「つゆぬき」だぁぁぁあぁああああ!
いきなり答えを言ってしまったが、そういうことである。吉野家で社歴30年を越えた社員が最後に行き着く「ツウな牛丼の食べ方」とは……つゆぬき! 大事なことなので繰り返すが、つゆだくでも○○大盛りでもなく、つゆぬきである。
この食べ方、普段から実践している人にとったら衝撃でも何でもないだろうが、「足すのではなく引く」という発想がない人にとっては衝撃的と言っていいだろう。少なくとも、ロケットニュース編集部で何人かに聞いてみたところ、大方の人が驚いていたようだ。
・吉野家の中の人に聞いた
では、なぜ私がそれを知ったのかというと、単純に吉野家の “中の人” が教えてくれたからである。広報の方に「中の人ってどんな食べ方してんの?」的なことを聞いたら……
「ツウはつゆぬき」「吉野家歴30年を超えた社員が最後に行き着くのはつゆぬき」「猛者たちは肉の旨味をストレートに味わえるつゆぬき派が多い」……など。結構なパワーワードが散りばめられた回答をメールでいただいたのだ。
・試してみた
もちろんのこと、私もやってみた。いつもは『つゆだく派』だけに、『つゆぬき』をオーダーするだけでもどこか新鮮……というか、「つゆが少なくても大丈夫なのか?」と不安になるから不思議だ。慣れって怖い。
ただ、間もなくやってきた牛丼並を見てもいつもの『つゆだく』とそんなに変わらない。まぁ当たり前といえば当たり前。ここで肉をペロリとめくってみると……
たしかに、ご飯への浸透具合はつゆだくよりも控えめな気がするが、浸透がゼロではない。一体味はどうなっているのだろうか? とにかく食べてみよう。いただきまーす。
……
……
……
白米強(つよ)っ! というのが第一印象だったのだが、ちょっと遅れて肉とタマネギの旨味がやってくる。……なるほど、たしかに “つゆ” という調整役がほぼいないので、『つゆだく』に比べて肉と白米の存在感が際立っている気が。
・つゆだくとの違い
ここで、私がふだん食べているつゆだくとの違いについて述べておこう。分かりにくいことを覚悟で、私の頭に浮かんだものをそのまま述べると……『つゆだく』がサッカーの日本代表だとしたら、『つゆぬき』は数年前のオランダ代表って感じである。
つまり、『つゆぬき』は一歩間違えばバラバラになるギリギリのところでまとまっているのだ。それだけ主張が強い。個人的には、つゆだくの方が “角” がなくて食べやすいが、つゆ抜きの方が素材の旨味が感じられるように思う。
そしてもう1つ。卵との相性は『つゆぬき』の方が良いのではないだろうか。というか、今まで『つゆだく』だったから気づかなかったのだが、白米らしさが際立つ『つゆぬき』の方がより “卵かけご飯感” が強い。
これが『つゆだく』だと、ご飯エリアの主役は “つゆ” になっているため、そこに卵を加えてもトゥーマッチになってしまう……ってことに、初めて気づいた次第である。よし、今度からは『つゆぬき』にしよっと!
参考リンク:吉野家
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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