ザリガニ食べたことあるヒトーーー? この質問に、はーいっ! と手をあげられる方は日本国内において、まだ少ないと思う。かく言う私(hirazi)も、ザリガニは食べるモノではなく飼うモノという認識の方がつよい。
そんな私だが、イケアで開かれたザリガニパーティーに招待されたので参加してみたところ、食べるモノでも飼うモノでもない、ザリガニに対しての新しい認識が芽生えたのであった……。今回は、そのパーティのようすをお伝えしたい。
・パーティに突入
会場はIKEA新三郷。パーティと聞くと大人ばかりの集まりかと思いきや、お子さんを連れたファミリー層が圧倒的に多かったぞ。参加しているのは事前にチケットを購入された方々で、販売が開始されると、すぐに売り切れてしまうほどの大人気イベントらしい。
ファミリー層が多いなか、1人で参加した私。「もしかして場違いじゃないか……?」と不安に思いつつも受付を済ます。そして案内された席は、小学生のお子さん、お父さん、お母さんの3人で参加しているご家族との相席であった。
家族水入らずの席にすみません。申し訳なく思いつつも着席すると、目の間にはザリガニで真っ赤に染まるお皿が。今日はこいつを食べまくるわけだ。
ちなみに、パーティで食べられるのはザリガニだけではない。エビやサーモンが乗ったプレートも美味しそう……とは思うが、今日はザリガニで腹一杯にすると決めている。だってザリガニパーティだからねっ!
意気込んではみたものの……オレ、カニとかエビとか、ムキムキしながら食べたことない。甲殻類についての食の知識は小学生レベル、いや幼稚園レベルなんだよね。ちゃんと食べられるかなぁ?
山積みにされたザリガニを呆然と見つめているうちに、パーティの始まりを告げるマイクトークが聞こえてきたぞ。司会者はザリガニの着ぐるみを被ったスタッ……ではなくて、ザリガニくんだ。ちなみに私が勝手に名付けた。
終始ハイテンションなザリガニであったが、「暑い……暑い……」となげく声が聞こえていたのは内緒である。まさか、ザリガニくんまでも蒸されてしまう、なんていう高度なオチが待っているのだろうか?
・ザリガニを貪(むさぼ)る
ザリガニくんの心配なんてしている場合ではない。ハラペコの私の前には未知のご馳走が並んでいるのだから。さぁ~食べまくるぞ!
マニュアルがあるから参考にしながら食べてみるか? いや、必要ない。とにかく尻尾を剥いて貪ればいいんだろう! チカラにモノ言わすのが男じゃん?
まずは前掛けと手袋をして……
ザリガニを掴み~の……
尻尾を掴んで、こねくり回し~の……
殻むいてパクッだ……!
う~ん。なんだか上手く食べられてる気がしないなぁ。やっぱりマニュアル見ないとダメか……そう思っているとスウェーデン出身のスタッフ、ヨルゲンが食べかたを教えに来てくれたぞ。上手く食べられない方のために、各テーブルをレクチャーしながら回っているようだ。
「食べる前にお腹を吸うとお汁がオイシイヨー」と通な情報を教えてくれつつレクチャーしてくれるのだが、手際が良いことこの上なし。
ほうほう。教えてもらった通りに試してみると、シッカリと殻が剥ける剥ける。慣れると簡単なものだ。コツを掴み、ザリガニを食べるスピードもどんどんハイペースに。
いやぁウメェ……。カニとエビの中間のような、プリッと身がしまって濃厚な味だ。ザリガニの尻尾も美味しいが、殻につまった味噌がウマいのなんの。少し苦味もあるから味噌は大人向けの味かも。とりあえず酒が欲しくなるやつだ。そんなことも想定してか、今回のパーティは、チケット購入制でアルコール飲み放題だったぞ。
・ジャンケン大会
食べることに夢中になっていると、ザリガニくんがなにやら話はじめたではないか。どうやら子供と “じゃんけん大会” をするらしい。
え!? ザリガニくんチョキしか出せないじゃん! そんなこと子供だって分かるから勝ち目ナシだよ! 無謀だ!! やめてぇ~~~。
じゃ~んけ~ん……
ポンッ!
ん……
ガチンコ勝負にでるザリガニくんが、そこにいた。
設定まもれヤァぁぁぁぁ! ザリガニらしくチョキ以外出すんじゃねぇッ!! とツッコミを入れたくなったものの、子供たちが笑顔で楽しそうだから良しとしよう。ザリガニくん本人も楽しそうだし。
まぁなんだ……楽しいのは分かったので、そろそろ手袋してもらえませんか?
・終わりなきザリガニ
楽しそうな子供たちを横目に、私はザリガニを食べまくる。
食べても、食べても……
食べても、食べても……
味を変えても……
エンドレス・ザリガニ!
