海洋汚染が深刻化するなか、環境への配慮から外資系の大手飲食チェーンで、プラスチック製のストローの使用を取りやめる動きが高まっている。スターバックスは2020年半ばまでに、全世界の店舗でプラスチックストローの使用を取りやめるのだとか。
環境への配慮は必要なこととして、代替品の使用感はどんなものなのだろうか? 最近紙製のストローを使用しているお店に、偶然遭遇した私(佐藤)の率直な感想をお伝えしたいと思う。
・感触は硬い
スタバがプラスチックストローの廃止について発表したのは、2018年秋のことだ。それから半年を経る間に、すでに紙製ストローを導入している飲食店も増えつつある。私は「食パン専門店一本堂」の新宿本店を訪ねるまで、1度も紙製ストローに遭遇したことがなかった。
実物を手にした時、最初に感じたのは「硬い」ということだ。プラスチックのようにしなやかではない。硬くなければ、紙は液体を吸い上げることが難しいはずなので、硬さには納得せざるを得ない。
・プラスチックよりも存在感がある
問題はうまく吸えるかどうか? そして、味への影響はないか? だ。直径は5ミリ程度。その穴の太さは、電気加熱式たばこグローのネオスティックに近いものがある。
アイスコーヒーに入れてみると、なかなかの存在感。プラスチックは半透明である場合が多いのに対して、紙製は半透明に仕上げることができないので、その存在感が際立っているように見える。
・紙臭さは否めない
口にくわえてみると、ストローを口にしているというよりも、細いトイレットペーパーの芯を口に入れた感じがする。私はヘビースモーカーなので、紙(フィルター)を口に入れるのには慣れているはずなのだが、それよりもはるかに “紙食ってる感” は強い。
コーヒーを吸い上げるのには問題なく、そのままコーヒーのなかにつけていても、水分でヘタってくることはなかった。やはり、もっとも気になるのは口当たりである。正直滑らかではない。これならいっそグラスに口をつけた方が読みやすい気もしたのだが……。
今後紙製ストローは、より使い勝手の良いものが開発されることになるだろう。海洋汚染への影響は抑えられるかもしれないが、森林伐採への影響はどうなるのだろうか? 紙製ストローが本格導入するまでには、越えなければいけない壁がまだありそうだ。