緊急事態宣言からおよそ1カ月。少しでも “おうち時間” を充実させようと創意工夫しつつも、ネタ切れになってきている人もいるかもしれない。かくいう筆者も、最初こそ「着替えも化粧もせずずっと家にいられるなんて最高か」と思っていたが、長引くにつれ自分の周りの世界が狭まっていくような閉塞感に息が詰まる思いをしている。
みんなどうやってこの難局を乗り切っているのだろうか。株式会社エヌケービー(東京都千代田区)から興味深い意識調査が公表された。おうち時間の過ごし方を7タイプに分けて消費傾向やキーワードを分析。あなたはどのタイプだろうか? さらに調査では「買って失敗したもの」も発表しているぞ。7つのタイプを順に紹介していこう。
1. おうち時間充実型
自宅での時間、とりわけ生活部分を充実させるタイプ。例えば高級食材のお取り寄せ、飲食店のデリバリーサービスの利用、いつもより少し良質なコーヒーや紅茶を買ったという回答も。“ちょっぴり贅沢” がポイントのようだ。
筆者の近隣でも「テイクアウト / デリバリー始めました」のチラシをよく見かけるようになった。うな重……取っちゃいます? 物流や配送に携わる人たちへの感謝を忘れず上手に活用しよう。
また、動画配信サービスを利用した映画・ドラマ鑑賞も人気だという。話題の海外ドラマなら何シーズン分もあるから長時間楽しめる。筆者的には定額料金で見放題になるサブスクリプションサービスがお勧め。新作をレンタルする場合も、オンラインなら返却に出かける手間が不要になるので外出自粛の目的にも合っている。
海外ドラマ派ならAmazonプライム・ビデオやHulu、Netflix、U-NEXTなど。国内のテレビ番組ならParavi(TBS・テレビ東京・WOWOW)、FOD(フジテレビ)、NHKオンデマンドなどの配信サービスがある。見きれないほどの作品が公開されているぞ。
簡単ホームシアターもオススメ。筆者が使っているのはオリエント・エンタプライズ「epico」という廉価な製品で、スマホ画面を天井に投影している。
動作音がものすごく大きいのと、夜しか使えない明るさなのが難点だが、1万円程度で寝ながら映画鑑賞できるなら合格点ではないだろうか。
2. エクササイズでストレス発散型
運動不足やストレス解消の目的で、室内でできる運動へのニーズも高まっているという。オンラインのエクササイズ動画を参考にするほか、運動系ゲームソフト、エクササイズDVDなども活用されているそうだ。当サイトの過去記事でも紹介したような、トレーナーの指導をオンラインで受けられるシステムもきっと広がっていくだろう。
そういえば、筆者も『TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ』を挫折してどこかにしまい込んでいたはず。1曲フルで踊れるようになればかなり達成感があると思うので再挑戦してみようかな?
3. 趣味に没頭エンジョイ型
自宅にこもりながらゲームや読書などインドア系の趣味に没頭するタイプ。もともと家で過ごすのが得意で、苦にならないタイプと言えるだろう。
電子書籍やゲームのオンラインプレイの利用も増加しているという。特に本は「ネットやテレビはついコロナ関連のニュースを見てしまうのが、本は心がざわざわしないで集中」できるという声も。筆者はオーディオブックを愛用している。
キーワードは「積みゲー、積み本消化」だそうだ。これはゲーマーあるあるだ! PCゲームをやるプレイヤーなら、SteamやEpic Games Storeのセール時に大量にゲームを買い込んで、年単位で放置していることもあるのではないだろうか。この機会にゲームを整理するのもいいかもしれない。
4. 趣味&実益を兼ねた手作り型
キーワードはハンドメイド。久しぶりにミシンを出したり、スパイスからカレーを作ったり、普段は時間をかけて取り組めない手作業に挑戦するタイプだそうだ。パン焼きやお菓子づくりもここに入るだろう。筆者も過去記事でプラモデルやボトルシップに挑戦しているぞ。
インターネットで無料ダウンロードできる大人のぬりえ、ペーパークラフト、切り絵&切り紙などのクラフトもお勧め。「この機会だから久しぶりに始めてみた」など、返り咲きが多いのもこのタイプの特徴だという。
