埼玉県入間市の「旧石川組製糸西洋館」といえば、映画やドラマ、ミュージックドラマ等のロケ地として有名だ。たとえば、L’Arc-en-Cielの『Lies and Truth』やTVドラマ『TRICK2』等の舞台に、漫画『黒子のバスケ』赤司征十郎の家のモデルになったとも言われている。
そんな西洋館は1921年(大正10年)に建設されたらしく、2021年でちょうど100年の節目。現在は3月から11月まで第2、第4土曜日を中心に一般公開を行っているらしい。なんだか面白そうだぞ……ということで、チラッと見学に行ってきました。
・旧石川組製糸西洋館
入間市の案内によると、旧石川組製糸西洋館は西武池袋線「入間市駅」北口から徒歩約7分と書いてあったが、一般公開日は裏口からも入れるため5分もかからずに到着。なんだかラッキー。それにしても……だいぶ立派な西洋館である。レンガ調タイルが最高にカッコイイ。
こちら全国有数の製糸会社だった石川組製糸が、取引先のアメリカの貿易商を招くにあたり「超一流の館をつくって迎えよう」ってことで建設した迎賓館とのこと。国道16号沿いにある壮大な西洋館、気になっていた方も多いはずだ。
ちなみに入館料金は一般200円(中学生以下無料)。入館者記録表に必要事項を記入したら館内へGO! なお、事前に「館内見どころガイド」を申し込んでおけば、解説を聞きながらぐるっと効率的に回れるらしい。私は冊子を読みながらのんびり見学することにした。
・西洋館の見どころ
さあ、まずは応接室へ。床はオーラMAXのペルシア絨毯。でもって、天井は格式の高い「折上小組格天井(おりあげこぐみごうてんじょう)」だ。外周を折り上げ、天井部は小型の格子模様となっていることがわかる。なんかもう、めちゃくちゃ凝ってるな。
つづいて向かったのは客室。小ぶりのステンドグラス製の灯りとカーテンが、いかにも洋館な雰囲気を醸し出している。
広々とした食堂も大正ロマンなオーラ全開。天井は幾何学模様を組み合わせたパネル天井。ちなみに「長テーブル」は創建当時のものらしい。
2階へと続く階段はミュージックビデオ等でお馴染みのスポットだという。たしかに階段をおりながら歌いたくなる。
・2階へ
さて、2階ホールのシャンデリアも創建当時のもの。淡い照明がほっと安らぐ癒し空間を演出しつつも、牛の毛皮が敷いてあることでゴージャス度は格段にアップしていた。
そして赤い絨毯の大広間。イメージどおり、当時は舞踏会も催されたという。さらに注目すべきは……
100年ぶりに修復されたというステンドグラス。
こちら「四君子(蘭・竹・菊・梅)」を題材にした激レア品とのこと。四君子のステンドグラスは国内で3カ所にしか現存していないそうだ。右端は、特産品・狭山茶の「茶の花と実」をイメージしたものにも見えるという。うむ、たしかに。
和室もある……え、和室もあるのかよ。二間続きの本格的すぎる座敷。外国の客人に対し、日本風のもてなしをするための部屋なのだとか。なるほど、部屋ごとに全然雰囲気が違うなァ。
また、傷みが激しいため中には入れなかったが西洋館で最も豪華な造りと言われている貴賓室もチラッとのぞくことができた。照明器具には石川家の家紋が入っているらしい。
・一般公開のスケジュールは入間市のホームページで
──てな感じで、とにかく見応え満載であった。ロケ地となったミュージックビデオやドラマ等のファンであれば聖地として楽しめるが、創建当初の雰囲気が残る西洋館は観光地としての魅力も十分にあるので機会があればぜひ足を運んでみてほしい。一般公開日は市のホームページで確認してみてくれよな!
参考リンク:入間市「旧石川組製糸西洋館公開のお知らせ」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼見どころ満載でした
▼旧黒須銀行(西洋館から徒歩約10分)も見学できました
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