知り合いだと思って近づいたら人違いだった。体の毛穴という毛穴から汗が吹き出るような経験は、誰しも一度くらいあるのではないだろうか。私はある。ありまくる。声をかけるどころか肩を叩いたら、完全に別人でポカーン……何とも言えない変な空気が流れたことは数えきれない。
つい先日も、後ろ姿が知り合いにソックリだったことで近づいたら危うく誤爆しかけた。あと一歩……あと一歩でも判断が遅れたら……そのことを思い出すと今でもドキドキするが、それにしても人違いの気まずさは異常である。今回、私が過去に犯した失態をランキング形式で並べてみたので、皆さんも気をつけてほしい。
・遠くにいる人を知人と勘違いして手を振る
勘違い度:☆
気まずい度:☆
遠くに知人を見つけて手を振ったはいいものの、近づいてみたら赤の他人だった──これはありがちなだけに人違いの中でも初級レベルと言っていいだろう。最悪、相手の背後に架空の人物を置けば危機回避できる可能性が高いのが救い。視力が弱い人は注意すべき勘違い。
・声をかける
勘違い度:☆☆
気まずい度:☆☆☆
直接話しかけて間違えていると気まずさは急上昇するが、ほんの一声をかけただけならば軌道修正できなくもない。あたかも「独り言ですよ、何か問題でも?」的な素振りをすれば、相手の勘違いにすり替えて気まずさを消すこともできる。ただし、ナチュラルな演技力は必要。
・仲良さそうに話しかけてしまう
勘違い度:☆☆☆
気まずい度:☆☆☆☆
正直、ここからかなり逃げ場がない。何しろ、いきなり土足で相手の聖域(サンクチュアリ)に踏み込んでいるのだ。もはや気まずさは避けられず。どうやって緩和するかが焦点となる。恥ずかしさのあまりスルースキルを最大限に発動したい気持ちになるが、グッとこらえて素直に間違えたと謝るのも手。
・直接触れてしまう
勘違い度:☆☆☆☆☆
気まずい度:☆☆☆☆☆
もうここまで来たら開き直るしか道はない。即行動を起こさねば、海よりも深い気まずさがお互いの間に流れることになる。まさに窮地。穴があったら入りたい。
ちなみに私は友達だと勘違いして「よぉ!」と背後から肩を叩いた経験があるが、相手のキョトンとした顔がいまだ脳裏に焼き付いている。もちろん、全力で謝って逃げるようにしてその場を去った。もう思い出すだけで気まずい。
・笑顔&謝罪で切り抜けよう
もし人違いをしてしまったらどうするべきか。私の場合は「笑顔」と「謝罪」で乗り切ってきたケースが多い。人間、困ったときには笑顔があれば何とかなるものである。
人違いが判明して「あっ、やべっ」と思ったら即笑顔。間髪入れず、謝られたら気を悪くする人はそういないだろう。人違いは突然なことなので言葉が出ないかもしれない。しかし、勇気を出して踏み出せば大丈夫。きっと相手も「誰にでもあるかわいい失敗」だと分かってくれるはずだから。
イラスト・執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.