時代に応じて変化を続ける秋葉原。そんななか、私が子供の頃からひとつだけ変わらない風景がある。アキバの象徴、万世橋のガード脇にそびえる「肉の万世・秋葉原本店」ビルだ。

しかし今回紹介するのはこの「万世」ではなく、道路を挟んだ角にある一軒のオンボロ小屋。実は3年前にも紹介したアキバ通にはおなじみのパワースポット「怪奇自販機コーナー」である。

小さなボロボロの建物に、ぎっしり隙間なく密集した自販機の数々。常温カルピス、熊カレー、エスカルゴ、入浴剤……。脈略のないラインナップはアキバ通の間で有名だったが、このたび満を持して、想像を絶する電波ビンビンの新商品が仲間入り。これはヤバいぞ!ジャジャーン!

・怪文書が貼りつけられた謎の白い箱

最初は気付かなかった。「おや?」と違和感を感じたのは、ココナツミルクの横に平然と陳列された不思議な白い箱。

近寄って目を細めると、蟻のような文字で何やらびっしり書いてある……。読むと日記というか、恨み節というか、とにかくさっぱり意味がわからず、それでいて定価490円。何だかわからないくせに、妙に高いんだけど!

裏の方には、なんと全部の商品がこの白い箱という自販機もある。ひとつひとつの箱にはそれぞれ異なるストーリーが記され、何種類あるのか見当もつかない。

中にはキツめのシモネタが散りばめられた箱もあり、お子さんや彼女連れの方は要注意。と思いきや、闘病中の堀ちえみさんを応援する感動ストーリーの箱もあって、490円と1080円から選べる。なお、高い箱は安い箱よりひと回り大きい。

こんなもん、買う人いるんだろうか……。私は呆れながらも写真を撮った……。と、そのとき。リアルタイムで箱を買うお客さんを発見! 日本人ではなく、二人組の白人女性だった。

・怪文書を買い漁る外国人たち!

カタコトで話しかけてみると「日本語読めないし、なんか怖いけど買ってみた」みたいなことを話しつつ、豪快に4箱も買っていて驚いた。

その後も、長居して客の動きを見守っていると、何気にかなりの頻度で売れていることにびっくり。わずか30分の間に三組のお客さんが箱を購入。偶然かもしれないが、全員が外国人だった。

私たち日本人の理解を超えた不思議な要素が絡み合い、外国人観光客のハートを鷲掴みしているのか? 実は密かに人気の日本みやげだったりするのかも……。

さて、日本語が読めないはずの彼らが嬉しそうに箱を買う姿を眺めているうち、自分も欲しくなってきた。というわけで、好きなストーリーの箱を選び、ボタンを押すと、

「ギィィィッ、ガッチャン」

重々しい作動音とともに、やけに軽い箱が受け取り口からこぼれ落ちた。重さはタバコの箱ほど。振ると中で何かが動く感覚がある。どうやら空っぽではないらしい。

もうひとつ、箱の裏面に小さな手紙のようなものがテープで貼り付けてある。

ひとまず帰宅して手紙のほうから開いてみると、箱の正面に記されたストーリーとは別の、アナザーストーリーが……。

そして、いよいよ気になる箱の中身である。明かしてしまって良いものか? 考えに考えた末、公開は自粛させてもらうことにした。知りたい方は秋葉原へ行って、ご自分で確かめてほしい。ヒントは食べ物。黒くて長い食べ物だ。

自分が書いたオリジナルの小説やエッセイなどを、ネット上で販売し、お金をもらう仕組みはすでにある。が、自動販売機で直販するという斜め上のアイデアは、一歩どころか十歩先。一周回って最新鋭という感じで、さすがは秋葉原と感心。街中にこんな自販機がもっとあったら、世の中もっと楽しくなるかも!

・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 秋葉原自販機コーナー
住所 東京都千代田区神田須田町2-19-7
休日 24時間年中無休

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.
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▼三年ぶりに来ました自販機コーナー!

▼不審人物が出入りしているらしい

▼あちこちに注意書きがいっぱい。

▼いろいろあって目移りしてしまう

▼ここにココナツミルクがあること自体、不思議

▼箱だらけの謎自販機

▼箱ごとに異なるストーリーが記されている

▼政治ネタからシモネタまで、バラエティ豊か

▼多くの人が立ち止まっている

▼箱を買う外国人を目撃。彼女たち4箱も買っていた

▼つられて買っちゃったよ

▼軽いけど、なにか入ってる

▼裏には「謎の手紙」。そして気になる中身は……

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