ネット通信販売は大変便利だ。国内で利用できる大手サイトであれば、大抵のモノは安全に、しかも迅速に購入することができる。
しかし! 海外通販となると少々事情が違う。代金を支払っても無事に手元に届くか不安でならないし、届いたとしても使い物になるかどうかもわからない。今回は私(佐藤)が身をもって経験した小型カメラの購入にまつわる状況をお伝えしたいと思う。
・なぜ小型カメラを買おうと思ったのか?
まず初めに、なぜ私が小型カメラを購入しようと思ったか。それは、仕事についで没頭している、ポールダンスの動画を撮りたかったからだ。ただ撮るだけならiPhoneで十分事足りる。しかし、練習風景を撮りたかった訳ではなく、私がポールにのぼったり降りたり、時に回ったり逆さまになったりしている、その視点動画を撮りたかったのだ。
ポール上の景色はどんなものなのかを、皆さんと共有したい。そのためには、手持ちのカメラではNG。できるだけコンパクトで、出来ればスマホに接続して、撮影しているその画を確かめたい。したがって、SDカードを挿して録画できるだけのものでも不十分だった。
ぜひとも皆さんと、あの景色を共有したい!
そう思って、いろいろ探し始めたのは2019年2月頃だったと記憶している。
・良いモノを見つけた
そうして手頃なモノが見つかったのが、3月の終わりだった。桜が咲くにはまだ早く、季節外れの雪がちらつくような寒い日もあった。そんなある日、Instagramの広告で「H10 Mini Camera」という名前の製品を発見する。のちにその名前が正式名称ではないことを知るのだが。
できれば4月中旬の大会までに手に入るといいな~。海外発送だから2週間くらいで届くかな~。しばらくは参考程度に考えていたのだが、どうも手頃なものはコレしかない。そんな気がしてきた。きっと、あの時の私は夢見心地だったのだろう。浮かれた気持ちで「買っちゃえ!」と購入したのが、4月7日のことだった。すでに大会前に手に入れることは諦めていた。
購入時の価格は、シッピングの費用込みで67.98米ドル、約7500円だ。安い買い物をしたと思った。返信メールがすぐに来たので、安心して到着を待つ。1週間……、2週間……。3週間…………。
気が付けば桜は咲き、そして散り、ゴールデンウィークに突入して休みの10日間は過ぎ去っていった。1カ月、そう1カ月が経過したのだ。
・忘れた頃に
アレはもうなかったことにしよう。そう心のなかで決めかけていた頃……。
……来た。
休み明けに突然来た! ヤッホー!! もう来ないから、「海外通販で買った商品が来ない」って記事を書きそうになってたよ~。疑ってゴメンな、私が休んでいる間も、日本に向けて近づいて来てくれてたんだね。シンガポールからの発送になってる。海を渡ってやって来たのか、待ってたよ~!
中を開けてみると、カメラはサイトで見た通りのもの。
ちょっと困ったのは、説明書が英語と中国語のみ。とはいえ、想定内。幸い、製品名で検索すると、海外のユーザーが使い方をレクチャーする動画を公開していたので、それを頼りに設定を行った。スマホとの接続はWi-Fi経由。いわゆるネットワークカメラだ。
説明書に記載のあったQRコードをスマホで読み取って、専用のアプリをダウンロードする。
説明書は英中なのに、アプリはなぜか日本語表記。ところどころ表記が怪しいが、まあ使えれば良いだろう。
多少設定に苦戦したものの、無事にスマホ側で映像を確認することに成功。ちなみに接続状態にあると、スマホ側で映像を記録することもできる! まさに理想的なカメラじゃないか!!
画が粗いけど、とりあえずヨシとしよう。
・いざ、撮影に臨むと……
やっとこれで準備が整った。ここからが本題。これを装着した状態で、ポールの練習したら、どんな画が撮れるかな~? 楽しみだな~。オラ、ワクワクすっぞ!
さ~て、撮りますか~。という段になって、スマホと連動できない。それどころか、カメラの操作ができない。……う~ん……、どうしちゃったのかな~? 仕方ないので、一旦再起動しようか~。
主電源を長押ししても連打しても、無反応。まるで固く口を閉ざしかのように、ウンともスンとも言わない。
放っておけば切れるか。そう思って1時間超放置したのだが……。夜になっても寝る気がない子どものように、起動ランプはピカーッ! と光っている。
俺、待ってたんだぞ、お前のこと。ずっと……。
桜が咲く前に会えるかな? 桜が散る前に会えるかな? GW前には会えるかな? GW終わる前に会えるかな? って。
やっと会えて、今まさに一緒に遊ぼうって時に、ご機嫌斜めかよ。あんまりだぜ、だって俺ずっと待ってたんだよ! お前のことばっかり考えてずっと待ってたのに、機嫌損ねてんじゃねえよ! いつ遊ぶんだよ、今でしょ! さすがの林先生だってブチ切れるぞ、この野郎ッ!
・本気出す!
もはや我慢の限界だ。お前の手は借りん。それでも俺は、ポール上の視点からの映像を撮る! そう決心して、天才的な閃きが浮かんだッ!! それがコレだーーーッ!
頭にタオル巻いて、その上からiPhoneをテーピングでグルグル巻きにするヤツーーーーーーーーッ!
なぜもっと早くこうしなかったのだろうか。そもそも、iPhoneが吹っ飛ぶ心配があったから小型カメラを買ったのだが、iPhoneが吹っ飛ばないようにすれば済んだだけの話だ。
これでもう大丈夫。もしもiPhoneが吹っ飛んでぶっ壊れたとしても後悔はない。だって精一杯やったんだから。ということで、この装備でポール上でブンブン回ったら、ワイルドな画が撮れたゼ~! さとちゃん、がんばったゼ~ッ!
わざわざ1カ月も荷物の到着を待つまでもなく、撮影が出来たと知った。これからは何かを購入する前に、持っているもので何でもやってみることにしようと思った次第だ。
ちなみに言うことを聞かなくなった小型カメラ「HICAM」は、当編集部に戻った段階で通常通りに利用できる状態になったぞ。
終わり
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24