2019年8月21日、世界中の映画ファンに激震が走った。アメリカの情報サイト「Deadline.com」などが「マーベルは今後MCUでスパイダーマン映画を製作することはなくなるだろう」と報じたためだ。
スパイダーマンの権利を有する「ソニー・ピクチャーズ」と、ほぼ全てのマーベル作品の権利を持つ「ディズニー」が、スパイダーマン映画に関して共同出資に関する合意に至らなかったことが原因とされるが、果たしてMCUにスパイダーマンは登場しなくなってしまうのだろうか……?
・ソニー・ピクチャーズは否定
この一報を受けて、ソニー・ピクチャーズの反応は早かった。すぐさま公式Twitterで「ニュースは誤解。ただしMCUのプロデューサー、ケヴィン・ファイギはスパイダーマンから離脱する」と発表したのだ。
もめた理由は金銭面などと言われているが、それは置いておく。ただ、もしスパイディがMCUに二度と登場しないなんて寂しすぎるではないか。心配になったので知り合いのマーベルマニアに尋ねてみたところ、彼は「絶対に離脱はない」と断言してくれた。果たしてその理由とは一体……?
──マーベルマニアさん、スパイダーマンが大変なことになってますね。
「実は前からちょくちょく噂されていたことなので、そこまで驚きはありませんでした」
──前から噂されていたんですか?
「同じマーベル作品とはいえ、違う企業同士が権利を持っているワケですからね。ディズニーとしては “俺たちはスパイダーマンを売れさせてやってる” と考えても無理はありませんし、逆にソニーは鉄板コンテンツの “スパイダーマンを貸してやってる” と思っているのかもしれませんね」
──確かにスパイダーマンは、アイアンマンやキャプテン・アメリカ亡き現在のMCUでトップクラスの人気キャラですからね。
「実際に最新作の “スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム” はソニー史上最高の興行収入を記録しています。MCUに参加してファン層が広がったことは間違いないと思いますが、スパイダーマン自体のキャラの強さも当然あるのでしょう」
──では、このままスパイダーマンはMCUから離脱する可能性が高いと……?
「いや、それはないと思いますね」
──だって、スパイダーマンだけでもそれなりにやっていけそうじゃないですか?
「まあ、それなりには。MCUが全く絡まない映画 “ヴェノム” もヒットしましたしね」
──だったら、MCU離脱が濃厚なのではないでしょうか?
「いえ、そうは思いません。なぜならソニー・ピクチャーズにはトラウマがあるからです」
──トラウマですか?
「確かにスパイダーマンは鉄板コンテンツです。2002年から公開されたサム・ライミ監督のスパイダーマン3部作は、最近のMCUスパイダーマンと比べても決して見劣りしません。いや、個人的には前3部作の方が純粋に優れた作品だとさえ思っています」
──確かに、あのスパイダーマン3部作はどれも面白かったですね。実際に大ヒットしてましたし。ただ、だとするならば、余計にスパイダーマンが単独映画化する可能性が高いのではないでしょうか?
「それはないと思います。その3部作の後に公開された “アメイジング・スパイダーマン” の失敗こそが、ソニー・ピクチャーズのトラウマになっていると考えるファンは多いんですよ」
──あー、アメイジング・スパイダーマンがありましたね……。
「サム・ライミ監督の降板で、ソニー・ピクチャーズはスパイダーマンをリブートせざるを得なくなってしまいました。だって、スパイダーマンのような人気コンテンツを眠らせておくのはあまりにもったいないですからね」
──確かに。
「ソニー・ピクチャーズは当初、アメイジング・スパイダーマン3部作を予定していましたが、興行収入が振るわず結局2部作でクロージングしました。その後、MCUと提携しようやく復活を果たしたのです。それが簡単にMCUを離脱するでしょうか?」
──確かに。ちなみにアメイジング・スパイダーマンがコケた理由は何なのでしょうか?
「実は作品自体はそこまで酷評されるほどダメ映画ではないと思います。要するにサム・ライミ監督のスパイダーマン3部作と比べられてしまったことが、ヒットしなかった最大の理由なのでしょう。何より重要なのは、どれだけ人気のスパイダーマンでもコケるという事実をソニー・ピクチャーズが知ったことです」
──なるほど。
「MCUを離脱した場合、仮に同じキャストで同じ監督だとしても、スパイダーマンがホーム・カミングやファー・フロム・ホームを超えられるとは思いません。なぜなら観客がMCUに染まったスパイダーマンの味を知ってしまったからです」
──確かに他のキャラが出ないのは物足りなく感じるかもしれません。特に最近では、アイアンマンの後継者的なポジションになってますしね。
「そうです。これからそういった要素を一切使わずに映画が成り立つでしょうか? ファンが納得するでしょうか? これはMCU側にも言えることで、それらを帳消しにしてスパイダーマンを登場させないことが得策だとは誰も思わないでしょう」
──ですよね。ただ、MCU作品の最重要人物であるプロデューサーのケヴィン・ファイギの離脱は決定のようです。ケヴィン・ファイギが離脱してMCUに残るなんてことは可能なんですか?
「それは前例がないので何とも言えないですね。とはいえ、ソニー・ピクチャーズ側も何とかMCUとの関わりを模索すると思いますし、ディズニーが折れなかった場合、今度はファンの反感がディズニー側に向くハズです。そう思うと、やはりMCUからスパイダーマンが離脱するとは考えづらいですね」
──だといいんですが……。
というわけで、マーベルマニアによると「スパイダーマンはMCUに残留する」とのことであった。おそらく世界中のファンがスパイダーマンのMCU残留を願っていることかと思うが、しばらくは不安な日々が続きそうだ。
参照元:Deadline.com 、 Twitter @SonyPictures
Report:P.K.サンジュン
Photo:©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.
▼ソニー・ピクチャーズはMCU離脱を否定しているが……。
Much of today’s news about Spider-Man has mischaracterized recent discussions about Kevin Feige’s involvement in the franchise. We are disappointed, but respect Disney’s decision not to have him continue as a lead producer of our next live action Spider-Man film. (1/3)
— Sony Pictures (@SonyPictures) August 21, 2019
We hope this might change in the future, but understand that the many new responsibilities that Disney has given him – including all their newly added Marvel properties – do not allow time for him to work on IP they do not own. (2/3)
— Sony Pictures (@SonyPictures) August 21, 2019
Kevin is terrific and we are grateful for his help and guidance and appreciate the path he has helped put us on, which we will continue. (3/3)
— Sony Pictures (@SonyPictures) August 21, 2019