2020年4月7日、コロナウイルスに関する「緊急事態宣言」が発令された。事態が緊迫度を増すなか、東京各地の現況は当サイトでもお伝えしているところだ。
一方、関西では大阪府と兵庫県が同宣言の対象地域とされている(取材時点)。大阪の街はいま、どうなっているのか。週末を迎えた街の様子をレポートする。
・大阪の中心部
緊急事態宣言の発令後、最初の週末。2020年4月11日(土)に取材した梅田近辺の模様をお伝えする。梅田はJR、地下鉄、各私鉄の路線が交わる交通の要衝。通称キタと呼ばれ、ミナミ(道頓堀周辺)と並んで府内では最も多くの人が集まるエリアだ。
平日には通勤するサラリーマンの姿が多く見られるが、大型商業施設やアミューズメント施設も多く、土日でも(いつもなら)人でごった返す地域。もちろん駅前には歓楽街も広がる。人と人が交錯する街の現在の姿を追った。
・駅構内の様子は
異変は電車の中から既に感じられた。筆者の場合、自宅のある京都から大阪方面へ向かうには阪急電鉄の京都線を利用する。普段なら土日の昼間に座れることは珍しいのだが、この日は車内がガラガラ。普通に座ることができた。
電車を下りて駅の構内を見渡してみるが、やはり人は少ない。そして異様なほど静かである。時刻は午後1時を回ったところ。こんな光景は未だかつて見たことがない。
定番の待ち合わせスポットであるビッグマン前も人はまばら。ここは本当に梅田なのだろうかと思ってしまう。
・やはり苦しいのは…
今度は外に出て街の様子を確認する。ここでも平時との違いは顕著に感じられた。
これはあくまで個人的な体感だが、往来する人の数は普段の10分の1以下ではないだろうか。阪急の大阪梅田駅とJRの大阪駅を結ぶ連絡橋、ここは最も激しく混雑する場所なのだが──その場所ですら人の数はチラホラといった感じだった。
ショッピング施設などの営業状況は、店により対応がまちまち。主要なところだとHEPファイブは全館休業、ヨドバシ梅田タワーは時間を短縮したうえで営業を続けていた。
また各種メディアでも報じられているとおり、やはり飲食店は厳しい状況に置かれているようだ。ランチタイムにも関わらず、空席の店が目立つ。持ち帰り弁当を店頭で販売する光景も見られた。
昼食をいただいた店の方に聞いた話によると、今は土日の方が苦しいらしい。この状況でも平日は出勤せざるをえない人が一定数いる。そのため最低限の客入りはあるのだが、土日となるとそれも途絶えてしまう。本当にギリギリの状況だと話していた。
駅周辺をひととおり歩いてみて、どことなく街全体が淡々と時間をやり過ごしているような印象を受けた。やはり報道などでは東京の様子が伝えられることが多いが、外出自粛に関していえば今のところ東西の温度差は少ないのではないだろうか。
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
▼街の様子