暇を持て余すと、人は普通なら到底やりもしないことを思いつき、実行してしまったりする。気の迷いというか、暇ゆえにというか、そういうヤツである。今回のはその類だ。全てが終わった今となっては、自分でも阿呆な考えだったと思う。
事の始まりは、2020年4月22日からマクドナルドにて登場した、チキンナゲット用の新しいソース。コーンポタージュ味のやつだ。何となく購入して家で食べてみたところ、なかなかにコンポタ味だった。そこで思ったのだ。こいつをお湯に溶かしたらコンポタになるんじゃね?
・コンポタ
同じことを考えた人はそれなりにいると思う。「飲んだらコンポタになりそう」みたいな。それは仕方がないことだ。このソースは、かなりコンポタ味を極めているからな。
普通にチキンナゲットをディップして食べれば、たちまち口の中はコンポタ化。プッチンプリン味のマックシェイクもそうだったが、マクドナルドは味の再現力が高い。
・お湯
だから筆者も当然の流れとして「飲んだらコンポタになりそう」と思ったわけだ。そこから先はよく覚えていない。暇でIQが下がり気味だったのだろう。気が付くと目の前にはお湯の入った皿が。
そして、何の疑問も抱かず、さもそうすることが自然であるかのように、コンポタ味のソースをスプーンですくい……お湯にブチ込んでいた。
まるで夢を見ているかのようだった。お分かりいただけるだろうか。普通じゃやらないようなことを平然とやり、体は勝手に動くような感じ。しかしこれは夢じゃない。目の前の皿の中で状況は更新され続け、なんだかそれっぽいものが出来上がっていた。
・水と油
おや、意味不明な行動の産物にしては、なんだかまともな見た目じゃないだろうか? これは……もしかしたらガチにコンポタなのでは? ぱっと見た感じだと、いささかダマになっているが……それなりにコンポタに見える。色的にも、香り的にも。
しかし、スプーンで掬ってみると微妙すぎる仕上がり。この感じは、かつてどこかで見たことがある。あれは……子供の頃に、マヨネーズをお湯に溶かそうとしたときのことだ。まさに同じような感じだった。
少し皿から離れればそれなりに仕上がっているように見えるが、所詮は水と油。そもそも溶けないのだ。ミキサーで念入りに混ぜれば、もしかしたらほとんど溶け合っているように見えるくらいには混ざり合ったかもしれない。しかしスプーンで混ぜた程度ではうまくいかないだろう。
ちょっと考えればわかりそうなものだが、やはり暇で思考力がどうかしていたに違いない。まあ作ってしまったものは仕方がないので飲んでみるか……
……
……
……
……
これはお湯 + 薄まったコンポタ味のソースですね。なぜだかソースのダマの部分からは、不快な酸味を感じる。ソースの時は甘いコンポタ味だったのに、この酸味はどこから出てきたのだろう。
そして、やや油混じりのお湯がびちゃびちゃしてこれも不快。やはりというかなんというか、チキンナゲット用の「コーンポタージュ味ソース」はお湯と混ぜてもコンポタにはならなかった。
もし似たようなことを思いつき、暇を持て余して実行に移そうとしている人がいるなら思いとどまることを推奨するぞ。出来上がるものは一見するとコンポタっぽいが、味的にはどうしようもない不快感のカタマリ的なシロモノ。好奇心猫を殺すというやつだ。
まあでも、暇は潰せたから良いかなって。僕の暇も、ここまで読んでしまった貴方の暇も。
参照リンク:マクドナルド
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
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