立ち食いそばチェーン・ゆで太郎がのり弁を販売開始したのは昨年末のこと。本格派な味は、テレビでも取り上げられ話題となった。それもそのはず、公式サイトを見ても分かる通り、ゆで太郎システムの社長は元ほっかほっか亭の社員である。本家から受け継がれた魂……それがゆで太郎ののり弁なのだ。

そんなのり弁を富士そばがこっそりパクッていたことが以前の取材で明らかになった。そこでゆで太郎の社長に報告してみたぞ!

旦那、富士そばの野郎がのり弁パクッてましたー!!






池田社長「シバいたろか」


太田室長「戦争ですね」

──ブチギレだ。ガチギレだ。特に太田室長のキレ方がヤバイように見える。裏から手を回して富士そば勢を罠にハメそうな笑顔に足が震えた。


池田社長「ワシらののり弁をパクるとはええ度胸や。のう太田」


太田室長「戦争ですね」


──そもそものり弁はゆで太郎のものではないことを考えると、まさに狂犬。特に太田室長が。だが、ゆで太郎ののり弁についての想いを聞くと、その気持ちも分かろうというものである。


池田社長「のり弁にはお世話になった。ワシらの魂や。だから、おかかまで全部手作りでやっとる。これはワシらがほっかほっか亭で働き始めた黎明期の頃の作り方なんや。のう太田」


太田室長「戦争ですね」


池田社長「あれからもう40年か。思えば遠くまで来たもんや。のう太田」


太田室長「戦争ですね」


池田社長「『ゆで太郎』の創業者の水信さんもほっかほっか亭におった。出会ったのは、もっと後やが、本部ですれ違ってたかもしれん。熱い時代やった。のう太田」


太田室長「戦争ですね」


池田社長「当時はまだ『飲食業は水商売』と言われてる時代やった。大学出た後、ほっかほっか亭のフランチャイズ開業する言うたらおふくろにえろう泣かれたことは覚えてるわ。『大学まで出してやって、学校の先生にもなれるのに、なぜ水商売に行くのか』ってなあ……のう太田」


太田室長「戦争ですね」


池田社長「富士そばには目にもの見せたらなあかん」

──富士そばは踏み込んではいけない領域に足を踏み入れてしまったのかもしれない。太田室長の笑顔にそんなことを考えずにはいられなかった。なんまんだぶなんまんだぶ。

ゆで太郎も富士そばのカレーかつ丼をパクッていることはさて置き、怒らせてはいけないところを怒らせてしまった富士そば。この仁義なき戦いに明日はあるのか? 息をのんで見守りたい。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.