皆さんは、豚まんの中に焼売が入っているのを見たことがあるだろうか。意味が分からないと思うが、残念ながら筆者にも分からない。

なぜそんな意味不明なことを申すかというと、「バームクーヘンが中に入ったパン」なる謎グルメを発見してしまったからである。ちょっと想像が付かないが……。

・有名洋菓子ショップの系列店

バームクーヘンがパンの中に入っている……そんなことってあるのだろうか。そもそもパンとケーキの中間みたいな存在のバームクーヘンを、なぜまたパンの中に入れてしまうのか。

そんな疑問を抱かせる不思議なパンを販売しているのは、滋賀県彦根市にあるベーカリー「ジュブリルタン」。バームクーヘンが人気の洋菓子店「クラブハリエ」の系列店だ。

「クラブハリエ」のバームクーヘンは関西では高い知名度を誇り、その美味しさは筆者も知っている。今回食べるパンの中に入っているバームクーヘンも美味しいだろう。そこは心配してない。

繰り返しになるが、気になるのはパンの中に入れる必要性があるのかということである。気になって仕方ないので実際に食べにきた!

・ズッシリ重い

お店は琵琶湖の東岸、彦根城から5kmほど北へ行ったところにある。

敷地内は地中海チックな雰囲気で統一されており、白壁の建物が何とも良い雰囲気だ。1階にパンショップがあり、2階には購入したパンを食べられるデッキやカフェがある。まずはパンをゲットすることに。

店内には小麦の香ばしい匂いが充満しており、そこかしこに美味しそうなパンが。さて例のヤツはどこに……

あった。この巨大な鈴カステラのような球体状のパンこそ、今回紹介する「クーゲルバーム(378円)」だ。この中にバームクーヘン入ってんのか……。試しにトングで持ち上げてみると、メチャメチャ重い。確かに入ってますねこれは!

せっかく天気も良いので、2階のデッキでパンをいただくことにしよう。琵琶湖を一望できるデッキ席はオーシャンビューならぬレイクビューといった景観で、吹き抜ける風が心地よい。

湖面が太陽の光を反射して、キラキラと輝く。テレビの旅番組で見た地中海の風景や……

……電線が無ければ。日本も無電柱化が進めば良いのにね。

・ネタグルメじゃない!

話が逸れてしまいましたな。パンの中身を拝見しよう。パックリふたつに割ってみると……。

そこに偽りはなかった。まさに「バームクーヘンがパンの中に入っている」としか表現できない状態である。

まずバームクーヘンだけ食べてみることに。なめらかな生地に、ほのかに感じるメープルの甘味。素晴らしい。100点満点でいえば100点のバームクーヘンである。もうこれでスイーツとして完成している。

続いて、今度はパンと一緒に。味が薄くなるだけのような気もするが……。


…。


……。


これは!

思わず膝を打った。一口で意味が分かった。これは食感のハーモニーを楽しむ食べ物なのだと。パンの表面にはナッツが散りばめられ、底面はメロンパンのようなビスケット生地になっている。

バームクーヘンは、どこまで行ってもシットリとした菓子である。そこにパンのモチモチ、ナッツのカリカリ、ビスケットのザクザクが加わって口の中で食感のオーケストラが奏でられる。そんな楽しさのある商品なのだ。

また外側のパンにも少しだけ甘さがあるので、懸念していたように味が薄くなるということもない。

単なるネタグルメかと思っていたが、決してそうではなく計算され尽くしている。これは一本取られたぜ……。


琵琶湖の畔で出会った不思議なパン、クーゲルバーム。遊び心と美味しさが包まれたオンリーワンのパンでした。お店はドライブやツーリングの目的地としても絶好のロケーション。気になった人は、ぜひ!

・今回紹介したお店の情報

店名 ジュブリルタン
住所 滋賀県彦根市松原町1435-83
時間 9時(土日祝8時)~パンなくなり次第閉店
休日 火曜

参考リンク:クラブハリエ「ジュブリルタン
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.

▼真ん丸~

▼パックリ。おお、バームクーヘン……

▼新感覚の食感

▼栗・かぼちゃ味もあったよ。季節ものかな?

▼シャレオツな雰囲気

▼外で食べるパンは美味しい

日本、〒522-0002 滋賀県彦根市松原町1435−83