富士そばはウマイかマズイかではない。そこに存在することに価値があるのだ。言わば安心感。しかし、東京ならどこにでもある立ち食いそば屋の大手でありながら、店舗限定メニューがたまに狂っていることはこれまで何度もお伝えしてきた通り。味とか気にしてねえだろってそばも多い。
良く言えば、そばの新たな可能性を模索しているとも言える富士そばの店舗限定メニュー。そんな中で、奇跡的にウマかったものをまとめたい。
・ウマかった店舗限定メニューその1「オムライスセット」
いきなりそばじゃなくて申し訳ないのだが、2月頃に市ヶ谷店でやっていた「オムライスセット」は普通にウマかった。ちなみに、「セット」だけど、そばがついてくるわけではない。オムライスの相棒はサラダである。そば屋！
・ウマかった店舗限定メニューその2「味噌富士」
そばつゆらしからぬ濁りで異彩を放っていたのが2月頃京急蒲田店で復活販売されていた「味噌富士」だ。味噌の濃度はみそ汁くらいで、豚肉も入っているため豚汁感があって体が温まる。冬の朝に食べて出社したい一杯だった。さすが復活販売するだけある。
・ウマかった店舗限定メニューその3「冷製コーンポタージュそば」
おまたせしました。これが富士そばの店舗限定メニューです。7月に三田店で販売された「冷製コーンポタージュそば」はまさにそんな一品。文字通り、冷製コーンポタージュスープにそばをつけたもので、目の当たりにすると未知の領域への扉に手をかけたような気分になった。
しかし、ひと口食べてみるとこれがウマイ。コーンポタージュの甘みと天かすの食感がそばの味にマッチし、もうひと口ふた口と箸が進んでいく。食べ始めから食べ終わるまでの気分は未開の地を進んでいるがごとし。そばの魔境ここにあり！ これだから富士そばの店舗限定メニューはやめられない。
・ウマかった店舗限定メニューその4「肉富士カレー」
店舗限定メニューというか裏メニューなのだが、「肉富士カレー」は普通にウマイ。富士そばの代表的なメニューで「肉富士そば」というものがあるが、広報いわく、あの「肉富士」はそばだけでなくカレーなどにもトッピングできるという。そこで試してみたところ確かに対応してくれた。
なお、あくまで裏メニューのため、店舗によっては内容が変わったり対応できない場合もあるかもしれないとのこと。赤坂見附店だと確実らしい。
・ウマかった店舗限定メニューその5「筋肉もりもりそば」
胸を張ってオススメできるのが11月に渋谷明治通り店と池袋東口店の2店舗で販売開始した「筋肉もりもりそば」である。ヤゲン軟骨とほうれん草をトッピングした栄養バランスの良さはアスリートフードマイスター考案のお墨付き。
もちろん、ヘルシーさだけではなく、食べごたえもしっかりあって味もウマイため、全然富士そばの店舗限定メニューらしくない。これはガチである。
──以上、2020年の富士そば店舗限定メニューを振り返ってみた。時に、インパクトが強すぎることもある富士そば店舗限定メニュー。しかし、我々富士そばファンとしては、その開拓者精神は忘れて欲しくないところだ。来年もそばの新たな扉を開いてくれることを期待している。
執筆：中澤星児
Photo：Rocketnews24.
▼ちなみに、個人的な2020年インパクト大賞は三光町店の「富士金時そば」だった
