刑務所で文化祭と聞くと、受刑者がたこ焼きやフランクフルトを屋台で焼いている様子を想像する人だっているかもしれない。しかしながら、今回紹介する「府中刑務所」の文化祭は、そのようなものではない。たこ焼きやフランクフルトを焼いているのは一般人であり、それを食べているのも一般人だ。

したがって……と言うべきかどうか分からないが、府中刑務所の文化祭に怖い要素は皆無。メイン会場の雰囲気としては、町内会のお祭りをイメージすればいいかと思う。ただし、この文化祭には町内会のお祭りとは明らかに違うポイントが主に2つあり……。

1つは、一般人が刑務所の施設内に入れること。もう1つは、受刑者が普段食ベている食事を再現したというお弁当や、刑務所の中で作られているパンを食べられることだ。

どちらも人気が高いので、その様子をお届け……といきたいところだが、私は過去に何度か体験しており、そのいくつかは記事にもしている。今年も昨年と全く同じ内容とは言い切れないものの、集合場所やら整理券の配り具合やらを見るに恐らく大きな変化なし。

同じことをやるのもどうかと悩んだとき、私の目に飛び込んできたのが「心理専門官による性格検査」の看板であった。

何これ!? 刑務所の心理専門官がやってる心理検査? 気になって列を見たら……

結構な人が待っている。なかなか人気のコーナーのようだ。どのような検査か分からないが、人気に流されて自分も列に並んでみることに。


・10分後

そこから待つこと約10分で、自分の番が来た。スタッフに促されるまま席につき、回答用紙に質問の答えを書いていく。

そう、この性格検査の結果は、複数の質問に回答することによって導き出される仕組み。回答が終わったら、用紙(マークシート)を係の人に渡せばいい。すると、係の人が「あなたの性格はこちらです」と、結果が記載された用紙をくれて終了である。

心理専門官による性格検査といっても、検査官が1対1で話を聞きながら行うものではない。だから「そんなに信ぴょう性の高いものではないかも」と勝手に思っていたら……。自分に渡された用紙を見て、私は思わず目を背けたくなった。そこに書かれていたのは、


「あなたは普段自分を抑えていますが、やや神経質で敏感ですね。気になり出すと感情が抑えられなくなり、悩み続けたり、逆にかっとなって短気を起こしたりすることもあるようです。ゆとりを持って、自分やまわりのことを考えて物事にとりかかるとよいでしょう」


認めたくないけど……結構当たってるかも。「気になり出すと感情が抑えられなくなり、悩み続けたり、逆にかっとなって短気を起こしたりすることもある」なんて、ドンピシャな気がする。刑務所の心理専門による性格検査、痛いところを突いてくる!

──というのが私の率直な感想だったのだが、「アホか。マークシートのテストで性格が分かるわけねーだろ!」と思っている人は、来年の府中刑務所文化祭に行って確かめてみてはいかがだろうか。来年も性格検査が行われるという保証はないが、今までの傾向を考えると恐らく2020年の文化祭でも実施される……はずだ。

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼性格検査の結果

▼なお、今年の文化祭にはトータルテンボスが来ていた