むしゃむしゃと食べ続け、気づけば相席をしたご家族とも打ち解けていた。一緒にザリガニを食べるという共同作業とアットホームな雰囲気が手伝ってのことだろう。最初の気まずさは何処へやら。ハイ、チ~ズ。
・驚きのザリガニ消費量
ふぅ~。2時間近く食べ続けると、も~~お腹いっぱい。一生分のザリガニを食べた気もするけど、どんだけのザリガニ食べたのかなぁ? そんな疑問を持つ私に、タイムリーな催しものが開かれた。
それは、パーティで食されたザリガニの殻の総重量を当てるというクイズだ。テーブルの上にある解答用紙に記載して提出するわけだが、これは気になるぞ。予想もつかないが50キロくらいだろうか……。
スタッフが、各テーブルから回収されたザリガニの殻を1袋ずつ測定機器に乗せていく。
実際に袋を持ってみると、成人男性である私が持ち上げるのに苦労する重さだ。それが数袋ということは50キロなんていうレベルじゃないぞ。気になる正解は……
イチ
ゴー
ゴー
155キロ!
お、おお……! 計算するとザリガニ4000匹分に達するかという重さらしい。間違いなく、その日、日本でもっともザリガニを消費した場所はIKEA新三郷だろう。老若男女だれもが夢中になって食べるほど、ザリガニがウマかったということだ。
それはさておき、このクイズ難易度高すぎないか? なんて思っていたら、ぴったり賞が2人もいたぞ。景品をもらっていく入賞した方々。そのなかには小学生もいたんだが、将来が有望すぎだろ。
・ザリガニくんの正体
クイズも終わり、楽しかったパーティも閉宴の時間である。さて、これからザリガニパーティについてIKEA新三郷の曽我さん、という方に話を聞くことになっているのだが。
え~と、ザリガニくん。曽我さんはどこに居ますか? と尋ねると、おもむろに被り物を脱ぎはじめるザリガニくん。
ん……? え、ええ!?
なんと、終始「暑い……暑い……」と連呼していたザリガニくんが、IKEA新三郷のローカルマーケティングマネージャーを務める曽我さんだったのだ。素敵な笑顔でザリガニくんに負けず劣らずの癒しオーラを纏(まと)っている。そんな曽我さんとお話してみたぞ!
──めちゃくちゃ暑そうでしたけど、大丈夫でしたか?
「暑すぎて体調が悪くなりそうでした(笑)」
──ザリガニくんまで蒸されてしまわなくて良かったです(笑)。それにしても、すごい人数でしたね。何人くらい参加されたんですか?
「ザリガニパーティは毎年開催しているんですけど、初めての試みで300人という規模で開催してみました。去年までは100人規模だったので過去最大ですよ。大人数でしたが参加されたお客様も一緒に盛り上げてくださったので、みなさま楽しんでいただけたのではと思っています!」
──盛りがっていましたもんね! 参加者とスタッフさん。そして参加者さん同士、立場にとらわれずに距離が近かったように感じました。
「距離は近いですよ(笑)。スウェーデンのザリガニパーティって、家族だけではなく、近所の方々みんながザリガニを持ち寄って開かれるんです。なので、我々のパーティもスウェーデンらしさを感じられるように、みんなで一緒になって盛りあがれるパーティになっていますから」
──実を言うと、ご家族3人と相席になったとき、あまった席に追いやられたんじゃないかと内心では思っていたのですが、そういった意図があったんですね!?
……(沈黙そして笑顔)
──そうなんですね! 実際、ご家族のみなさんと仲良く楽しめたのでサイコーでした!
「みんなで盛りあがるパーティなので、席を隔離するのではなく、周りの方々と一緒になって盛り上がってもらえるような配置にしていますから!」
──でも、イケアっていうと家具のイメージが強いですけど、なんでザリガニパーティを?
「それはですねぇ……(よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりのドヤ顔)イケアはご存知の通り家具を販売している会社ですが、家具を販売するだけではなくて、スウェーデンの文化を知ってもらうことも重要だと考えています。で、その国の文化を伝えるときに一番分かりやすいのが、食文化なんですよ」
──その食文化の1つがザリガニなんですね!
「そうです! スウェーデンの文化を知ってもらうために、フードを提供していたり、スウェーデンの四季に関連したイベントを開いたりしているんです」
──なるほど! また来年もザリガニくんに会えることを楽しみにしています!
パーティに参加して、そして話を聞いてみて分かった。ザリガニ、きみは心と心を繋ぐ架け橋、また日本とスウェーデンをも繋ぐ架け橋だったんだね。ありがとう、ザリガニくん。来年のパーティでまた会えるよね?
そんな心の架け橋でもあるザリガニを、イケアレストランで食べられるのは8月18日までだ。興味がある方は急いだ方が良いだろう。
協力:IKEA新三郷
参考リンク:イケア 「ザリガニ フェスティバル」、「フードページ」
Report:hirazi(ひらじ)
Photo:RocketNews24.
▼素敵な演奏も繰り広げられていたぞ
▼カワイイ前掛けでしょ。食べ方教えてくれたあざしたー
▼サラダとクラッカーも食べ放題
▼楽しそうなザリガニくんと参加者のみなさん