「いきなり! ステーキ」が店舗限定&数量限定でテスト販売しているローストビーフ重(120g / 税別920円)。お察しの通り、ローストビーフ・白米・つけ合せの野菜などで構成されているお弁当であり、主役はもちろんローストビーフだ。だが、もしも誰かに「弁当の中でMVPはどれか?」と問われたら、私は迷わずに「“たくあん” こそがMVPだ」と答える。

と言っても、ローストビーフがマズい訳ではない。むしろローストビーフは文句無しだった。柔らかくて、追加可能になったらその時はマシマシでオーダーするだろう。にもかかわらず、私はこの弁当において影の主役は “たくあん” な気がしてならない。なぜなら……


“たくあん” こそがローストビーフと白米を繋いでいるから。言い換えると、“たくあん” こそが全体の味をまとめるバランサーであり、縁の下のちから持ち的な役割を担っているように思う。

考えてみれば、これが「いきなりステーキ重」「ヒレステーキ重」なら “たくあん” は不要。肉のパンチが強いからだ。肉汁やタレと一緒に白米をかき込むだけで、肉に抱き込まれるように全体がまとまっていく


しかしながら、ローストビーフは上に挙げたステーキに比べてあっさりしている。ステーキがいい意味でも悪い意味でも熱く、周りを巻き込むキャラだとしたら、ローストビーフはクールなタイプ。「チームプレーとか別に……」的な感じと言えばいいだろうか。


こいつを白米と上手く合わせるには、タレをドバドバかければいい。調和の強制執行である。ブラック企業の新人研修のごとく、有無を言わさず肩を組ませ、仲良くせざるを得ない状況を作り出していく。

ただし、そうすると今度はローストビーフがギトギトしてしまい、本来の良さである “あっさりした美味さ” が損なわれる。かといって、ローストビーフのあっさり感を活かそうとしすぎると、白米との調和が上手くいかない。


困った


どうしたものか……という状況を解決しているのが “たくあん” である。


ローストビーフを1枚めくると、顔を出す “たくあん” 。こいつがいるおかげで、タレをドバドバかける必要がない。適量で済む。結果的に、ローストビーフの “あっさりした美味さ” が損なわれない。白米だってビチャビチャにならない。

つまり、クールなローストビーフと頑固者の白米が調和しているのは “たくあん” の隠れたファインプレー。ゆえに、「いきなりステーキのローストビーフ重でMVPはたくあん」だと私は思ったのだが……いかがだろうか。気になる方は、実際に食べて確かめてほしい。


なお、先に述べたようにローストビーフ重は店舗限定。勝どき店、墨田太平店、あけぼの橋店の3店舗のみでの販売だ(2020年9月30日時点)。しかし、「いきなりステーキ重」の例もあるから、今度対応店舗が拡大する展開は十分に考えられる。そうなることを期待して待とう。


参考リンク:いきなり! ステーキ「ローストビーフ重 テスト販売」
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼タレは容器に入れてくれる。

▼いきなりステーキ重(200g)とヒレステーキ重を並べるとこんな感じ

▼いきなりステーキ重は白米の上にそのままステーキが乗っているが……

▼ヒレステーキ重には “たくあん” という名のバランサーがいる。

▼この存在が大きい。

▼ちなみにローストビーフは120グラムで、今のところ他の量を選べない。

▼それでもお弁当としては十分な量。ご飯を覆い尽くしている。

▼全国展開、はよ!