仕事中、急にキムチ鍋が食べたくなったらどうするか。昼休みを待ってランチに出かける? いやいやこれからは自炊である。

サンコーレアモノショップにて、またもや奇抜な……もといユニークな「おひとりさま」調理家電を発見。卓上サイズの折りたたみ電気調理ケトル「やわらか鍋」という。どれくらい使えるのか検証だ。


・「やわらか鍋」(税込6028円)

外箱からしてとても軽くて小さい。本体重量は約560g、パッケージ込みでも約1kgで、片手にのる大きさだ。「本当に家電が入っている?」と疑うほど。

セット内容は本体、電源コード、蒸し台、そして収納ポーチとなっている。

この本体、軟らかいシリコンでできていて、ぐぐっと伸ばすと2倍近い高さにトランスフォームする! 「やわらか鍋」というネーミングはここから。

蒸し台は本体内に引っかかるようにできていて、水を入れて蒸し料理ができる。シューマイや野菜など、小ぶりな食材が適しているだろう。

電圧は240Vまで対応で、海外旅行でも使える。底面のスイッチで国内ー海外を切り替える。これ、鍋のもと(ポーション)だけ持って行けば、海外でも肉や野菜を買ってホテルで食べられるのでは?

地味に便利そうなのが、フタについている湯切り口! パスタやそばを茹でたときのお湯を簡単に捨てることができる。よく考えられている。

小さくたためば、付属のポーチに入れて持ち運べる。本当にコンパクトで軽い。


・使ってみよう

実際に使ってみよう。公式サイトでも「ズボラ飯」にオススメしているので、カット野菜やスモークチキンなどのコンビニ食材で作ってみるぞ。もちろん精肉が手に入るならそれに越したことはない。

味つけはポーションタイプの鍋のもと……と思ったのだが、カプセル1個につき水150ml=1人前となっている。しかし「やわらか鍋」では安全のための最低水量があり、液体が少なくとも300mlは必要だ。

ちなみに最大は1Lで、「おひとりさま」とはいいつつも思ったよりも容量がある。2人くらいなら余裕で使えると思う。あまり浅いと野菜が水から出てしまうので、カプセル3個(450ml)でやってみた。

火力は2段階で、煮込み料理に適した「弱」と、素早く沸騰する「強」がある。

具材ごと、ぐつぐつと勢いよく沸騰するまで約5分! 体感的には「え、早っ!」という印象だ。説明書には「強」で沸騰するまで約8分とあったのだが、満水ではないのでそれよりずっと早い。火力は必要十分だ。

カプセルを投入して、ひと煮立ち。部屋中に美味しそうなキムチの匂いがただよう。調理開始から食べるまで10分もかからず、包丁もまな板もいらない。すべてリビングで事足りる。自分ではなにもしていないので味はもちろん美味しく、火もしっかり通っていた。

ところで……簡単に作れるのはカット済み食材だからであって、正直なところ鍋のおかげではない。自宅にいるのならばカセットコンロと土鍋の1つもあれば、好きな部屋でいくらでも「ひとり鍋」はできる。

では、どんなシチュエーションで活用できるかといえば、ガスコンロなどない火気厳禁の場所。たとえばオフィスだ。


昼休みにデスクでおもむろに鍋を作り始め、キムチの芳香をただよわせたら、大注目されること請け合いだ。上司がなんというかは知らないが。

あとはホテルに長期滞在するような出張や、温かい夜食を食べたい夜勤のときにもいいだろう。コンセントさえあればどこでもお湯を沸かせる。調理例では鍋料理のほか、袋麺、レトルトパウチの湯せん、みそ汁などが挙げられていた。


・難点もあるが……

難点もある。実はこの商品、丸洗いできない。許されるのは鍋の内側を洗うだけで、機械部分を濡らすことは厳禁。

そのため、キムチ鍋のような匂いの強いものを作ったときには残臭も気になる。また、ペタペタしたようなシリコン素材なので非常にホコリがつきやすい。室内に少し置いておいただけで白いホコリを吸い寄せる。

けれども、大発明は日々のちょっとした「あったらいいな」から生まれるものだろう。意欲的なこういった商品、筆者は大好物だ。これからも期待している。


参考リンク:サンコーレアモノショップ
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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