バレンタインに想いを告白する人は減少傾向だというが、職場における義理チョコ文化はいまだ根強く残っている。むやみに義理チョコをバラまいて気を遣わせるのはイヤだし、かといって完全に無視するのも気まずい。何かいい方法はないものか。
悩んでいたところ先日、ドンキで見つけたのが『チョコレートフォンデュメーカー』である。セレブ御用達メカかと思いきや意外にも2998円(税別)と激安……ハッ! そうだ! 職場でチョコフォンデュを振る舞えば、義理チョコ問題が解決するのではないか?
・材料は簡単
複雑そうに見えたチョコフォンデュメーカー、実は3つのパーツを組み立ててスイッチを押すだけという簡単構造。
説明書によると必要な食材は板チョコと牛乳だけ。具材はフルーツやパンなど、好みのものを用意すればOKだ。スイーツ初心者の私もこれなら作れそう!
バレンタイン当日(つまり今日)の朝、私は材料を買い込んで当サイト事務所へ向かった。今回の計画は「事務所内にチョコフォンデュを設置し、男子たちにフリースタイルで食べてもらおう」というものである。これなら好きなタイミングで食べられて、意外性があり、サプライズ感があり、おまけに “お返し不要感” も漂っている。我ながらベリグッドなアイデア!
・が、困難の連続
説明書によると “流れるチョコレート” の作り方は、まず板チョコ7枚を溶かす。電子レンジでもOKらしいが、初心者なので無難に湯煎でいこう。
ドロドロになったところへ温めた牛乳を……
入れたとたん、チョコが固まってしまったぞ!? 話がちがう!?!?
私は慌ててチョコと牛乳を再加熱し、力技でこね回した(説明書にはない工程)。ややダマが残りつつも再びどうにかチョコは液体化。よ〜く説明書を読みつつ進めたつもりだが……何かが間違っていたのだろう。何かは分からないけど。
また慌てて作業したため、何度となくチョコがこぼれるアクシデントも発生。チョコは洗っても落ちにくく、早くも「やめときゃよかったかな」という思いが頭をよぎる。
・つづく悪夢
なにはともあれ液体チョコが完成。冷めてしまう前に急いで機械へ……
…………と、思ったら予熱がいるのか……! 言われてみれば最初にレシピを全部読んでおくのが常識なのかもしれないが、スイーツ素人の私は「手順どおりに」としか考えが及ばなかった。こりゃ “誰でも簡単” とはいかないようだ。
ようやく予熱を終えてチョコを流し込み、スイッチを回すと……
ものすごい音で回転を始めるチョコフォンデュメーカー! ついにチョコの噴水が……
…………こない。ウソだろ?
・史上最悪の結末
機械が作動していることは確かなようだが、待てど暮らせどチョコが循環しない。これはひょっとしてチョコの量が足りないのだろうか? 私は慌ててコンビニへ走り、材料を追加購入。チョコまみれになりながら大急ぎで溶かす。
……が、それでもチョコ流れず…………!
チョコと反比例するように体から流れる多量の汗。なんだか自分が世界一みじめな少女に思えてきた。何度も説明書を読み返すが原因は分からず、仕方なくいったん本体からチョコを取り除こうと試みるも……
なんとなく予想していたけど……チョコを盛大に床へブチまけてしまいました。
・準備はしすぎるくらいがいい
そうこうするうちに男性メンバーたちが出社してきてしまい、本末転倒ではあるが彼らに相談してみることに。しかし何度やっても誰にも正しい操作方法が分からず、最終的に「メーカーに問い合わせるしかない」との結論に達したのだった。
しかしご存知の通りバレンタインは今日。今さら問い合わせたところでサプライズは絶望的である。材料と時間と労力を失ったうえ、サプライズを仕掛けるべき相手に掃除を手伝わせる体たらく……あまりの生産性のなさに、もう少しで心が壊れてしまうところだったぞ!
今回のつらい経験を通して、私がひとつだけお伝えしたいのは「準備はやりすぎなくらい早めにしておけ」ということである。自分の不甲斐なさも含め、サプライズには予想外のハプニングがつきものだ。ギリギリで焦ってもロクなことはないから、今のうちに次のバレンタインの計画をしておくくらいが丁度いいかもしれない。それでは皆さん……素敵なバレンタインデーを!
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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