「小籠包」と聞いて思い浮かべるのは、よく蒸された薄皮のとろとろな飲茶ではないだろうか。しかしこの世には、たっぷりの油を使ってカリッカリに焼き上げられる「焼き小籠包」なるものがあるのだ。

筆者は学生時代、中国・上海出身の先生に「上海の焼いた小籠包こそが本物! 絶対蒸した小籠包より焼き小籠包の方が美味しい!」と力説され、半信半疑で食べてみてから、その魅力に取り憑かれた。

蒸した小籠包は美味しい。しかし、焼き小籠包も美味しい。もう蒸しだけで満足していた頃には戻れない……。まだ焼き小籠包を食べたことがないのならば、是非食べていただきたい。

そんな魅惑の食べ物、焼き小籠包を東京・新宿で食べられる唯一のお店があるらしい。しかも焼き小籠包の皮は店内で手作り、餡は100%国産豚肉使用というこだわりがあるそう! ということでさっそく行ってみた!

・上海小籠包 厨房 阿杏 本店

ビックロ裏のさらに一本裏道に、その店がある。

5階にある店内はさほど広くはないものの、来店した14時半頃は私以外に二組のお客さんがいるだけで、ゆったりとしていた。「焼き小籠包4コ(700円)」だけを食べて帰ろうかと思ったが、ランチメニューを見ると「焼き小籠包ランチ(1230円)」なるものが!

なんと焼き小籠包4コに小菜、スープ、プチデザート、さらにランチプレートメニューの中から好きな1品を主菜として選べるらしい!

うおおおお!! めっちゃボリュームありそうなセット! これは満足間違いないのでは!? 主菜候補がたくさんあって悩ましい。五目チャーハンなら焼き小籠包に合うのではないだろうか? と考え、勝利を確信して注文した、その瞬間。

さっそく来た! いきなりデザートまで来た!! 早っ!! 小菜をいただき、スープを飲み終え、焼き小籠包たちの到着を待つ。まだかな……焼き小籠包たち来るかな……。

厨房からは油の弾ける小気味の良い音が聞こえてくる。あれは焼き小籠包たちが美味しく焼き上げられている音に違いない……! 音だけで美味しさを想像してしまい、余計にお腹が空いてしまう。他のお客さんの元へ運ばれていく焼きそばを眺めながら空腹で死にかけていると……

来たー!!! 焼き小籠包!!!!

まさに焼きたて!! 待ってた! 超待ってた!! この焼き色だけでもう最高なのが分かる!! はやる気持ちを抑えて、カリッと小気味良い音を立てて皮を少しかじり……中のスープを吸い込む!

美味しいー!!! スープたっぷり!! しかも具にスープと肉汁が上手く絡み合っていて、はちゃめちゃにジューシー!! しかも皮はカリッカリだー!! 待った甲斐があった!!! 最高!!!!


焼き小籠包をたっぷりと堪能し、あとは五目チャーハンの到着を待つのみ。厨房から聞こえる、中華鍋を振る音がまた食欲を誘う。のんびり待つとしよう。

と思ってたらすぐ来たー!! しかし……何だろうか……失礼ながら、どこかのお宅のお母さんが作ったチャーハン、といった見た目をしている……。何故かコーン入ってるし……。これはもしや外してしまったのでは……? 恐る恐る口に運んでみると……

何だこれはーッ!!


見た目に反して炒め具合が絶妙!!! パサつきすぎず、かといってベチャベチャなわけでもない、絶妙なしっとり感! 見た感じ薄味なのでは? と思いきや、意外にもしっかりとした味付け!!

何でコーンなんか入れたんだ? と思っていたが、しっかりした味付けをコーンの甘さがまろやかにしていく……これは素直に美味しい!! しかも、焼き小籠包とセットながらチャーハン単体でも一食分になりうる量なので、大満足だった。


・テイクアウトも可能!

ここの焼き小籠包はテイクアウトが出来るそう。ただし焼き小籠包は時間が経つと具材や皮がスープを吸い込んでしまい、美味しさが半減してしまう。テイクアウトした場合も、すぐに温かいうちにいただくことをオススメする。

・今回訪問した店舗の情報

店名 上海小籠包 厨房 阿杏(ああん)
住所 東京都新宿区新宿3-28-2 ルナージュビル5F
営業時間 【ランチ】月〜金:12:00〜15:30 / 土・日・祝日:12:00~17:00 【ディナー】月~木:17:00~23:30 / 金・土:17:00~24:00 / 日:17:00~23:00
定休日 なし

日本、〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目28−2