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中国の通販サイトで2万円のシャツを注文してみた結果…全然届かねえ!→ 泣きながら中国人とチャットで攻防2カ月間

2019年7月22日

きっかけは今年の4月23日。ピンクヘアーがトレードマークの双子モデル・AMIAYAちゃんのインスタグラムに掲載されたTシャツに、私の心が奪われた。かっ、かかか可愛い欲しい欲しい欲しい絶対ほしいいぃぃぃ!!

中国語がデーンとプリントされたそのシャツは、リアルに中国発のブランドらしい。価格は約2万円! Tシャツにしては高い……でもお姉さん出せなくはないぞ。30歳を過ぎてメッキリ反応しなくなった私の物欲センサーが久々に発動したのだ。この気持ちを大切にしたいよね。

ところが調べてみると、現在日本国内でこのブランドを扱う店は存在しないようなのである。入手するには中国の通販サイトから直接購入するほかないっぽい。ええぇ……! 失礼ですがホントに届くの……? イチかバチかで出すにしちゃ2万はデカイ。どうする私……?

・中国最大のショッピングサイト

中国で8割のシェアを誇るとされる大手ECサイト『淘宝網(タオバオワン)』通称『タオバオ』。名前は知っていても、実際に利用したことのある日本人は少ないのではないだろうか。私はもちろん未経験だ。

今や日本より断然金持ちといわれる中国のことであるから、荷物を盗まれたりといった心配はさすがに無用だろう。しかし言葉の通じぬ外国人が相手。不測の事態の起きたときが問題である。とりあえずサイトをのぞいてみることに。


サイトには「淘宝網 日本」とあるが表記は完全に中国語。翻訳サイトを使いつつやれば、会員登録は意外と簡単にできる。


すぐに欲しかったTシャツを発見! しかし……


取り扱う業者によってずいぶん値段にバラつきがある。数千円程度の割引なら日本でもよくあるが、定価1199元(約1万8900円)に対して同じものが245元(約3900円)というのはさすがに不安にならざるをえない。商品説明を見るかぎり「新品・正規品」らしいけど……。

そこで中国人の友人S君に相談すると「天猫マーク」のついた商品を買うのが安全だと教えてくれた。タオバオは小さい業者や個人が多く出品しているため見極めが必要だが、「天猫」から出品されているのは大企業の公式通販がメインなのだそうだ。

小さくたって正直に商売しているお店が大半であろうとは思う。しかし見極める目を持たない日本人が高額商品に手を出すときは、天猫マークをチョイスするのが無難かもしれない。


……よーし、だんだんいけそうな気がしてきたぞ。自慢じゃないが私は中国語教室に半年通ったことがあるのだ。思い切ってお店の人と国際チャットしてみちゃおう。

・レッツ中国語

中国語で「こんにちは」に相当する「ニーハオ」は「你好」と書く。「你(ニー)」は「あなた」の意味。これを「您(ニン)」にすると丁寧な言い方になるので、初対面の相手には「您好(ニンハオ)」だと感じがいいんだヨ。これが中国語教室に通った実力だ!

張り切って「您」の字を問い合わせ用チャット画面に打ち込む。しかしそのわずか2文字後に今度は「你」と入力してしまった。「お世話になっております。ときにお前さんは……」みたいな感じになってしまったかもしれないが、これが私の限界だ。通じていればよしとしよう。


するとほんの数分で返信が!

──お世話になっております。日本へ配送をしてくれますか?

「こんにちは。できますよ。国際配送料がかかりますけどね」

──Tシャツを1枚買ったとして、配送料はいくらですか?

「100元(約1600円)くらいですかね」


ウフッ……通じた通じた! ちゃんと履歴の残るところが心強いし、相手の人柄の良さも文字からにじみ出ているようだ。よぉ〜し……やっちゃうか! いけんだろコレは!

日本の通販と同様、商品をカートに入れてクレジットカード番号を入力すればあっという間に注文完了だ。画面には「支払い成功」の文字が表示されている。念のためスクショしたらあとは待つだけ。やった! ついに私は外国から商品を買い付けたのだ!


・2週間経過

スマホ版タオバオには荷物の状態を逐一確認できる機能がある。地図と連動していて、どのルートを通っているのかも丸わかり! 5月6日に注文したTシャツは上海市内を空港に向かっているらしく、通過したポイントが分刻みで記録されてゆく。スッゴイ!

荷物が日本に届くまで2週間くらいかかると聞いていたけど、この調子だと数日で来ちゃうんじゃないだろうか? 毎日ニコニコとアプリを眺める日々。しかしそれもつかの間……5月12日を最後に荷物はピクリとも動かなくなってしまった

慌てるには早いが居てもたってもいられず、中国人の友人S君(日本語ペラペラ)に「タオバオは本当に安全なのか」と聞いてみた。S君いわくタオバオおよび運送会社はサポート体制が整っており、「届かなければクレームを入れればいいだけ」とのこと。強気だ。

「一定期間を過ぎると荷物が届いていなくても代金が引き落とされる」など、日本のウェブショッピングでは馴染みのないルールが存在しているらしい。その対策をS君が教えてくれたが、とてもじゃないがやれる気がしない。無事に届くのを祈るばかりなり……!

・やめて! 落とし穴

かくして2週間を過ぎても荷物は届かず、アプリの位置情報も更新されぬままである。虚ろな目をしてサイトを眺めていると、隅にふと気になる表示が……。

なんとそこには「送料を支払う」ボタン!

