材などから当時の生活の一部を覗き見たようで、プチタイムスリップ気分を味わうことができたのではないだろうか。
見た感じ、フリーマーケットにはまだまだ他にもレトロ商品がたくさん並んでいた。フリマってタイムトラベラー志望には宝の山なのかもしれないな。
参考リンク:桃谷順天館、東京化粧品工業会(PDF ※アルミックは102ページ目)
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
▼こちらがアルミックの説明書きの全文。なかなか読みごたえがあって面白い。
▼裏面はなんと中国語。輸出もしていたのだろうか。
▼パッケージ横には中国語に加えて英語表記もある。グローバル……!
▼余談だが美顔水はなかなか独特な匂いがする。たしかお爺ちゃんが使っていた整髪剤がこんな匂いだった気がして懐かしい。
高木はるか




















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