外出自粛も長くなってきたが、皆様いかがお過ごしだろうか。私(中澤)は、家での時間はアニメを見て過ごしていたのだが、最近ではアニメもぽつぽつ放送が止まりだしている。狭いアパート内ではやれることも限られていて暇だ。
もう歌うしかない。そこで、Amazonで人気の防音マイク「1人deカラオケDX」を買ってみた。マイクの頭にカップがついており、そのカップで口をカバーすることで地声を防音するというこのマイク。マジでこんなので防音できるの? 熱唱して検証してみた。
・激安
それにしても驚いたのは価格である。マイクって通常1万円を超えるのは当たり前の高級品だと思うが、このマイクは7800円。しかも、カラオケ用のオーディオインターフェイス(音声入出力機)までついているではないか。
先日、私は楽器屋でオーディオインターフェイスを買ったのだが、中古5000円で激安だと思った。それを踏まえると、このセットの価格がどれくらい安いか分かるだろう。激安も激安だ。
・気になる点
しかし、機材関係は安いと死ぬほどダメだったりする。値段が値段だけにそこまでのクオリティーは求めないにしても、まともにカラオケを楽しめるレベルに達しているのかどうかが気になるところだ。
そして、もう1つ気になる点は「どれほどの防音機能があるのか」ということ。通常、防音は壁や天井に施すものなので、口元にカップをつけるなんて目からウロコである。正直、これで熱唱して苦情が来ないくらいにまで地声が抑えられるのであれば、画期的なアイデア商品ではなかろうか。
・PCに接続してみる
主なチェックポイントは上記の2点。では接続していきたい。説明書を見ると接続はかなり簡単なようだ。まずは、オーディオインターフェイスにACアダプタを繋ぎ、付属のケーブルでPCなどのイヤホンジャックにオーディオインターフェイスを接続する。
そして、オーディオインターフェイスにヘッドフォン(or イヤホン)とマイクを繋げばセッティング完了。ちなみに、PCだけじゃなく、CDラジカセでもスマホでもテレビでも、イヤホンジャックさえあれば使えるようだ。
・チェックポイント1「音質」
で、再生する音源はYouTubeでもDAMの「おうちカラオケ」でもCDでもOK。BGMを再生しながらマイクに向かって歌うと音がミックスされてヘッドフォンから聞こえるのだとか。
さて、ここで1つ目のチェックポイント。まともな音が拾えて出力されるかどうかだ。繰り返すが値段が値段なので音の良さとかは考えないこととする。
ボーダーラインは、BGMがちゃんと聞こえて音割れせずにカラオケを気兼ねなく楽しめればOK。とりあえず、YouTubeで再生しながら歌ってみよう。痛いくらいのキスをして♪ せつないくらいに濡れた声♪
これは……
なかなか……
You are the Dynamite!
普通に1曲熱唱してしまった。自分の声もBGMもハッキリ聞こえて、予想以上にちゃんとしている。というか、BGMがカラオケのショボい音ではない分、個人的にはカラオケより浸れる。家ということを忘れてた。
録音とかに使うのでなければ何も問題がないレベルだと思った。インターフェイスにはエコーも機能もついているし、この値段にして需要を満たせているのは凄い。
・防音機能はどうなのか?
とは言え、ここまででまだ半分。いや、ある意味、ここからが本番だ。なぜならば、このマイクのオリジナリティーはその防音機能にあるからだ。
はたしてこの内側にスポンジを詰めただけのカップでどこまでやれるのか? 前人未踏の領域に今踏み込む。歌いながら、カップを口に密着させたり離したりしつつ、その動画を撮影して客観的にチェックしてみたところ……
全然防音できてねェェェエエエッ! 確かに密着させるとちょっと声が曇った感じになっているけれど余裕で出ている。香取慎吾か草彅剛かくらいの差だ。
いや、まだ判断するには早いかもしれない。なぜならば、重要なのは壁1枚挟んだところの聞こえ方だからだ。声が曇ることによって抜けが悪くなって響きにくくなっている可能性は多いにあるだろう。
・隣の部屋での聞こえ方
よく考えたら同じ部屋にいて聞こえるのは当たり前。肝は隣家から苦情が来るレベルかどうかである。そこで、隣の部屋で聞こえ方を録音してみた。
するとどうだろう。防音マイクなしは、壁越しでも歌詞が分かるくらい歌が聞こえるのに対し、防音マイクを使っている方はよりくぐもって言葉が聞き取れないくらいになった。
しかもこれは、あくまで同じ家の中の隣合う部屋での検証。隣同士でも戸が変われば壁も厚くなるはずなので、より聞こえにくくなるのではないか。参考までに、いつもの物音から推測するに鼻歌くらいの聞こえ方にはなっている。となると、抑えられていると言えるかもしれない。
まとめると、「音質」については高コスパ、「防音」については完全ではないにせよ十分だとは思う。ただし、音は確実に出ているため、この防音をあてにして家で熱唱する場合は自己責任で。隣人の人柄とか環境とか各自の判断にお任せします。それでは良きカラオケライフを。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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