そろそろ終わりを告げようとしている令和元年。今年最も話題性のあった食べ物と言えば、ぶっちぎりでタピオカだろう。まあ2018年の頃も流行ってたし、2020年になってからも流行は続くかもしれないが。
ミルクティの具だけでなく、丼の乗せてもイケて、おにぎりに入れてもウマい。ぶっちゃけ万能なのではないか……そんな気がしていた。が、ここに来て一つ、まさかの弱点を見つけてしまったかもしれない。
・ありそうで無かった
それが「アイス化」である。アイス=スイーツということで、タピオカだしスイーツはお手の物っしょ? とか思っていた。ぶっちゃけ食べる前から安定してウマいのだろうと信じていたレベル。
それと同時に、なぜこれまで同様のものが話題になっていた記憶が無いのか……という疑問も脳裏にチラついていた。見逃していただけかもしれないが、ありそうすぎるのに無かったのはなぜなのか。少し嫌な予感がしていた。
すでにあっても良さそうなものがこれまで出ていなかった場合、その理由は二つほどに絞られる……
一つは、完全に誰もが見過ごしていたから。無くはないパターンである。これだけが理由なら、出てくるものは大体イイものであり、続々と類似品が世に放たれる形となる。
もう一つが、実は色々なところで検討こそされたものの、思いのほか微妙で世に放たれずに終わった……という悲しいパターンである。確証は無いが、タピオカのアイスはこちら側な気がする。
・雪見だいふくのタピオカ版
そんなことを考えるきっかけになったのが、今回紹介するモチクリームのアイスである。その名も「大きなタピオカアイスミルクティ(139円で購入)」。雪見だいふくのモチの部分がタピオカになった的なアイスだ。
めっちゃウマそうやろ? プルプルのタピオカにアイスが詰まってるとか、ダ・ヴィンチもびっくりするレベルの黄金比じゃねぇのと。タピオカ大勝利待ったなしだと思うじゃん? それがそうでもなかった。
ここらで断っておくが、決してマズいというわけではない。ただ、タピオカはこういうのにはちょっと向いていなかったかもね的な感じである。あるいは、モチが最適解すぎた。
・ギュムギュムする
どういうことか。全ては食感である。タピオカにとって、あのプルプルでモチモチとした食感は欠かせない要素の一つだと思うのだ。アイス化されてしまうと、それが失われるもよう。
ドリンクに入れられていた時を超える低温が原因だろうか? やや硬くなり、柔らかさを失ったタピオカ。噛むとギュムギュムする。歯ごたえがよろしくない。なんだかビニールだかシリコンでも噛んでいるかのよう。ぶっちゃけ、見た目からしてプルプル感の無さは明らか。
・狙いは悪くない気がする
ただし、アイスクリームとの相性はやはりいいと思う。常温のタピオカの中にアイスクリームが入っていたら、それはやはり最強だと思う。これをコンビニやスーパーで売るためには、冷凍状態でもプルプル感を維持できるタピオカを開発する必要があるだろう。
狙いそのものはいい。でも、ここまで大手メーカーから出てきてはいないと思うし、冷凍状態でもプルプルなタピオカを開発するのは難しいのではなかろうか。
餃子みたいな感覚で、袋状の常温のタピオカを用意。そこにアイスをぶち込んで包んで売る……的な感じなら、手間はかかるが理想に近いものができる気がする。タピオカの皮みたいなものがあれば試してみたいところ。
令和の終わりに、意図せずタピオカの弱点を発見してしまった感がある。そういえば前にセブンイレブンから出た「大きなタピオカみたいな大福」も冷蔵だった。やはり冷蔵がタピオカの限界……なのだろうか。2020年のタピオカの進化に期待。
参考リンク:mochi cream
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.