凝った料理は自分も家族も嬉しいし、和裁・洋裁なら実用的に着ることができる。個人が作品を販売するハードルがグッと下がっている昨今、趣味が副業になったり、場合によっては本業になる可能性もある。絵や文章なら思いきって新人賞に応募するのもアリだろう。忘れかけていた夢を叶えるチャンスになるかもしれないぞ。
5. 自己投資・スキルアップ型
自由に使える時間が増えたことで、スキルアップや収入アップを目的として、新しい勉強や投資に積極的に取り組む動きがみられるという。アンケートでは「ロシア語講座のテキストを購入」「オフィスアプリの勉強動画を視聴」などの声がある。
eラーニングに挑戦したり、Skypeを活用したオンライン語学教室もいいだろう。自宅でプログラミングを学べる知育教材も面白そう。性格にもよると思うが、個人的には正式に入会する方が「学費を回収しなければ」という適度なプレッシャーがかかってモチベーションが上がる。この機会にちょっとした資格を取得、なんてカッコよすぎる。
6. 自分見つめなおし型
キーワードは「断捨離・片付け・掃除」! たまっていた家事をこなすなど、自分の生活を見つめ直すタイプだ。片付けに没頭することで余計なことを考えなくてよくなり、身の回りがきれいになると気分転換にもなるという。フリマアプリを活用して不用品を売却する人も増えているとか。
アンケートでも「昔の書類などの整理と断捨離」「部屋の片づけを念入りにする」という声が紹介されている。わかる。わかりすぎる。絶対に使わないとわかっているのに、納戸に封印されているダンボール箱。もう穿く勇気ないスリムパンツ。ほんのり臭う排水口……。これは絶対にやろう。
7. 癒し・リラックス型
社会が不安な空気に包まれる中、癒しやリラックスを求める意識が高まっているという。ペットを飼い始める、家庭菜園を始めるなどのほか、アロマテラピーやハーブティーなどリラックス効果を見込める商品の消費が増加しているとか。
……が、筆者の経験上、ペットがもたらすのは癒しばかりではない。種類によっては20年以上も生きるし、騒いだり部屋を破損したりもする。病気になると1回の通院で数万円単位で医療費がかかり、高齢になれば排泄物などの介護も必要になる。何より亡くした時に、もう二度と笑えないんじゃないかってくらい悲しい。それらのデメリットを分かった上で飼うのなら賛成だ。
アンケートでは「癒し系ペットのブログを毎日読む」という声もあった。気候がよくなってきたのでベランダ菜園はとてもいいアイディア。毎日のバスタイムの工夫もいいだろう。当サイトでも自宅がサウナになる(かもしれない)素敵グッズを紹介しているぞ。
・買って失敗したもの
アンケートでは「購入して失敗したもの」も尋ねていて「普段買わないレトルト食品やカップラーメン、品薄だからと飛びついたトイレットペーパーなど、軽率な消費は失敗につながりやすい」「お菓子類やビール類といった嗜好品の買いすぎを後悔する人も多い」とのこと。
例えば「焦って高級なトイレットペーパーを買ったが、翌日には普通にいつもの安いモノが売っていた」と買い占めに翻弄された事例。また、お菓子やビールなどの嗜好品は「あればあるだけ食べて(飲んで)しまう」ため健康を損ないそう、という声が出ている。お菓子やアイス、カップスイーツ、ジュースなどの「食べなくても死なないもの」は「なくなってから足す」くらいの感覚でちょうどいいかもしれない。
・ウィッシュリストのススメ
人は「意味のない時間」を嫌う生き物。さらに「やらされている」のではなく「自分で選んでやっている」と思った方が精神衛生上いい。特にGWは長時間の在宅になるから、ウィッシュリストのように、この機会にやりたいことを視覚化するのもいいぞ。
少しでも前進している、進歩しているという実感があるといいので、例えば本を読んだら必ずひとこと書評を書くとか、記録に残すのもいいと思う。
また、煮詰まってきたら普段の自分とは違うタイプの活動に手を出してみるのもいいだろう。例えば筆者なら、運動大嫌いでいつもなら決してやらないエクササイズを始めてみるとか……。新しい過ごし方の発見に、この記事が少しでもお役に立てば幸いである。
参考リンク:株式会社エヌケービー
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.