ロケットニュース24

【小麦粉品薄】そば粉、魚粉、ホットケーキミックス … いろんな粉で唐揚げを作ってみた結果 → 小麦粉よりウマイのを見つけてしまった

2020年5月1日

マスク・トイレットペーパーに続いて小麦粉が不足しているようだ。いつものスーパーへ行ってみれば小麦粉コーナーはスッカラカン。主食のコメが不足するよりマシであるとはいえ、これはケーキやクッキーが焼けなくなるという単純な問題ではない。

料理をしない者にはピンとこないかもしれないが、ムニエル、お好み焼きやシチューといった夕飯の主力選手、なにより “揚げ物全般” に小麦粉は必須とされているのだ。ただでさえ外出自粛で献立に困り果てているお母さんたちにとって、小麦粉不足は死活問題といえる。

「今夜は唐揚げ」と心に決めていた私は棚の前で呆然と立ち尽くしていた……すると、小麦粉コーナー横に様々な粉が並べられていることにフト気付く。何か代用できそうなものはないのだろうか?

・色々あるぜ粉!

ちなみにヨーロッパに住む友人の話によれば欧米における小麦粉不足は日本より深刻であるらしく、この問題は世界規模でしばらく続く可能性もある。やはり今のうちに対策を講じておくのが賢明だろう。

売り場をよく見渡せば米粉、片栗粉、コーンスターチ、すいとん粉、だんご粉など、やってみずとも唐揚げに代用できそうな粉が多くあった。しかし今後また別の粉が不足したり、急に外出ができない事態が訪れることも十分ありえる。

というワケで、数ある粉の中から「意外性があり」かつ「冷蔵庫の奥に眠っていそう」なものをチョイスしてみた。ラインナップは『そば粉』『たこ焼き粉』『きな粉』『ホットケーキミックス』『かつお粉』の5種類だ。ちょっと使ってそのままになっている粉の残り……あなたの家にもあるだろう?


・唐揚げって最高

まずお断りしておくが、これはレシピ記事ではない。よって唐揚げの下準備に関する記載は省略させていただく。

ご参考までに私がいつも唐揚げの下味に使用するのはニンニク、ショウガ、醤油、塩コショウにごま油だ。これらを目分量で鶏肉と混ぜ合わせる。

つまり「正確な分量が不明なためレシピを記載しようがない」というのが本音なのであるが、個人的に唐揚げはある程度ワイルドでOKな料理だと思っている。安くて簡単でおいしくて……唐揚げって本当に最高だよね! ってことで、下味については各家庭のレシピなりインターネットなりに従ってやっちゃってくれ。

少し寝かせて味の染み込んだ鶏肉に……

各粉(かくこな)をオン!

あとは適温で揚げちゃってくれよな!


・結果は……

当然ながら各粉の持つ色や香りが違う。揚げる前の肉はそれぞれ明らかな別モノといった感じである。

完成後はそれぞれ個性が光りつつもキツネ色に統一され、どれをとっても「いかにも」な唐揚げという塩梅になってきた。少し怖いが最悪の場合 “あんかけ” にアレンジしてしまえば食えないというほどではあるまい。さっそくいってみよう。

まず最も無難そうな『そば粉』である。悔しくも “そばの風味” を感じ取れるほど敏感な舌を持ち合わせてはいなかったが、ザラリとした食感が非常に美味! 小麦粉よりこっちが好みという人も少なくないはずだ。

つづいては『たこ焼き粉』。見た目も合わせてこれが最も小麦粉に近く無難な仕上がりであった。それもそのはず、原材料は「小麦粉」と記載されている。考えてみればたこ焼き粉だからってソースの味がするワケじゃないもんね。おそらくフライ等に使用しても問題なさそうだ。

お次の『きな粉』は個人的に最も「大化けするかも」と期待していた。しかし思いのほか少し苦味があるぞ。大人の味といった雰囲気の『きな粉唐揚げ』は、ソースをかける等すればさらに輝くかもしれない。

今回の試みで唯一「絶対にヤベェ」と思っていた『ホットケーキミックス』の順番が来てしまった。しかし……あぁ、なんということだ! 結論からお伝えしておくと、今回チャレンジした5種類のうち、この『ホットケーキミックス』がダントツ一番おいしかったのである。詳細はのちほどお伝えしたい。

最後はダークホースとも言うべき『かつお粉』。お好み焼きにふりかけることで知られるコレは、今回唯一動物性の粉だ。肉に魚をまぶして揚げるという神をも恐れぬ所業…………の結果は、「その割にはアリ」だった。かつおの焦げた苦味を感じるものの、唐揚げの基準は余裕でクリアしている。どーしてもコレしか粉がなかった際はチャレンジしてみてほしい。


・ホットケーキミックスはスゲェ

当サイトも現在テレワーク期間となっているが、この日たまたま出社していたサンジュン記者に5種類の唐揚げを食べ比べてもらうことにした。もちろん粉の正体は伏せてある。


──おひとついかが?



サンジュン「味が薄い」


……こともあろう、サンジュン記者がケチをつけてきたのは検証と関係ない下味についてだった。ネチネチと5度「薄いな」を繰り返した彼はしかし、食べ終えた際にこう言い残したのである。


サンジュン「まぁ、でもこの甘いのが一番ウマイよ」


・各自なんとか入手してくれ

サンジュン記者の指差した「甘いの」とはホットケーキミックスで作った唐揚げのこと。そうなのだ。ホットケーキミックスで作った唐揚げは甘いのである。こう聞くと鶏肉とケーキを同時に食する場面をイメージし、イヤな気分になる人もいるかもしれない。

しかしホットケーキミックス唐揚げは断じてゲテモノとは異なる。フンワリほのか〜な「甘めに作ったタイプの唐揚げ」へと奇跡的に昇華しており、これはもはや小麦粉がどうとか関係ないレベル。みんな、ダマされたと思ってやってみてほしい!


……と、興奮さめやらぬまま眠りについた私は翌朝、ニュースを見てひっくり返りそうになった。なんと「ホットケーキミックスが全国的に品薄」だと言うではないか。急いでスーパーを何軒かはしごするも、マジで全く売っていない。なんならその途中で小麦粉を見つけてしまったほどだ。

代用だったはずのホットケーキミックスの代用品を探さねばならぬという、本末転倒なオチになってしまったが仕方ない。繰り返すが、今回トライした5種類の粉は全て唐揚げ粉として使用可能だった。世の中にはさらに優れた粉も存在するはず……各自好みに合ったものを探してみてくれ!

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

モバイルバージョンを終了