突然だが、あなたは筋トレ飯と言えばどんなものを想像するだろうか? 私(中澤)のイメージは「味気無さそう」というもの。そのため、富士そばが「食べる筋トレメニュー」と銘打ち『筋肉もりもりそば』を発売すると聞いても今いちテンションが上がらなかった。ワイが欲しいのはガツンと来る食べごたえとしっかりした味なんや!

だが、「筋トレ飯=味気ない」という私のイメージはどうやら間違っていたようだ。発売に先立ち開催された試食会で『筋肉もりもりそば』を食べたところ……ガツンとキタァァァアアア!!

・ガチのトレーナー考案

そもそも、『筋肉もりもりそば』って名前なんやねんってことについてはこの際置いておくとして、このメニューを考案したのはアスリートフードマイスターの今野善久(いまのよしひさ)さん。パーソナルトレーナーとして運動面だけでなく栄養面においても3000人以上を指導してきた今野さんはこう語る。

今野善久「筋力アップのための食事にはタンパク質が重要なのはもちろんなんですが、それと同じくらいバランスも大事なんですね。このメニューは、そういったバランスに気を使って考えたものです

──メインで使われているのはやげん軟骨ですが、あまりそばのトッピングで見ないですね。これもバランスですか?

・トレーナーならではの素材選び

今野善久「そうですね。実はやげん軟骨のタンパク質量はサーロインステーキに匹敵するほどなんです。しかも、脂質も肉類の中でトップクラスに少なく、なおかつ軟骨の中でも肉とコラーゲンのバランスが良い。手羽先はコラーゲンが取れにくく、膝の軟骨は肉が少ないんです。そういった食材の候補を他にもいくつか検討して、最終的にこれに決まったという感じですね」

──肉の量も選出の一因というやげん軟骨は、確かにひと粒ごとにガッツリ肉がついており、食べると軟骨の噛み応えと別にガシガシした肉の味がする。食べごたえ抜群だ。

ところで、個人的にはつゆがぬるいのもポイントが高い。熱いつゆよりも出汁の風味がよく感じられ、冷たいつゆほど体が冷えない。通常の富士そばのつゆとは温度感が違うのはなぜなのか?

今野善久「タンパク質の消化吸収を助けたり色々バランスが良い作用があるので大根おろしをトッピングしているんですが、大根おろしの持つ成分が熱に弱いんですね。そこで冷たいそばに熱いつゆをかけることでぬるくしています」

──大根おろしと共に食べてみると、出汁の味に辛みが混じり、さっぱりしつつもお腹は温かい。この時期にも食べやすい味となっている。

・もりもりでバランスが良い

他にも、ほうれん草、すりゴマがたっぷり入って税込680円。筋トレを抜きにしても「もりもり」のそばには大満足だ。

今野善久「全体で言うと糖質は少なくはないですが、そばはご飯よりも、食物繊維が豊富で血糖値が上がりにくいんですね。ボディメイクの食事はそういった組み合わせが大事です。コロナで家にいることが多くなり筋トレを始めたという人は、ぜひ食べてみてください」

──「バランスの良い食事」と言うが、なかなか自分で組み立てるのは難しい。そう思う人には、富士そばで食べられるこの一杯はお得と言えるのではないだろうか。

なお、本メニューの販売開始は2020年11月6日から。渋谷明治通り店と池袋東口店の2店舗で展開されるとのことなので、筋トレ好きだけでなく、そば好きも注目だ。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.