試練のとき。ついにはキャンプやバーベキューなどアウトドアレジャーの自粛を求める自治体も出てきた。

河原や公園に大挙してウェ~イのグループキャンプのことを指しているのだと思うが、ファミリーやソロでも自粛は自粛である。筆者もなかなかキャンプを再開できず、ストレスがたまっていた今日この頃、ファン垂涎のキャンプギアが発売された。

──────人形サイズで。

タカラトミーとコールマンの完全コラボ。めちゃくちゃ出来がよく、ジェラシーすら感じる “リカちゃんのためのギア” と、その驚きのギミックをご覧いただきたい。口から心臓が出そうになった。


・「もくもくジュージュー にぎやかバーベキュー」(メーカー希望小売価格:税込6578円)

問題の品はタカラトミーのリカちゃん家具「もくもくジュージュー にぎやかバーベキュー」である。対象年齢3歳以上のはずなのに、リアルなコールマンのキャンプギアがたくさんセットになっている。これ完全に大人を狙ってきてるだろ……!

家具や小物はプラモデルのような組み立て式。ニッパーなどでランナーから切り離して組み立てる。やはり、この時点で3歳児には不可能。

ステッカーを貼ると、なんの変哲もない白い食器がコールマンブランドに早変わり! 細かい作業が延々続く。

小物が終わったら家具の脚などを組み立て、乾電池をセットする。遊ぶまでには結構な下準備が必要だ。


・裏切り行為

せっかくだから、お人形もセットしたい。しかし、ここで重大な問題が立ちはだかる。実は筆者、リカちゃんではなくジェニーちゃん派なのである……!

なので手持ちのドールもジェニーフレンド。かつ「ラクジュアリーセレクション」というパンクでゴシックでロリータな、ちょっと大人っぽいタイプしかない。リカちゃんとは世界観や等身が合わないが、背に腹はかえられない。

セッティング完了。アイテム数が多く、テーブルも結構なサイズで大迫力である!


テーブルの明るいモザイク柄も、コールマンファンならきっと見覚えがあるはず。


真っ赤なアウトドアワゴン、たまらない! 筆者は基本的にオートキャンプ(荷物を遠くに運ばない)なので使わないけれど、いかにもキャンパーというギア。ウォーターサーバーには実際に水を入れられる。く~、芸が細かくてニクい!!

食材はリバーシブルになっていて、裏返すと「生肉」「焼いた肉」が切り替わるという凝りよう。


野菜やマシュマロは、スティックにさして串焼きごっこができるぞ。


うんうん、楽しそうじゃないか! このご時世でも、イマジネーションの世界ならどこへでも行ける。


パリピでにぎわうサマービーチだっていいし。


すがすがしい朝の高原だっていいし。


なんなら宇宙規模でお出かけしたってイイ!


・ここからが本番

しかもこの玩具、並べるだけで終わりではない。所定の場所に水を入れ、スイッチを押したら……


「リカ、バーベキューだ~い好き!!」


という大音量のセリフが流れて、心臓が止まりかける。その後も「パパァ~、お肉焼いて!」「どんどん焼いちゃおう!!」と、しゃべるしゃべる!

生まれて初めてパパと呼ばれ、なんだかドギマギしてしまう。夜中に1人で遊んでいたら近所迷惑になるレベルの音量である。しかもここにリカちゃんはいない。



機能はさらにある。ジュージュー、パチパチという燃焼音とともに、白い煙(水蒸気)があがるのだ!


音響もリアルで、炭がはぜるような臨場感がある! カメラがくもるほどの水蒸気の向こうに、赤い炎がちらつく。


本物そっくりのリアルなコールマンのキャンプギア、そこに響く幼い少女の声、並んでいるのはパンクなファッションのジェニーたちという構図……


シュール……シュールである……!


・人形は別売り

甘い声で「パパァ」「ママァ」などと話しかけられて妙な気分になってしまうが、ご存じの通りリカちゃんには香山ピエールと香山織江という立派な両親がおり、決して筆者に話しかけているわけではない。

もし機会があれば……たぶん小さいお子さんでもいなければ機会はないと思うが、香山ファミリーを並べて遊んでみてくれ。キャンプ欲が満たされるかどうかは保証しないものの、なかなか楽しい経験ができる。

なお人形は別売り。「ガーリーピクニック」のリカちゃんを購入すれば、コールマンのトートバッグつきだ。筆者もこの機会にリカちゃん派になってしまいそうである。


参考リンク:株式会社タカラトミー
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.