世界のどこに出かけるにせよ、楽しみなのが「グルメ」である。観光も買い物もアクティビティも旅の目的の1つであることは間違いないが、個人的に「グルメ」だけは絶対に外せない。とにかく「その土地でしか食べられないグルメ」を絶対に味わいたいのだ。
つい先日のこと。私、P.K.サンジュンはポケモンGOの世界イベントのため、アメリカはシカゴを訪れた。この旅のメインはポケモンGOであるものの、それともう1つ絶対に達成したいことがあったのである。そう、本場の『シカゴピザ』を食べることだ。
・どうしても食べたかった
「シカゴのグルメ」と聞いてあなたは何を思い浮かべるだろう? 「アメリカのグルメ」ではなくピンポイントで「シカゴのグルメ」である。1度でもシカゴに訪れたことがある人ならば、ステーキやシーフードが挙がるのだろうが、お恥ずかしながら私は『シカゴピザ』しか思い浮かばなかった。
シカゴピザ──。私のぼんやりとしたイメージだと「分厚いピザ?」くらいの印象しかなく、もちろんこれまでにシカゴピザを食べたことはない。ジャンクフードが大好きで、当然のようにピザも大好きな私は「シカゴ滞在中に本場のシカゴピザを食べる」と心に決めていた。
・超人気店へ
ところがどっこい、3日間の滞在中になんだかんだでシカゴピザにありつけぬまま迎えた最終日。オヘア国際空港に向かう前、何とか入店できたのが「PIZZERIA UNO(ピッツェリア ウーノ)」である。地元民と観光客でごった返す、超人気老舗シカゴピザ店だ。
シカゴピザの正式名称は「ディープ・ディッシュ・ピザ」と言うらしいから、イメージ通りの分厚いピザなのだろう。基本的には数人で食べるのがセオリーだが、同店にはお1人様用のピザも用意されている。価格は10.99ドルだったから日本円で1200円弱と言ったところだ。
・1度目の泣き
ピザはどのサイズでも焼き上がりまで30分から40分ほどかかるとのことで、その間、バーカウンターで1人待つ。そしてここで1度目の “泣き案件” が発生してしまった──。
コーラと一緒にダイエットコーラを頼もうと「コーラライト、コーラライト」と連呼すると、カウンターの中にいた気の良さそうなオヤジは「OK!」と満面の笑み。だがしかし、出てきたのは……
コロナライト(ビール)であった。
後から言われて気付いたのだが、ダイエットコーラを注文したい場合は「コークライト」と言わなければならないらしい。そもそもお酒があまり好きではない上、これから空港まで大荷物を1人で運ばなくてはならないのに……! 自分のあまりの英語力のなさに……泣いた。
・さらに泣いた
泣きながらコロナライトを飲んでいると、ついにやってきたシカゴピザ。普通のピザではあり得ない分厚さは、単なる “かたまり” だ。味の方はというと、皮はパイというのかクッキーというのかサクサク・ガリガリ系。そして中には滴るほどジューシーな具材が詰め込まれていた。
トマトをベースに、マッシュルーム・オニオン・ペパロニ、そして肉。ジューシーと言えば最上級のジューシー、いや……むしろスープと言った方が近いかもしれない。念願のシカゴピザに気分も最高! 味に感動して泣い……てはない。泣いたのはそのボリュームだ。
私はお店に “空腹” で訪れた。そして注文したのも「1人用のシカゴピザ」だ。なのに全ッ然食べ終わらない! それなりに量を食べられる自信もあるし、最初に見たときは「デザートも行っちゃおうかな?」なんて思った。だ・の・に! 目の前のシカゴピザは食べても食べも減っていかないのだ。本物のアメリカンサイズに……泣いた。
・最後に泣いた
さらに追い打ちをかけてきたのは、店のロケーションだ。「PIZZERIA UNO」は素晴らしい雰囲気で、昼からたくさんの人が楽しそうにピザを食べている。陽気な雰囲気の中、店中の至るところから聞こえてくる笑い声。それまでの5日間、ほぼ誰とも喋っていなかった私は……寂しくて泣いた。
というわけで、私、P.K.サンジュンの「初シカゴピザ」は、自分のあまりの英語力のなさに涙し、楽しそうな人々の笑顔を横目に超ボリューミーなピザに悪戦苦闘する自分に泣かされる結果となった。1つだけ言えることは「シカゴピザを食べに行くなら1人で行かない方がイイよ! 孤独すぎるから!!」ということである。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼シカゴピザとお店は最高だった。孤独だったけど。