そういえば確かに注文時、送料を支払った覚えがない。とはいえ送料別払いシステムって……そんなのアリかよ!?  聞いてねぇよ! 先に言ってくれよ! しかもさりげなすぎるよ! 自動的に支払いページに飛んでくれよ! せめて「払ってませんよ」って連絡してくれよぉぉ!

などと憤ってみたところでそれは日本人の感覚だ。中国ではこの方法が一般的なのかもしれないし、中国語が堪能な方にしてみれば「こんなに目立つ表示があるのに何言ってんだオマエ」ってなもんかもしれない。迅速に62元(約970円)の支払いを済ませた。今度こそ頼むぞ!

・決死の攻防戦

それでも商品は届かないどころか位置情報も相変わらず変化なし。仕方がないのでまたチャットを飛ばしてみることに。

──3週間待ったんだけど、荷物はいつ届くの?

「送料は払いましたか?」

──10日前に送料を払いました。ちょっと調べてみてもらえますか?

「わかりました」


「送料を支払ったのか」と確認しているので、ショップを離れた荷物は完全に運送会社の管轄なのだろう。調べると運送会社は日本にも支社があるようだ。なかなか返信がないので運送会社に電話してみると、出たのは「日本語がそこそこ喋れる中国人」とおぼしき方。

荷物番号を伝えると「それは中国国内の番号です。その番号の荷物が国外へ出ることはありえませんので、ショップに確認してください」との回答だ。ちなみにショップからは「わかりました」の後1週間待ったが返信はない。なんなんだよもう!

・もう後には退けない

──荷物が届きません! どうすればいいか教えてください。送料は支払いました。

「運送会社に聞いていますので、ちょっとお待ちください」


ハナから「送料は払った」と明言しているあたりに、私の不安とイライラが表れている。注文から24日間が経過した5月30日、1週間の沈黙を破って再びチャットを送ってみたのだ。すると……

届いた返信を要約すると「Tシャツが高額なため、あなたの荷物は税関でストップしています。追加で税金を支払えないのなら、返品してもらっても結構ですよ」ということらしい。


えええ……!!!!


返信には「日本の税関は厳しいですから」との文言もある。そう言われると日本人としてチョッピリ申し訳ない気もした。それならそうと誰かが早く連絡してくれればよかった件はおいといて、ここまできといて返品なんてできるものか。もう後には退けないのだ。

私は「税金を払うので送ってくれ」と高らかに宣言した。「了解! 明日手配しておきますね」という気持ちのよい返事。そこから2週間待っても音沙汰なし! ダミだこりゃ!


・S君が降臨

実は注文した時点で、私は1カ月半後に中国旅行を予定していた。しかも行き先は荷物がストップしている上海だ。こうなることが分かっていれば、初めから上海の店舗へ行ってシャツを購入したであろう。

しかし今となっては正直、シャツなんて二の次である。1カ月半の戦いを経て目的はいつしか「荷物を日本へ到着させること」に変わってきていた。上海へ到着したその日、私は中国人の友人S君にアポを取り「店の人とチャットでやりとりしてくれ」と懇願。

テキパキとチャットを打つS君をこれほど頼もしく思ったことはない。マジで頼むぞ……!

・勝負は一瞬

S君の打つ文章を即座に理解する中国語力がないので、後から翻訳サイトで確認してみた。すると結局のところS君は「いつ届くの? 早くしてくれよ!」と言っているに過ぎない気がする。それ私がずっとずっと言ってたヤツ!

……にもかかわらず、15分ほどのやりとりの終わりには「あと1週間くらいしたら届くからね〜」となってるんですけど!

チャットの途中では「あなた長いことよく辛抱して待ったわね……」などといった、お店の人からのねぎらいの言葉も混じっていた。どゆことぉ〜! 今までそんなの無かったのにぃ〜〜〜!!

やはりネイティブと私のエセ中国語では全然違うという悲しい現実が浮き彫りになった。翻訳サイトを使えば外国語テキストを読むことはある程度できる。しかしそれでは不測の事態を乗り切れないのだなぁ……。


翌月に帰国して自宅の宅配ボックスを開けると、待ち焦がれた荷物が置かれていた。伝票を見ると日付は6月29日。約2カ月に及ぶ攻防のすえ、ともかく私はなんとかタオバオを攻略したのであった。

箱はボコボコだが服はしっかりと梱包されていて思った通りカワイイ! ようやく会えましたね!


・オススメはしない……しかし

今回のことは「送料に気づかなかった」「税関で止まっていた」というイレギュラーな問題が発生したので、もしかすると特別困難なケースだったのかもしれない。なんの問題もなく日本へ到着する場合だって多くあるだろう。

しかしほんの少しとはいえ中国語経験のある私が、中国人の協力をもってしてもここまで苦労したのである。ごく一般の日本人に「簡単だからやってみて!」とは、私なら絶対にいえない。

それでも私はまた近いうちにタオバオを利用してみようと思っている。今回苦労した経験によって、コツが掴めそうな気がしたからだ。少なくとも送料と税関の問題が起きた場合、次は1人で解決できる自信がある。通販スキルとは失敗の積み重ねなのだから。

タオバオではケタ違いに安い商品や、日本でお目にかかれない珍しい商品が多く扱われている。ためしにサイトをのぞいてみたら楽しいはずだ。どうしても欲しいものを見つけちゃったとき、購入には多少苦労するかもしれないが……やってやれないことはないと思うぜ!

参照サイト:タオバオ公式サイト
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼請求額は当初の計算より1000円ほど高かった。レートに注意!

▼かわいい

▼後ろもかわいい

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