笑えるものから時にはギョッとするものまで、常にサプライズを与えまくってくれるカップ焼きそばと言えば、ご存じ「ペヤング」である。最近では「豚脂MAX」が発売されたが「まあ、ペヤングならやりかねん」と感じた方も多かったのではなかろうか? 実際のところ、黒帯ペヤンガーの私、P.K.サンジュンは率直にそう感じた。だがしかし……。

2020年6月2日から発売開始となった『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』を目にした瞬間は空いた口がふさがらず、やがてフツフツと怒りの感情が湧き出てきた。ペヤングよ、多少のことは多めに見るがこれは強めに言わざるを得まい……「正気か、貴様ら!」と──。

・あくまでホームパイ

少々ややこしいので軽く説明しておくと『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』は、不二家のあの “ホームパイ” の派生商品で、今回カップ焼きそばは関係ない。平たく言えば「ソース味のホームパイ」ということだ。

不二家のホームパイといえば、豊潤なバターの香りとサクサク食感が織りなす激ウマお菓子のこと。その実力は折り紙付きで、控えめに言っても単なる貴族のおやつでしかない。牛乳さえあれば無限にイケる上流階級の焼き菓子、それが不二家のホームパイだ。

・禁断のカップル

そのホームパイがペヤング味になるとは誰が想像したことだろう? ホームパイが良家のお嬢様だとすれば、ペヤングはギリギリでいつも生きていきたいアウトロー。これが実在の人物ならば「梅宮アンナ & 羽賀研二」並みにワイドショーが放っておかないことだろう。


しかも、いつもは清廉潔白なホームパイが『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』になった途端ハメを外しまくっているから厄介だ。例えば、パッケージにはこう記されている。


「本品はパイです。3分間待たずにそのままお召し上がりください。やきそばではありませんのでお湯は注がないよう、ご注意ください。お湯に戻すと多分美味しくありません」

なんという不良少女……! いつものお上品な振る舞いはどこへ行った? 名家「不二家」の名が泣くぞ? 免疫が無いとはいえ、こうも簡単にホームパイを変貌させてしまうペヤングたるや……実に悪い男である。

・いざ実食

妄想はこれくらいにして『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』の実食に移ろう。どれだけホームパイとペヤングが悪乗りしようとも、味が良ければそれでイイ。肩書なんて関係ない、大切なのは味(愛)なのだ。

本来は甘いホームパイと、ソース味のペヤングはどんな化学反応を見せるのか? まさか、味までフザけ倒しているなんてことはあるまいな? さあ、お前らの愛を見せてみろ。1つ食べてみると……!


…………。


うーーーーん……


む、難しい……!


食感はさておき、ファーストコンタクトは完全にペヤング優勢だ。脳が甘いホームパイを記憶しているためか、ソース味というよりはしょっぱいことにまず驚く。とはいえソース味のお菓子は決して珍しくないため「これはこれで、つまみとしてアリかも」と感じた。


……と言いたいところだが。


後からやってくる甘さは完全にいつものホームパイである。ソース味ならソース味を貫き通して欲しかったが、これがお嬢様気質というヤツなのだろうか? 隠しきれない我の強さ、つまりホームパイの甘さが口に残る。端的に表現すると「入口はペヤングで余韻はホームパイ」だ。

・結論!

毎日食べたいくらい美味しいかと問われれば「そうでもない」と言えるし、ではマズいかと問われれば「そこまででもない」と私なら答える。誰も傷つけぬよう表現するならば「おもしろい味」となるだろう。結論として『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』はおもしろい味、である。

というわけで、『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』は “おもしろい味” だから、興味がある人はぜひ1度ご賞味いただきたい。『ホームパイミニ ペヤングソースやきそば味』は税込135円で発売中だ。

参考リンク:不二家「ホームパイ」
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24

▼「おもしろい味」ということでファイナルアンサー。おっと、それ以上は詮索するなよ?