近所のローソン前を通りがかった時、かなり強気なポップが目に入った。Uchi Caféの新作スイーツ「生ガトーショコラ」を宣伝するものなのだが、「あのBASCHEEに続く自信作」と謳(うた)っているのだ。BASCHEE(バスチー)と言えば、一時代を築いたと言っても過言では無いローソンの伝説的傑作。
あれに続く自信作とは、ローソン自ら大きく出たではないか。そして、そんなことを言われると食べたくなってしまうというもの。してやられた感がなくはないが、ここは誘いに乗って食べてみることに。なるほど……確かにこれはバスチーに匹敵するかもしれない。
・220円
2021年9月27日より販売が開始されており、お値段は税込み220円。
カロリーは229kcal。
製造者はコスモフーズ株式会社となっていた。これはバスチーを製造していた会社のうちの1つだ。
袋から取り出したのがこちら。チョコレート生地の中心に、白いクリームが入っているのが見える。上にはチョコのトッピング。
真ん中で横に切ってみると、中のクリームは、細長いU字状に充填されていた。また生地の内部は非常にしっとりしていることが分かった。バスチーの生地はカラメルが染み出して湿度100%みたいな感じだったが、生ガトーショコラも見た目的には近しい雰囲気を感じる。
縦に半分に切ってみたのがこちら。生地に対してクリームの量はそこまで多くなさそうだ。その辺りのバランスが味にどうかかわってくるかも注目したい。
・ややビターで甘さ控えめ
今回は2個用意したので、まずは各部位ごとに食べてそれぞれの味を確認し、最後に丸ごと食べてみようと思う。最初に味をチェックするのは、外側の生地だ。
見た感じガッツリとチョコレートなのかと思っていたが、意外なことにそこまで甘くない。むしろ心地よいビター感が広がる。そしてカカオの風味が濃厚だ。
最近コンビニなどで売られている、カカオ70%とかのほとんど甘くないダークチョコを生地にしたらこうなりそうな感じがする。そして半分に切った時にも感じていたしっとり感。
これは、成分にあった水飴由来のものなのだろうか? それとも別の何かなのか? よくわからないが、噛むと生地からほんのり甘い液体が染み出してくる。というか、よく見たら乗せていた皿にも滲み出ていた。
これはもはやジューシーという表現でもいいかもしれない。この生地こそが、「生ガトーショコラ」の「生」な雰囲気を強く感じさせる要素な気がする。
続いては白いクリームもチェックしてみよう。こちらも甘さは控えめだが、生地のようなわずかなビターさが無いだけに、甘さ自体はストレートに感じられる。舌ざわりはサラっとしていて軽め。表面のチョコレートは普通のチョコで、パリパリしていた。
・丸ごといくとキマる
最後に、これら全ての要素を分離させることなく、丸ごと1個一気に食べてみると……おお、そういうことか……! 湿度が高く重めな食感と優しいビターさを感じさせる生地の中から、サラッとした軽めのクリームが出てくる。
生地とクリームの味が混ざり合い、トータルで深みのある甘さになっている気がする。そして上の方で少し感じられるパリパリ感。食感と味の両面で隙が無い。これはたぶん、丸ごと一口でいくのが良い気がする。その方が色々とバランスが良くなりそう。
クオリティの高さはかなりのものだ。220円のほぼ一口大なサイズの中で、非常に複雑な味わいを表現している。強気なローソンの姿勢も納得だ。こいつは強い! 丸ごと頬張ってしばらく堪能したのち、ブラックコーヒーでキュッと流し込みたい。
なお、バスチーのようなジャンクさというか、パーティ感というか、ポップな感じというか、その手の雰囲気とは方向性が違うと思う。戦闘力は同じでも、かたや元気でハイテンションなキャラに対し、かたや大人しめの奥ゆかしいキャラみたいなそういう違いを感じる。
パッケージがシンプルだからか、近所の店舗ではぶっちゃけそこまで売り切れている様子は見ない。だが、実力的にはとりあえず食べておいて間違いないぞ!
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.