歳を重ねると、部下や後輩の言うことに耳を貸すものだと私(佐藤)は思っている。自分が正しいと思うことなど、たかが知れているからだ。つい最近のことだ。あるカップラーメンについて記事を書こうとしていたところ、私よりも10個以上も年下の当編集部あひるねこにクギを刺された。

そのカップラーメンとは、セブン & アイ限定で販売されている「わかめラーメン 超大盛りでわかめ7倍 & コーン11倍(税込278円)」だ。ただでさえわかめ7倍、コーン11倍のこのラーメンが あひるねこ の一言によってさらに10倍。つまりわかめ70倍・コーン110倍にした結果、トンデモないことになったのである!

・あひちゃんの反応

この商品は、昨年わかめラーメンの35周年を記念して発売された「3.5倍わかめラーメン」をさらに倍にして復活したものである。3.5倍から1年を経過して、なぜさらに倍化したのかは不明だ。


セブンイレブンで発見した私はすぐさま購入して、あひるねこに教えてやることにした。きっと喜ぶぞ~!


佐藤「お~い! あひちゃん(あひるねこのこと)、わかめラーメンが7倍になっとるぞ~(笑)」


あひるねこ「(しゃくれ気味に)で? それがどうかしました? 僕は35倍まで経験済みですよ?」


こいつまたしゃくれとる……。最近、私に対する接し方がキツい。喜ばせようと思って、買って帰ってきたのに。まさかこれほどまでにしゃくれるとは。


良かろう、若者よ(あひるねこのこと)。オッサンの本気を見せてやるッ!! ただし、良い子のみんなはコレを真似しちゃダメだぞ!


・7 × 10

ということで、ついカッとなった私はすぐさまこのラーメンを10個購入してきた。昨年あひるねこが3.5倍 × 10個で35倍にした記録を塗り替えるべく、7倍 × 10個で70倍にすることを思い立ったのだ。


封を開けると、中には麺と後入れスープ、スパイス。それにわかめとコーンを含むかやくが2袋だ。


10個分のかやくを集めると、その量がもうおかしい。


1袋あけてみると、カップラーメンに入れるにはあまりに多い乾燥わかめの量だ。これが20袋もある。


全部開けると、そのかやくの量に軽く怯む……。


わかめ70倍をするに当たって、容器を溢れることは容易に想像がついたので、下に大き目のボウルを置いた。これでどれだけわかめが膨張しても、受けきることができるはずである。


ちなみにわかめ35倍は平皿1枚で何とか間に合ったのだが、今回はどうなるのだろうか? 70倍の持つポテンシャルはまさに未知数だ。


・混とんがあふれ返る……

まずは容器の上に盛れるだけ乾燥わかめを盛っていく。


どれだけ盛ることが適正なのか。まったくわからないが、まずはこんもりとした山になる程度で一旦止めた。


沸騰したお湯を静かに注いでいくと、わかめがお湯を吸って次第に全体が湿っていく程度だったが……。


なんだか「カサカサカサカサ」と小さな音が聞こえたような気がした。なんだ? なんの音だ?


もはやその音が気のせいではないと感じられる段階になって、わかめが見る見るうちに膨張しているのがわかる。


……まるで、世界が少しずつわかめに蝕まれていくがごとく……


……秘法によって、混とんが煮えくり返ろうとしているがごとく……


……私は呼び起こしてしまったらしい、わかめを……



ひとつ、残念な報せがある。先ほどまでのわかめは、盛る予定のすべてではない。まだもう半分以上、別の皿にわかめが控えている。このままでは盛り切らんので、別皿にお湯を注ぐとしよう。


別皿のわかめも先ほどの容器の上に乗せる。


そして完成だ。これが禁断のわかめ70倍・コーン110倍のカップラーメンである!


まさかこれほどまでとは! 想像を超える禍々(まがまが)しいラーメンの完成だ。


・いざ実食!

私はこの70倍ラーメンを前にして、こう言わずにはいられなかった。


佐藤「お前はどこのわかめじゃ?」


実際に食べてみると、当然わかめの食いごたえはバツグン。わかめラーメンが35年以上も愛されているのは、間違いなくこのわかめのウマさがあってのことだと、改めて気づく。


なんといっても主役は麺。容器は完全にわかめの下に埋没している。これを箸でかき分けて発掘。


惜しいことに麺は伸びきっているのだが、わかめの旨味をこれでもか! というほど浴びているので、旨味がスゴイ。


最後は当編集部のメンバーで美味しくいただきました。一度に美味しく食べられるのは、1個が限界ではないだろうか。したがって、わかめ70倍はマネしないように。美味しく食べられる量を購入することをオススメする。


Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24