日本が誇る文化・マンガ! そんなマンガの歴史が大英博物館で展示されているという。言わずもがな海外最大規模となるこの「マンガ展」。マンガを愛するいち日本人として見てみたい!! というわけで、私(中澤)は現地の様子をレポートすべくイギリスに飛んだ。
ロンドンの街中を歩いていると、突然姿を現す広大な敷地と神殿のような建物。世界最大の博物館の1つ・大英博物館だ。ある種の「権威」を感じる大きな鉄の門をくぐると目に飛び込んで来たのは……アシリパさん!
・アシリパさん大出世
そう、マンガ展の看板は『ゴールデンカムイ』のアシリパさんなのである。出世しすぎィィィイイイ!
大英博物館の入り口を飾るアシリパさんにテンション爆上がりする『ゴールデンカムイ』ファンは多いことだろう。そんなアシリパさんを拝みつつ、さっそく展示へと向かった。
・当日券売り切れ
2019年5月23日から開始されたマンガ展だが、この日も当日券は売り切れの大盛況。日本人もチラホラ見受けられるが、当然割合としてはほとんどが外国人である。日本のマンガの海外での浸透っぷりを肌で感じるぜ……!
・様々な視点で紐解かれる歴史
展示の内容としては、『ONE PIECE』『ナルト』『ドラゴンボール』などの超王道作品から、手塚治虫、赤塚不二夫、石ノ森章太郎などの歴史的マンガ家、そして、大友克洋、東村アキコなどのサブカル勢まで余すところなくピックアップ。日本のマンガの歴史に迫っている。
葛飾北斎が描いたマンガなんてものの展示もあり、情報の収集力がさすが大英博物館だ。ガチ歴史的資料だろコレ。
中でも、手塚治虫は本人映像が流れているなど別格の扱いを受けているが、個人的に興味深かったのは、手塚作品とディズニーを並べた比較展示。丸みを帯びたデフォルメの共通項に何かものすごく腑に落ちるものがあった。
他にも大友克洋と浮世絵の歌川国芳の比較など、比較展示には様々なものがあり、どれも海外の切り口を感じる。日本人の私からすると知っている作家の新たな一面を発見できて目からウロコな気分だ。
古今東西、数々の歴史的作品が一同に会しているこのマンガ展。しかし、そんな偉大な作品の中から、なぜアシリパさんがマンガ展の象徴的イメージに選ばれたのか? 見終わって改めて疑問に思ったので大英博物館に聞いてみたところ、理由は以下の通りのようだ。
・ビジュアル的に分かりやすい
・ビジュアルが日本的
・漫画についての展示だとすぐ分かる
・デジタル画像なので、黒をバックにした時に映える
・少年漫画スタイルで描かれた強い女性であり、さまざまなジェンダーの人たちに魅力的に見える
・現代的
──とのこと。聞いて納得の理由だった。特に「少年漫画スタイルで描かれた強い女性であり、さまざまなジェンダーの人たちに魅力的に見える」という理由に関しては、『ゴールデンカムイ』はまさに看板を務めるにふさわしい作品と言えるだろう。
多くの注目を集めた大英博物館のマンガ展は8月26日までの開催。もうすぐ終了となるが、日本のマンガが大英博物館の歴史に刻まれたというのは非常に感慨深いものがある。また、現地で触れたのは展示だけではない。そこには、海外のマンガファンの熱があった。
肌の色は違っても、言葉は通じなくとも、同じマンガに笑って泣いて感動できる。ここに集まった人たちの気持ちは同じなのだ。全ての壁を越えて。マンガよ永遠に。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼諸星大二郎
▼萩尾望都『ポーの一族』
▼武内直子『セーラームーン』
▼岸本斉史『NARUTO -ナルト-』
▼東村アキコ
▼手塚治虫とディズニー
▼様々な視点で展示される日本のマンガ
▼本屋を再現したコーナーも
▼本屋の起源にも迫る
▼コミケについても特集
▼ジブリはやはり大人気
▼この場所に集いし全ての魂に乾杯