新型コロナウィルスの影響で、県境をまたいだ不要不急な移動の自粛が求められるようになって久しいが、それも6月19日から全面的に解除となる見通し。自粛が終わったらどこかに旅行にでも……と考えていた人は多いのではなかろうか。
実は今、日本全国の自治体で観光産業の復興のため、お得なプランを用意することで旅行客を誘致する取り組みが行われている。筆者も制限が解除されたらどこかに行こうと思い、全国の自治体が用意した観光客誘致キャンペーンをチェックしまくっていたのだが、その中で他を様々な面で数歩リードするナイスなキャンペーンを実施中の県を見つけてしまった。長崎県である。
・”ながさき癒し旅”ウェルカムキャンペーン
先にどういうキャンペーンかを簡単に説明しよう。「”ながさき癒し旅”ウェルカムキャンペーン」というこちら。6000円以上の宿なら、1人1泊5000円引きとなるクーポンが発行され、1人5枚まで購入できて、5泊分利用可能というもの。ただし、1施設に連泊の場合は3連泊まで。
期間は6月19日から8月1日チェックアウトまでで、対象となる施設は長崎県全体で337施設(6月19日現在)。コンビニ3社のオンラインチケットサイトで宿泊券を買うか、楽天トラベル、あるいは じゃらんnet で割引が適用された金額で予約が可能というものだ。細かいことは公式HPを読んで欲しい。
・対象者に制限無し
なぜこのキャンペーンが他県のものよりもイチオシなのかを説明しよう。筆者が、特に興味の無い埼玉(住んでいるので)と東京(ライター業とは別の仕事で通勤しつづけているので)を除くエリアをチェックして回った感じだと、大半の自治体が地元の人々を対象にしたキャンペーンしか実施していないのだ。
例えば北海道は、「どうみん割」という1泊最大1万円割引のキャンペーンを予定しているが、その名の通り対象は北海道居住者のみ。京都は「地元応援!京都で食べよう,泊まろうキャンペーン」というものを予定しているが、やはり京都市民か、市内に事業所を有する法人のみが対象。沖縄も県民のみが対象だ。
他のエリアも多くがそんな感じで、一見良さそうなキャンペーンを実施していても、あくまで地元の人々のみが対象となっているパターンが多数。それに対して、長崎県は対象者に制限が無い。全国誰でも恩恵を受けられるという間口の広さ。
・優秀
長崎県の他にも対象制限が無いキャンペーンを実施しているところは一応ある。例えば岡山県倉敷市は倉敷市内の宿を対象に、販売価格の40%以上の特典を受けられるキャンペーンを全国の旅行者を対象に実施中。ただし特典は宿によって変わるため、その内容次第。
瀬戸内市では一人あたり1泊目のみ宿泊費が半額になるキャンペーンがあるが、最大1万円までで、対象となるのは1泊目のみ。大分県別府市は宿泊費が大幅に安くなるキャンペーンを実施しているが、どの程度かは宿泊施設次第で、連泊などについても宿に問い合わせてみるしかない。
長崎県の、1人1泊5000円引きクーポンを最大5枚! 連泊は3連泊まで! という、圧倒的わかりやすさと気前の良さ。しかもチケットはその辺のコンビニで買えて便利。宿に問い合わせる面倒も無い。そしてエリアが長崎県全体と広大で、対象施設も圧倒的規模。比べれば比べるほど、何かと長崎県のキャンペーンが優秀なのである。総合的に一人勝ちだと言っても過言では無いだろう。
・長崎県
中には、2020年6月19日現在では詳細が未定な自治体もある。もしかしたら割引率やわかりやすさで、長崎を超えるクオリティを出してくるところがあるかもしれない。が……そもそも長崎県全体を超える観光資源を持つ自治体はそう多く無い。例えシステムで勝てても、観光スポットの数や種類も含めた場合、勝てるところが出てくる見込みは薄いと思うのだ。
そういった面で強力な北海道、京都、沖縄などは、既に書いたように、今のところ地元民を対象としたキャンペーンのみ。これらが全国を対象に何か仕掛けてこない限り、長崎県のキャンペーンの優位性は揺るがないと思われる。
金額的なお得感では政府が予定している「Go Toトラベル」も有力だが、トラベルボイスが6月16日に報じたところによると、いまだ運営事務局を公募している段階。一応「夏休みの早い段階」を予定しているそうだが、何にせよ長崎のキャンペーンとは時期が被らないし、「Go Toトラベル」が始まったらまた安く旅行すればいい話。
もう一度書くが、期間は6月19日から8月1日のチェックアウトまで。電話で問い合わせても詳しい数字は分からなかったが、予算の上限に達し次第終了するようだ。ということで、自粛開けに長崎に行ってみてはどうだろう。景色は綺麗で、観光スポットも多く、飯も美味くて良いところだぞ!