突然だが、皆さんは “シメパフェ” をご存知だろうか。新鮮なパフェを酢で締めたものではなく、食事や飲酒後に締めとしてパフェを食べる行為のことだ。「締めと言えばラーメン」を覆すこの文化は、発祥の地である北海道・札幌では、もはや夜の定番となりつつあるらしい。
東京に住む筆者は最近それを知り、「1日をパフェで締めくくるなんて素晴らしすぎる。札幌市民の生活の質ヤバすぎる」と衝撃を受けていた。そんな折、なんと東京にも「シメパフェ専門店」がオープンしたという情報を入手。さっそく1日の終わりに現地へ向かってみた。
・夜のパフェは一味違う
今回ご紹介するお店は「INITIAL(イニシャル)表参道」。札幌において ”シメパフェ” ブームを先導してきたお店の東京初進出店舗で、5月1日にオープンしたばかり。スイーツ店としては珍しく23時半まで営業しており、「締める者拒まず」の万全の受け入れ体勢である。
筆者が訪れたのは午後8時頃。普段なら1日の疲れで動きが鈍くなる時間帯だったが、この日は足取り軽く現地に到着。なにせこれからパフェを食べるのだ。そう思うだけで、あらゆる苦しみから自由になれる。
初めての “シメパフェ” の効能を早くも実感しつつ、店先のメニュー表を眺める。ぶどうのパフェやマロンクリームのパフェなどが魅力的に並ぶなか、特に目を引いたのは、ふんだんにいちごが盛られた「贅沢いちご(税抜1300円)」。
レジで注文を済ませ、席に着いて待っていると、5分もしないうちにパフェがやってきた。
見るからに新鮮な赤色がクリームを覆っている……いちごがツヤを放ち、グラスがライトに照らされてテーブルに影を落とすさまは、まるで舞台女優。なぜだか色気まで感じてしまう。やめろよ、相手はパフェだぞ……? 俺、おかしくなっちゃったのかな……。
「シメパフェ専門店」という夜の空間が持つムードのせいか……あるいはクラクラするようなみずみずしさを見せる、このいちごの魔性のなせるわざか。
心引かれるまま一口ほおばると、甘酸っぱさが弾けた。思わず口角が緩んでしまう。酸味と甘みが6対4くらいの絶妙の比率で、いくらでも食べられそうなほど美味しい。
いちごと並んで、クリームもまた絶品。お店のインスタグラムによれば、「INITIAL」の出身地である北海道の牛乳を使ったクリームとのことで、何ともコクのある味わいに仕上がっている。いちごの酸味との相性は筆舌に尽くしがたい。
夢中になって食べ進めるうちにパフェも残り少なくなってきたが、よく見ればグラスの底まで鮮やかな具材がぎっしり。
いちご果肉のジャムとローズヒップのジュレが底に敷かれているそうで、最後までこちらの舌を楽しませることに余念がない。
・パフェで締められる幸福
10数個のいちごとクリームの山だったが、あっという間に完食してしまった。正直1300円はデザートとしては少し高めだと思っていたが、今となっては美味しさとボリュームを考えれば値段以上の価値があると感じられる。
そして何より、1日の終わりにこの幸福感が得られるのであれば、それ以上のことはない。濃厚でありながらもさっぱりとした後味は、ご飯の締めにもお酒の締めにもふさわしいと言える。「シメパフェ専門店」には、確かに北海道だけに収まりきらない魅力があった。
皆さんもぜひ、このオトナな新文化を体感してみてはいかがだろうか。きっと定番になってしまうこと請け合いである。
・今回紹介した店舗の情報
店名 INITIAL 表参道
住所 東京都渋谷区神宮前6-12-7
営業時間 11:00~23:30(L.O22:30)
定休日 不定休
参照元:Instagram @initial_omotesando
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
▼「INITIAL 表参道」のインスタグラムはこちら
▼色気すら漂わせるいちごたっぷりのパフェ
▼みずみずしいいちご
▼北海道牛乳を使ったクリームとの相性は抜群
▼底の方までスイーツ尽くし