「ちょい飲み」という言葉が世間に浸透して久しいが、吉野家はそのブームの先陣を切った飲食チェーンの一つだ。都心部の店舗を中心に展開するちょい飲みサービス「吉呑み」を利用したことがある人は、きっとそれなりに多いのではないか。

ではあなたは、吉野家に飲み放題を実施している店舗があることをご存じかな? そう、なんと1時間1080円で、ハイボールを何杯でも楽しめる吉野家がたしかに存在するのだ! そこで実際にチャレンジしてみたところ、なぜか『スラムダンク』っぽくなったでござる。

・実施店舗はここ

この飲み放題はすべての「吉呑み」店で実施されているわけではない。限られた店舗にのみ試験的に導入されている、レアなサービスなのだ。吉野家に問い合わせてみたところ、現在飲み放題を実施しているのは以下の2店(2019年6月20日時点)。


新橋烏森口店
JR神田駅店


そう、まさかの都内2店舗のみである。激レアさん……! 平日17時から22時まで提供されており、ハイボール飲み放題に から揚げ皿か牛皿の並盛が1皿付いて、料金は1時間1080円(税込)となっているぞ。血がたぎるぜ。

飲食チェーンで飲み放題に挑戦するのは、2年前にお伝えした丸亀製麺以来である。丸亀が30分のセルフサービスだったのに対し、今回は60分制でお酒は店員さんが持って来てくれるスタイルだ。が、時間に余裕があるとはいえ油断はできない。徹底的にガンガン飲まなくては……! というわけで、いざ参る。

・飲み放題スタート

店内はサラリーマン客がポツポツといる程度。そのため、ハイボールの提供はスピーディーだ。それでは乾杯。グビ、グビと、炭酸が効いた琥珀色の液体を体内に流し込み。うっ……! こ、これは……なかなかに濃い……!!

・けっこうクる

こいつぁとんだ じゃじゃ馬娘である。飲み放題だからってバカにできないぞ。気を抜けば、たちまち懐に飛び込まれること必至。上等だよ……! ハイボールをお冷のように飲み干した私(あひるねこ)は、すぐさま2杯目に取り掛かる。これは時間との、そして吉野家との真剣勝負なのだ。

・選べるつまみ付き

するとそこへ、頼もしい援軍がやって来た。セットで付く牛皿である。よっしゃ、まるで湘北に宮城と三井が加わったかのような頼もしさ。これで狙える……! インターハイも……!! こうなったら牛肉1切れでハイボール1杯イクのもやぶさかではない。

ただ、やはり丸亀の時と比べ、60分制だと緊張感が持続しないな。そこで、「吉呑み」の1番人気メニューだという『だしまかず(税込180円)』なる商品を頼んでみた。要はだし巻き玉子の巻いてないバージョンなのだが、これがつまみとして非常に有能。よしよし、1本ッ! 集中だ!!

気合いを入れ直した私は、そこから3杯、4杯と順調にジョッキを空けていく。ハイボールオンリーだとさすがにキツくなってくるが、全国に行くためダンコ勝たねば。

・紅しょうがを上手く使え

そろそろ牛皿もなくなってきただろって? 甘いぞ。皿をよく見ろ。まだ汁が残ってんだろ。そこにだな……


紅しょうがを投入して絡める! あとは七味でもかけてやりゃあ、立派なつまみになるんだよ。オラ、ガンガン攻めるぞ! オーフェンス!! オーーフェンス!!

・迫る時間

そうこうしている間に、試合も後半戦に突入だ。ヤ、ヤバイ。まだ5杯しか飲んでない……! このままだと、負ける……!! 心なしか店員のおっちゃんが陵南の監督に見えてきたぞ。不安要素はハイボールってか? やかましいわ。クッソォォォオオオ! 負けねェェェェェエエエエ!!

・激闘

ドクン、ドクン──。制限時間を目前に最後の攻撃を仕掛けんとする私。そう、諦めたらそこで試合終了だ。もうオレにはリング……いや、ハイボールしか見えねぇ。


6杯目!


──残り15分


7杯目!


──残り10分


8杯目!


うおおおおおおおおお!

いっけぇぇぇぇぇぇエエエエエエエ!!!


その結果……。


テーブルの上には、なんとこの日9杯目のハイボールが置かれていた! やったーーーーーーーッ!! 歓喜の瞬間である! この試合、オレたちの勝利だァァァァァアアアアア!!

・1杯100円以下に

何がどうなったら勝ったことになるのか自分でもよく分からなかったが、とりあえず1時間で9杯のハイボールを飲むことに成功したぞ。これはつまり、1杯あたり約83円で飲んだ計算になる。魂を削る死闘ではあったものの、まさに破格の安さと言っていいだろう。うむ。

1時間もあればそれなりにガッツリ飲めるので満足感も高い。吉野家によると、実施店舗が増える予定は今のところはないとのことだが、仕事帰りに寄りたくなるようなサービスであった。

ただ……やはりハイボールだけは飽きてしまうのも事実。ビールとサワーも仲間に入れて欲しいと願うのは贅沢というやつだろうか。吉野家さん、ぜひご検討くださいませ。

参考リンク:吉野家
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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▼こちらは から揚げ皿。牛皿とどちらか選ぶことができるぞ。

▼『〆のラーメン(税込280円)』を食べて帰りました。

▼ちょうどいい値段とサイズだ。

丸亀製麺の飲み放題に行ってみた記事はこちら。

その続編。

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