また、あの『ガリガリ君』がやらかしてくれた。

ガリガリ君と言えば、過去にも「温泉まんじゅう味」や「コンソメパンチ味」など、かき氷アイスの概念をガン無視して攻め続ける国民的なスイーツだ。

そんな折、今月1日から新発売となった「ガリガリ君リッチたまご焼き味(140円)」が話題になっている。果たして本当に卵焼きの味がするのか? そもそも美味いのか?

そんな疑問を払拭すべく、実際の卵焼きと食べ比べてみたので、忖度なしのレビューをお届けしようと思う。

・「ガリガリ君リッチたまご焼き味」とは?

ガリガリ君が誕生してから約38年が経過するが、その歴史の中で現在は……


・フルーツフレーバー、チョコレートフレーバー系が主流の「ガリガリ君」シリーズ
・主にグルメやスイーツ系の味を追求した「ガリガリ君リッチ」シリーズ
・贅沢をコンセプトにワンランク上のフルーツフレーバーを提供している「大人なガリガリ君」シリーズ


の大きく3つに分かれている。これ以外に限定販売などで、定番シリーズに当てはまらないものも含めてフレーバーの種類は40以上にのぼる。

その中で「ガリガリ君リッチたまご焼き味」はいわゆる「グルメ系」に位置していて、前回のグルメ系フレーバー「ナポリタン味」から実に約5年半ぶりの新作になる。

そんな経緯から販売当初からYouTubeやSNSなど、ネットを中心に話題を集めている、新しい形のかき氷アイスだ。


・いざ実食!

袋を開けると、見事なまでの黄金色に輝いたアイスが登場! あっ、これ多分好きなヤツだ。

早速ひとカジりすると、プリンを思わせるような風味が口の中に冷たく広がる。いや、むしろ個人的には、卵焼き味かプリン味か?  と聞かれたら、即答で「プリン味!」と反応しそうだが普通に美味い!

かき氷部分にあるツブツブは、メーカーの赤城乳業さんいわく「味付けたまご」らしく、そのおかげもあってか卵のアクセントは残しつつ、ちゃんとスイーツとして成立している逸品だと思う。

ただ前述した通り、私(耕平)の舌から感じる味はどうしてもプリンの域から離れることができない。

そこで本物の卵焼きと同じ条件で食べ比べてジャッジしようと思う。


・本物の卵焼きと食べ比べた結果

本物の卵焼きと食べ比べると言っても、やっぱりおかずとスイーツ。同じ土俵で戦うには競技は同じであっても、階級が違いすぎる。

ということで、セブンイレブンで購入した「切れてる厚焼き玉子」を購入し、ギンギンに凍らせることで食感と温度を近づけることにした。

一方、「ガリガリ君リッチたまご焼き味」の方はどうするかというと、そのまま食べてジャッジするのも本家に対してフェアではない。

そして卵焼き味を名乗るからには、和食の世界に片足を踏み入れたと言っても過言ではないと判断した結果、棒でカブリとはいかず、割り箸を使って頂くことにした。

双方に条件が整ったところで再び実食!

まず先手は「ガリガリ君リッチたまご焼き味」から。箸を口にゆっくり運び、噛み締めるように食してみたが、先ほどの実食と味は変わらない。いや、当たり前だ。

次に「切れてる厚焼き玉子」を完全フリーズさせた謎のおかずを実食!

「うん、不味い……」

見た目のスイーツ感はガリガリ君に引けを取らないが、凍らせてしまったせいか、卵焼き特有の甘味がほぼ全て飛んでしまっている。食感も「シャリ!」ってなるが、ほぼ無味だ。

卵焼き側にハンデをつけすぎてしまった感がある。そこで今度は食べ比べではなく「おかずとスイーツのフュージョン(融合)」をコンセプトに、凍った卵焼きの上に「ガリガリ君リッチたまご焼き味」を乗せて食すという、新感覚の卵料理を味わうことにした。

ということで、改めて実食!


「やべっ、なんだこれ……」


正直、何を食べているかが、わからなくなってきた。甘味と無味であれど同じ卵の成分が入っているはずなのに、合わせたところで風味が増すどころか完全に違う食べ物になってしまったようだ。

例えるとしたら、乾電池2本で動く家電製品があった……その家電の電池が切れて手元に乾電池1本しかない時に、苦肉の策で1本だけ新しいものに変えて、動くかどうか試したみたけど結局動かない……。といった感じだと思う。

ただ、ここであきらめるわけにはいかない。何かのきっかけで生き別れてしまったこの2つの卵たち。ガッチリ手を取り合ってもらって進化した食べ物にするためには、もう一つの何かが必要だと考えた。その結果……


「醤油じゃん!」


そう、卵焼きと言えば醤油。日本人がこよなく愛す、鉄板の組み合わせ。このフュージョン料理に醤油をかけて食すことにした。

そして、最後の期待を込めて食したところ……


「オエッーーーーー!!!!!」


もう、何て言うんだろう……。悶絶するレベルで不味い。

「無味の固形物+スイーツ+冷えた醤油」という組み合わせが、これほど口の中でそれぞれが分離している食べ物は生まれて初めてだ。

見た目こそ、鮮やかな黄金色が食をそそるようなナリをしているが、おそらく地球上の卵料理でトップレベルで不味い食べ物に生まれ変わってしまったことだろう。

一つ一つの商品は単品で食べれば美味いものを、余計な好奇心がとんでもないモンスターを生み出してしまったようだ。

人気のかき氷アイスを正直に食レポする予定がとんでもない方向に行ってしまったが、それでも甘いもの好きには「ガリガリ君リッチたまご焼き味」をぜひ一度食してもらいたい。

参考リンク:赤城乳業「ガリガリ君リッチ たまご焼き味」 
Report:耕平
Photo:RocketNews24.

▼まずは、お店に行って手に取ってほしい。

▼中は味玉のツブツブが入ってて、食感にアクセントを加えてくれている。

▼くれぐれも、本物の卵焼きとの食べ合わせは控えてほしい。