近所のスーパーの “おすすめコーナー” で『兵庫県警察 災害と闘う救助隊員のカレー』が山ほど積まれていた。気になったので手に取ってみると、パッケージには「加熱できない場合でも、そのままお召し上がりいただけます」と書いてある。ほほう、なるほど。

たしかに、レスキュー隊員は緊急時にカレーを温めている時間もないだろう。救出活動は時間との戦いでもあるからだ。しかし、腹が減っては戦はできぬ。そんな時に食べるカレーがスーパーで買えるとは……今回は感謝や尊敬の念を込めて、温めずに食べることにした

・災害と闘う救助隊員のカレー

災害と闘う救助隊員のカレーは、200グラムで税込321円。阪神淡路大震災を経験した兵庫県警察と、神戸のエム・シーシー食品株式会社が共同開発した商品とのこと。「災害時にも本当においしいものを食べて元気になってほしい」という思いが込められているらしい。

パッケージ裏には「率先避難」と表記されている。災害から命を守るために重要なことは、自分が「率先避難者」になること。 “たぶん大丈夫だろう” と都合の良い解釈をしてしまうと、あっという間に犠牲になってしまうという。みんなしっかり覚えておいてくれ。

──と、防災意識が高まったところでパッケージを開封。より美味しく食べるのであれば「湯せんで約5分」もしくは耐熱容器に入れて「電子レンジで約2分(500w)」だが、先にも述べたとおり「そのまま」でも美味しく食べられるのが本商品の特徴である。

なお、メーカーにもよるが、レトルトカレーは完全調理済み食品のため、そのままでも一応食べられるらしい……しかし! 冷たいままでは油脂が固まっていたり、粘度が高すぎたりするのだ。果たして、救助隊員のカレーはどうなのか? レトルトパックの封を切ると……


サラサラサラァァッ!

驚くほどのサラサラ感。ウォータースライダーよろしくジャガイモとニンジンがルウの波に乗って滑り降りてきたぞ。もはやドリンクじゃねえか……! このまま美味しく食べられるならスプーンも必要ないかもしれない。よし、それではいただきます。

なるほど、たしかにちゃんと食べられる! 温めるに越したことはないが、そのままでも全然イケる! 一言でいえば、給食のカレー。ビミョーに酸味がありながらも、辛さが控えめなので子供でも食べられそう。ちなみに肉は入っていない。

インパクトがあるのは具材のデカさのみで、決して派手ではない……が、緊急時には素朴な美味しさがしみじみ体中にしみわたるのだ。つまり、これで良い。うーむ、米が欲しくなってきたなぁ。

・賞味期限は約2年

──というわけで、災害と闘う救助隊員の一員となった気持ちでカレーを完食。なお、カレーの賞味期限は約2年だから、いざという時の「非常食」として保管しておいてもいいかも。とにかく「災害は他人事ではない」のだ。だからみんな、カレーを食べて防災意識を高めようぜ!

参考リンク:兵庫県警察災害と闘う救助隊員のカレー
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.